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2018年02月13日
大腸CTアカデミア 術前検査目的の低線量大腸CT検査は果たして役に立つのか!?
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日本の未来が明るくなりますように!!!
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PubMedから、今日のつぶやき − 174 −
Taguchi N, et al. Model-based Iterative Reconstruction in Low-radiation-dose Computed Tomography Colonography: Preoperative Assessment in Patients with Colorectal Cancer. Acad Radiol [Epub ahead of print]
それでは、最新論文
「被ばく低減Full IRによる術前検査目的の低線量大腸CT検査」
のご紹介です。
と、その前になんと尾田先生からメールをいただきました。
掲載のご承諾をいただいたのでご紹介します。
〜〜〜〜〜以下引用〜〜〜〜〜
いつもブログ・メルマガを興味深く拝見し、
とても勉強になります。
この度は私たちの研究を取り上げていただき、
誠にありがとうございます。
大変、光栄である一方でとても恐縮しております。
「検査目的に基づいたプロトコル設定」というコンセプトが
少しでも伝わればと思っております。
これと関連して、ようやく日本でも認識されつつある
「Task-based approach(目的に応じた検査アプローチ)」や
「Choosing wisely/Imaging wisely」の概念が
臨床診療に周知されるよう頑張りたいと思っています。
取り上げていただいているAcademic Radiologyの
論文について少し、解説をさせてください。
@本研究は術前大腸CT検査の被ばくがテーマですが、
検証しているのは非造影大腸CT検査(注腸造影の代替としての)であり、
造影CT検査を含めた検討ではないこと。
A研究目的であり、少し極端な被ばく低減率であること。
@に関して非造影術前大腸CT検査としてのタスクを
「病変部位・範囲の同定」、
「形態タイプ評価」、
「T因評価」、
「N因子評価」
と設定し、プロトコルを設定しています。
実際の術前CTでは造影を同時もしくは後日に実施しので、
造影CTでは造影CTのタスク(N因子・M因子評価、血管評価など)
に準じた被ばく設定(この場合、高被ばく設定)が必要になります。
Aに関して、実際の診療ではタスク+α(腸管外評価)も想定して、
論文で示している必要下限の被ばく線量よりも
少し高めの線量に設定しています。
以上、コメントになります。
9月のGAIAで先生方にお会いできるのを楽しみにしております。
〜〜〜〜〜引用おわり〜〜〜〜
どうもありがとうございます!
著者の先生からの直接のコメントは貴重ですし
理解が深まりますね!!
勉強になります!
そして「Task-based approach(目的に応じた検査アプローチ)」や
「Choosing wisely/Imaging wisely」の概念には全く賛成です!!
皆で力を合わせていきましょう!
続いて、アブストラクトの続きを見ていきましょう。
【結果】
画質の客観的評価 ノイズの平均値
標準線量-画像再構成FBP(従来法):17.3±3.2
低線量-画像再構成FBP(従来法):40.5±10.9
低線量-モデルベース逐次近似再構成法(最新法):11.2±2.0
(値が小さい→ノイズ少です)
(コメント)
低線量-最新法は標準線量-従来法よりもノイズが少ないです。
低線量-従来法はノイズが多いだけでなく、
標準偏差も大きく、画質の乱れが大きいことを示しています。
われわれがAIDR 3Dで検討した結果と同じですね(Eur Radiol 2015;25:221-9.)。
画質の主観的評価
標準線量-従来法:3.9±0.3
低線量-従来法:2.0±0.5
低線量-最新法:3.7±0.3
(点数が高い→画質良好です)
術前診断は
標準線量-従来法と低線量-最新法の画像はともに
低線量-従来法より優れていた。
標準線量-従来法と低線量-最新法の画像は同等であった。
ラインコミュニティでは限定特典!として
3種類の画像を提示しているFig 2をご紹介しました。
あいにく、ブログでは不特定多数となるためご紹介できません。
閲覧希望の方はご連絡くださいね
44歳、女性
タイプ2の直腸がんの2次元画像と3次元画像
標準線量-従来法(a)(d)
低線量-従来法(b)(e)
低線量-最新法(c)(f)
低線量-従来法は画質が良くないのですが、
低線量-最新法は標準線量-従来法と同様に
良い画像なのが分かりますよね。
【結論】
最新のモデルベース逐次近似再構成法による
低線量大腸CT検査の画質は良好であり、
標準線量大腸CT検査と同等の術前診断が可能である。
著者の先生方が指摘しているように
まだ小規模な人数での解析なので
さらに検討していく必要はあろうかと思います。
とくに画質が影響しやすい遠隔転移診断
(TNM分類のM)への影響など検討の必要はあるかもしれません。
ですが、術前検査であれば
線量が高く従来法FBPを用いて診断すればよいという
従来の固定観念にメスを入れた意義は大きいでしょう。
きちんと科学的見地から検証して、
新しい撮影法を提案された先生方に敬意を表します。
とても素晴らしいですよね。
次回から、別の論文をご紹介します〜
それでは、また。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29191684
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
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自身の業務が膨大になってきたこともあり、
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ボランティアによる読影トレーニングの実施は
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何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。
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本ブログの無断転用および複製を禁止いたします。
著者に無断で各種メディアに貼り付ける
などの行為は著作権違反となります。
読者の皆さまの大腸検査に対する知識のお役に立ちましたら幸いです。
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