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放射性物質の濃度をこっそり発表



<アユを食べれば被曝!?>

 首都圏の川やダムは、やっぱり放射性物質で汚染されているんじゃないか――。環境省がGW前にこっそりと発表した「公共用水域における放射性物質モニタリングの測定結果」には、目を疑いたくなるような数値が並んでいる。

 今回発表されたのは、群馬、栃木、茨城の各県内約60カ所の放射性物質の濃度を測定したもの。たとえば、「栃木・鬼怒川水系志渡淵川筋違橋」の右岸の土壌から採取された放射性セシウム濃度は1万3300ベクレル! 昨年8月の測定結果は2900ベクレルで、4倍以上に増えている。

 3県の上位5ポイントは、別表の通り。飲料水や食品に含まれる放射性セシウムの基準値は最大100ベクレルだから、いかにベラボーな数値かが分かる。健康に影響はないのか。同省水・大気環境局水環境課の担当者が言う。

「健康被害の報告は、聞いておりません。河川に含まれる放射性セシウムの濃度は、1ベクレル未満。川の水が“壁”になって、土壌からの放射線の影響が抑えられているのでしょう」

 なんともインチキな分析である。“対岸の火事”ぐらいにしか思っていないようだが、川の水がどうであれ、魚たちは汚染されていく。

「アユは、岩場のコケをエサにするイメージがありますが、川底の虫も食べます。マスやヤマメ、イワナなども同様で、これらの魚が川底をつついたときに、エサと一緒に放射性セシウムを摂取している可能性は高い。それで、人間が放射性セシウムに汚染された淡水魚を食べれば、おのずと内部被曝(ひばく)するのです」(水産ジャーナリスト)

 これらの川魚はこれから旬を迎える。はたして食べても大丈夫なのか。国はちゃんと検査すべきだ。

◇採取地点/放射性セシウム濃度

【栃木県】

◆志渡淵川・筋違橋右岸/13300

◆鬼怒川・小佐越左岸/8900

◆高雄股川・高雄股橋右岸/7100

◆箒川・堰場橋左岸/6600

◆湯川・湯川橋右岸/6200

【群馬県】

◆小黒川・萱野橋右岸/3500

◆吾妻川・吾妻橋右岸/3000

◆長井川・上権田橋右岸/2750

◆片品川・二恵橋左岸/1730

◆利根川・大正橋左岸/1680

【茨城県】

◆清明川・勝橋の川底/3500

◆里根川・山小屋橋左岸/3100

◆里根川・村山橋右岸/2900

◆新川・神天橋の川底/2340

◆山王川・所橋右岸/2160







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