2019年08月31日
手のひらや足の裏に水ぶくれが!掌蹠膿疱症の原因と症状について
掌蹠膿疱症ってきいたことありますか? 実際になった人や医療関係者でもなければおそらく聞いたことがないと思いますが、手のひらや足の裏に膿疱ができる疾患のことを言います。
その原因や症状はなんでしょうか?
要チェック項目
□掌蹠膿疱症は手のひらや足の裏にできる
□人にうつることはない
□1割から3割の人に関節症状がみられる
掌蹠膿疱症についての基礎知識
掌蹠膿疱症とは?
掌蹠膿疱症は「しょうせきのうほうしょう」と読みます。掌とは「てのひら」を、蹠とは「足の裏」のことを言い、掌蹠膿疱症とは文字通り、手のひらや足の裏に膿疱が出来る疾患のことです。
慢性の皮膚疾患
掌蹠膿疱症になると、まず手のひらや足の土踏まずが赤みを帯びて、その次に膿疱と言って、小さな水ぶくれができてきます。
しばらくすると茶色っぽいかさぶたになって向けてしまいますが、また別の場所に膿疱ができて、かさぶたになって剥がれてといったことを繰り返します。
悪化と良化を繰り返す
掌蹠膿疱症の症状は、周期的に良くなったり悪くなったりということを繰り返します。
合併症のリスクがある
掌蹠膿疱症は悪化すると痛みがひどくなったり、合併症を起こしたりします。ひどくなると、スーパーのレジでおつりを受け取るのも困難になるなど、日常生活にも支障をきたすようになってしまいます。
掌蹠膿疱症の原因はどのようなことが考えられますか?
細菌
掌蹠膿疱症は、かつてより扁桃腺炎やう歯(虫歯のことです)、歯周囲炎などの感染症との関係が指摘されています。
それらの感染病巣と密接に関連している理由としては、扁桃を摘出したり、歯科治療を行うことで、掌蹠膿疱症の症状が劇的に改善されるといったケースがしばしばみられることが挙げられます。
ただし、細菌感染によって膿疱ができる訳ではないので注意が必要です。
アレルギー
掌蹠膿疱症のときに現れる膿疱は、一種のアレルギー反応によって起こると言われています。アレルゲンが体内に入ることで白血球が集まって膿疱が出来るという訳です。
だから、掌蹠膿疱症の膿疱内には細菌が含まれていないので、体の他の部位にうつったり、他の人にうつったりすることはありません。
その他
掌蹠膿疱症の原因としては、喫煙もその要因として挙げられています。実際に、掌蹠膿疱症を発症した人の80%が喫煙者であるということです。
その他の原因としては、歯科金属(パラジウムなど)に対するアレルギーを指摘する医師もいます。
掌蹠膿疱症の症状にはどのようなものがありますか?
かゆみ
掌蹠膿疱症の初期症状としては、かゆみが出ることが知られています。
膿疱
掌蹠膿疱症を発症すると、手のひらや足の裏に膿疱と呼ばれる、小さな水ぶくれのようなものができます。
掌蹠膿疱症という疾患名に「膿」という字が含まれていますが、この皮膚病のウミの中には細菌(ばい菌)や真菌(カビ)などの菌はいません。
掌蹠外皮疹
掌蹠膿疱症は基本的手のひらや足の裏に症状が出ますが、重症になった場合には下腿(すね)や膝にも皮疹が見られることがあります。また、稀ではあるものの、体に赤いぶつぶつが出ることもあるそうです。
こういった症状がみられる場合には掌蹠外皮疹と呼ばれますが、発症する可能性は低いということです。
掌蹠膿疱症性骨関節炎
掌蹠膿疱症性骨関節炎(しょうせきのうほうせいこつかんせつえん)は、掌蹠膿疱症の合併症で、胸骨や肋骨、鎖骨や脊椎、骨盤に激しい痛みが出ることが知られています。
ただ、現代医学をもってしても原因は今のところハッキリとは分かっていないということです。掌蹠膿疱症患者さんの1割から3割程度に見られるということです。
掌蹠膿疱症の治療はどのようにして行われますか?
外用薬
掌蹠膿疱症の治療としては、まず外用療法があります。かゆみが強い場合や、新しい皮疹がたくさんできる場合には強めのステロイド製剤を塗布して治療します。
症状が改善してきたら、弱えのステロイド軟膏に切り替えたり、活性型ビタミンD3軟膏に変更します。
内服薬
頑固な皮疹が見られる場合には、短期間、ビタミンA誘導体を内服して治療を行うこともあります。
光線療法
上記のような治療を行ってもなかなか治らないような場合には、PUVA やナローバンドUVB、エキシマライトなどの光線療法が行われることもあります。
その他の治療
掌蹠膿疱症は先述したように、扁桃腺炎や虫歯、歯周囲炎などとの関連が指摘されているので、そのような疾患がある場合には、まずそちらの病巣を取り除くことになります。
また、アレルギーがある場合もその治療を行います。
掌蹠膿疱症の予後について教えてください!
掌蹠膿疱症は、その原因が分からないことが多いので治療に時間がかかってしまうのですが、ほとんどの症例が自然に治ってしまうということです。
早めに医療機関を受診しましょう
掌蹠膿疱症は手のひらや足の裏に膿疱が出来る病気ですが、他の疾患との判別も重要となります。
自己判断で潰したり市販薬を塗ったりせず、まずは専門家に診てもらいましょう。