国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)は、脳梗塞を起こす原因となる首の動脈の病気に高く硬い枕の使用が関係している事を患者らを対象とした研究で突き止めた。
この関係性から「殿様枕(英語論文ではショーグン・ピロー)症候群」と命名し、国際学術誌に研究結果を発表すると共に、新しい病気の概念として提唱している。
頭を乗せない状態で高さ12cm 以上とかなり厚みのある枕の使用率は、この病気の人達では34% だったのに対し、その他の人では15% と半分以下。
中でも15cm 以上の極端に高い枕では17% 対2% だった。
首の角度や枕の柔らかさの影響も検討した所、枕が高いほど発症率が高い一方で、柔らかい枕を使う事で影響は緩和される傾向が見られ、高い枕による首の屈曲とこの病気の関連が示されたと言う。
研究チームは「寝返りなどで首を捩じる動作が合わさって発症している恐れがある」と指摘した。
研究チームが参照した19世紀の複数の随筆には「寿命三寸楽四寸」と言う言葉があった。
枕が4寸(約12cm )だと髷などの髪形が乱れず、直す手間が省けるので楽ではあるが、3寸(約9cm )の方が長生きできると言う意味と考えられていると言う。
高い枕の危険性が当時から認識されていた可能性がある。
研究チームの田中智貴医長は「高い枕に首を預け、寝たままで長時間スマートフォンを見続ける様な事も同様のリスクになり得る」と注意喚起。
「普段は余り意識されない睡眠習慣に思わぬリスクが潜んでいる事と、枕を変えるだけで容易にリスクを下げられる事を知って欲しい」と話している。
愛媛新聞 暮らし+体から
高くて硬い枕は要注意らしい。
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