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2019年05月26日

駐車場係

一年に一度の保護者総会での役割分担は、駐車場係だった。
このところ、よくこの仕事が回ってくる。
校門前に立ち、すべての車輌を止めて、臨時駐車場へ誘導するのだ。

誘導灯を持って立っていると、だんだんとその気になってくる。
私はこの仕事が嫌いではない。

自然の中の学校なので、いろいろがあるのだ。
今朝も、天高くトンビが飛び、乾燥している空に飛行機雲が消えゆく。
ソメイヨシノに、いくつかのサクランボを見つけた。
若葉緑の中に、赤い点が輝いているように見える。
まだら模様の蝶が、ふわりと飛び交い、日差しの強い日なたなのに、ブヨが顔にまつわりつく。

それでも、青空のもとにいるのは、なんだか気持ちがいいのだ。
チャイムが聞こえ、休み時間になると、遠くから生徒の声が聞こえてくる。
「あっ、丹澤先生がいる!」
遠くから私の姿を発見した生徒が声を上げる。

「来校して下さった方が、また来たくなるようなおもてなしを…」
今朝の朝の会で、若手の担任がそう生徒に語っているのを思い出した。
私たちだって同じ思いでなければならないだろう。

顔見知りの保護者がやってきた。
「丹澤先生、帽子、かぶらないと、頭が日焼けしてしまいますよ。」
そうだ。しまった帽子を忘れた。
午前中の比較的早い時間だから、気温もそう暑くないし、日差しも対したことないだろうと、高をくくっていたが、間違いだった。
昨日以上に暑い…。

「暑いのにおつかれさまです。」
そんな声を掛けてくれた保護者もいる。

「確かに少し疲れたかな…。これから2時間連続の授業。授業参観だ。」
と、帽子を忘れたことを悔やみながら、授業の組み立てを考える。

さて、次の分担の若い先生は、時間通りに来てくれるだろうか。
私の場合、どんなに遅くても5分前には行く。
この駐車場係の時は、移動時間もあるので10分前には行く。
だが、世の中には、時間ギリギリか、遅れてくることがへっちゃらな人もいる。
最近では、そういう人種であり、彼らは罪悪感なく、習慣のようにそのような遅刻生活を送っていることを理解しているつもりだ。

来た。正確な時間は分からないが、時間のほんの少し前に交代に来たようだ。

「遅れずに来て良かった…」、とほっと胸をなで下ろす。
彼の場合、おそらくは5分以上前の行動はできないだろうな…、と私とは違う人種であることを、やや残念に思いつつ、校舎に向かう。

家庭科室では、中2が解剖したイカを焼いて食べている。

あたりに磯の香りが漂っていた。















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