2019年08月12日
日本のサラリーマン「月曜に心筋梗塞」ほかの曜日より30%も多かった
日曜日夕方6時半と言えば「サザエさん」。そんな光景が日本では45年前から続いている。サザエさんと言えば「ほのぼの」や「温かい」というイメージがあると思うが、それを見ることでネガティブな気持ちになることがある。それが「サザエさんシンドローム」。
決してサザエさんが嫌いなのではなく、サザエさんを見ると、また月曜からの1週間が始まる悲しい気持ちになる状態である。そしてその翌日に迎えるのは「ブルーマンデー」。
今回はそんな「月曜のリスク」について考えてみよう。
□交感神経と副交感神経の働き
1週間の始まりで、少しナーバスになり、気分が落ち込む「ブルーマンデー」。体の中では何が起こっているのだろう。
おそらく自律神経という言葉を聞いたことのない人は少ないだろう。自律神経には、交感神経と副交感神経がある。ざっくりと言うと、副交感神経は体と心を休ませる方に働き、交感神経は、緊張したり頑張ったりしているときに働きやすい。交感神経は「闘争」あるいは「逃走」のシチュエーションで働きやすいと言われている。
□月曜の朝は交感神経が非常に活発になる
通常、夜寝ているときに副交感神経が優位になり、起きているときは交感神経優位になる。ただし、週末には闘争も逃走も必要なく、起きていても副交感神経が優位になることが多い。
月曜の朝はどうだろう。多くの人が、週明けの仕事や人間関係において「闘争」しなければならない。心の中では「逃走」したくてもできない。そんな状況で週末休んでいた交感神経を無理やり働かせることなる。
□月曜は心筋梗塞と脳卒中のリスクが非常に高い
交感神経は「闘争」あるいは「逃走」のために体を準備させるものである。
そのため、血圧が上がり、心臓への負担が大きくなる。特に月曜日は心理的ストレスが大きく、交感神経の活動が強くなる。
そのときのリスクが「月曜のリスク」と言われるものである。実際に、脳卒中の発生リスクはすべての曜日の中で月曜がトップである。また日本のサラリーマンで特に男性では心筋梗塞の発症が他の曜日より30%も高いという報告もある(※1)。
月曜のリスクについては理解してもらえただろうか? 気分が乗らない「ブルーマンデー」だけなら仕方ないが、心筋梗塞や脳卒中になってしまうと大変である。月曜日は特に注意をして、緊張やストレスがたまりすぎないよう予定を調節したり、リラックスグッズなどを準備したりした方がいいかもしれない。病気で倒れて「ブラックマンデー」になってしまわないようにしてほしい。