2013年08月09日
睡眠不足になると高カロリーのジャンクフードに手が伸び肥満につながる!?:研究結果
睡眠不足が続いて疲れていると、健康的な食事よりもジャンクフードですましてしまった経験はないだろうか?
寝不足はダイエットの大敵であるという研究結果が『Nature Communications』で発表された。米カリフォルニア州バークレー大学の研究者らは、食物のチョイスに関わる脳の部分に注目。それによれば、何日も寝不足が続くと健康的な緑黄色野菜よりも脂肪分たっぷりのドーナッツやピザについつい手が伸びてしまい、それが肥満に繋がってしまうのだという。
研究者らは23人の学生の脳を、十分な睡眠後と不十分な睡眠後の2回、機能的磁気共鳴画像(fMRI)により測定した。実験ではMRIスキャナーの中で低カロリーから高カロリーまで様々な80の食品(いちご、りんご、ベビーキャロットなどの果物や野菜から、ハンバーガー、ピザ、ドーナッツのジャンクフードまで)を見せられ、脳スキャンをとっている間に、どの食品を好むかをレーティング。実験の信憑性を高めるため、fMRIのスキャン後には被験者の欲した食材をもらえるという報酬付きだ。
「複雑な判断力と意思決定を司る前頭葉の働きが、寝不足で鈍くなっているようだ」と語るのは、バークレー大学心理学と脳神経学のマシュー・ウォルカー教授。「そしてモチベーションや欲求を司る脳の部分が活動的になっている」
結果はご想像の通り。寝不足により高カロリーの食べ物が欲しくなり、普段ならそれを避けるだろう判断力が鈍って結局口に入れてしまう。それがズルズルと肥満への道を切り開いてしまうらしいのだ。これまでの研究では、寝不足と塩分糖分の高い食べ物に対する食欲の上昇を関連付けてきたが、今回のfMRIスキャンでは脳の活動がそのメカニズムの裏付けとなった形だ。
ウォルカー博士はこの研究結果について「十分な睡眠は体重コントロールの1つの要因であり、それは食品の選り好みに影響するという事だ」と、コメントしている。徹夜で勉強する学生さんや、寝不足が続く社会人には身に覚えがあるのではないだろうか? これからはしっかりと睡眠をとっていただきたい。