東京消防庁管内の平成24年中の救急出場件数は74万1,794件でした。前年から2.4%増加しており、救急業務を開始した昭和11年以来、過去最高となっています。平均すると一日で2,027件、43秒に一回の割合です。救急車の出動が多くなれば、必然的にそれぞれの現場に到着が遅れて、救える命が救えなくなる可能性があります。緊急性がなく自分で病院に行ける場合は、タクシーなど代わりの交通手段で病院に行きましょう。
とは言え、どの程度の病気や怪我が“緊急性アリ”とされるのかの判断はなかなか難しいですよね。意識不明や大量の出血など、目で見てすぐわかるものはためらわず119番通報をしていただいて構いません。あるいは、突然の激しい頭痛や胸痛、原因不明の手足のしびれも、すぐに救急車を呼ぶべきです。しかし、もしそれが不安なら、救急車を呼んでいいのかを専門のスタッフに相談できる、便利な窓口があるのをご存知でしょうか。
ひとつ目は、“#7119”。
たとえば東京では、『東京消防庁救急相談センター』を開設し、救急車を呼ぶかどうかの相談に、医師・看護師・救急隊経験者のチームが24時間年中無休で対応しています。 しかし、残念なことに、#7119に対応できる窓口は現在、東京・大阪・奈良の3都府県のみ。札幌市でも平成25年10月から開始の予定で、他にも、独自の番号が設定されている愛知県のような場合もあるので、この機会にお住まいの地域のシステムを調べてみてください。
ふたつ目は、“#8000”。
これはなんと全国共通で、小さなお子さんの保護者が、休日・夜間の急な子どもの病気にどう対処するか、病院の診察を受けるべきかの判断をする場合に、小児科医師・看護師への電話による相談ができる窓口です。受付時間は都道府県によって異なるので、これも各行政のホームページをチェックしておきましょう。「小児救急医療電話相談事業(#8000)について」と検索すると厚生労働省のホームページがヒットするはずです。
あくまでも注意しておきたいのは、この電話で診察や治療ができるわけではないということ。あくまでも家庭での一般的な応急処置、対応へのアドバイスなので、過度な要求でシステム自体の存続が危ぶまれないように、くれぐれもご注意を。