2018年09月21日
カビ?食べてもいいの?白菜の「黒い点」の正体はあの成分だった
鍋料理だけでなく、炒め物やお漬物にも大活躍の白菜。そんな白菜に「黒い斑点」ができていることがありますよね。「これってカビ?」「食べても大丈夫なのか?」など、白菜の黒い点の正体を調べてみました。実は誰もが知っているあれだったんです!
なにこれ?白菜の黒い点
今夜は鍋にしようと、いそいそと白菜を切ってみたら、なにこれ?白菜に黒い点々が!思わず「カビ?」とぎょっとした経験はありませんか?真っ白な白菜一面に黒い点々が出ているのは、気持ちのいいものではありません。そんな黒い点の正体をご紹介します。
黒い点の正体はポリフェノール
この気味の悪い黒い点の正体、実は"ポリフェノール"なのです。「え?"ポリフェノール"って、あの、体に良いと言われるポリフェノール?」……そうです。白菜に浮き出た黒い点の正体は、病気でもカビでももちろん虫でもなく、実はポリフェノールなのです。
ポリフェノールとは植物特有の成分で、苦味や渋み、色素のもととなるものです。植物が光合成をするときに作り出される成分でもあります。緑茶に含まれるタンニンやブルーベリーに含まれるアントシアニンなどは有名なポリフェノールです。ポリフェノールの効果は、血圧降下や殺菌作用、そしてよく言われているのが、"抗酸化作用"です。
黒い点はなぜできるの?
白菜の黒い点を正式には"ゴマ症"と言います。白い葉や茎にゴマのように、黒い斑点が散っていることから付けられた名称で、"症"とは言うものの、病気ではありません。ゴマ症のゴマ部分はポリフェノールの塊で、食べても問題ありません。
環境によるストレスが原因
白菜のゴマ症は、環境によるストレスによってわりとよく発生します。大きく育った白菜ほどゴマ症が発生しやすい、とも言われています。ゴマ症の原因は、白菜の生理現象によって起こるため、"生理障害"と言われています。生理障害とは、虫類、カビや細菌などによる被害ではなく、栄養失調あるいは過多、低温度・高温度による障害のことです。
白菜のゴマ症のほか、さくらんぼの収穫前の降雨による実割れなども生理障害として農業関係者のなかでは、よく知られている現象です。
栽培時・収穫後ともに発生する
原因はさまざまあると言われていますが、主に栽培されているときの環境や、収穫後の保存環境によってゴマ症は発生すると言われています。栽培や保存環境が原因によるストレスから、白菜にポリフェノールが溜まり、白菜表面に黒いゴマとして現れたものがゴマ症なのです。
黒い点があると味に変化は?
一般に、ゴマ症の白菜のほうが、そうでないものと比較すると味が落ちると言われています。葉の成分調査の結果を見ると、ホウ素と鉄のほかに、糖分も少ないということがわかっています。成分の調査結果から考えると、ゴマ症の白菜のほうが甘くておいしいとは考え難いのです。
ゴマ症の白菜のほうが甘くておいしい、という意見は寒締め白菜と勘違いして発言したものが一人歩きしている、という説があります。ここはひとつ、自分で食べて判断するのが一番かもしれません。とはいえ、ゴマ症の白菜は水分を多く含んでいるものが多く、日持ちしません。おいしくいただくためには、早めに食べてしまうことをおすすめします。
黒い点は気にせず白菜を楽しんで♪
白菜の黒い点は、カビではなくポリフェノールで、食べても問題がないことをご紹介しました。黒い点がある白菜は避けていた……なんて方もいらっしゃると思いますが、良い白菜を見分けるポイントを把握して、選んでみてくださいね。
黒い点が出てきたら早めに消費しよう!