そして、そこに同じく生息する他の動植物に対し、その善し悪しは別にして多大な影響を与えながら悠々の時を生き永らえてきた。
そんな地球の征服者とも言うべき昆虫たちが今、世界的に絶滅の危機に晒されていると言う。
生態系ピラミッドの底辺を支え、他の生物の餌となり植物の受粉を助ける昆虫の喪失は、静かに、然し確実に我々の食卓から医療までをじわじわと締め上げ、暮らしを酷く単調で不毛なものに変えてしまうだろう。
昆虫の減少を嘆く事は一部の好事家の杞憂などではなく、共に地球に暮らす我々自身の問題である事を気付かせてくれる。
評・小松 貴=昆虫学者 オリヴァー・ミルマン著 中里 京子訳 早川書房・2530円
愛媛新聞 読書から
食料や資材は、実は様々な種の昆虫(それも一見、何の役にも立たなそうな)の活動の結果として生産されているらしい。
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