2018年07月20日
伝統野菜で地域おこしブーム? 近所の野菜が商標登録されているかも
聖護院大根や加賀なす、亀戸大根といった野菜の名前を聞いたことがあるという人もいるだろう。これらは「伝統野菜」である。
日本に多く流通している西洋野菜と比べると、伝統野菜は古くから特定の地域の風土でのみ作られる。西洋野菜を「外来種」とした時に、伝統野菜は「地域古来の在来種」と言えるのではないだろうか。
その伝統野菜を商標登録することで地域の発展に貢献しようとする動きがあるのをご存知だろうか。
□「伝統野菜」とは? その定義と最近の動向
そもそも伝統野菜とはどういうものを指すのだろうか。
農林水産省によれば「その土地で古くから作られてきたもので、採種を繰り返していく中で、その土地の気候風土に合った野菜として確立されてきたもの」である。
また伝統野菜の特徴として「野菜の形がそろいにくい」「手間がかかる」という点が挙げられる。そのため大量生産のニーズに合わず、生産が減少していたが、最近になって、地産地消がブームとなり注目が集めるようになった。
□知らないだけでこんなにある!日本各地の伝統野菜
ここで、各都道府県が出している伝統野菜の情報を元に、伝統野菜の一部を紹介する。あなたの地域の野菜はあるだろうか。
・北海道、東北地域→紅大豆(山形県) 、仙台曲がりねぎ(宮城県)
・関東、中部地域→亀戸大根(東京都)、女池菜(なばな)(新潟県)
・関西地域→聖護院(しょうごいん)大根(京都府)、天王寺蕪(てんのうじかぶら(大阪府)
・四国、中国地域→砂丘らっきょう(鳥取県)、岩国れんこん(山口県)
・九州、沖縄地域→糸巻き大根(宮崎県)、島ニンジン(沖縄県)
などだ。
□「商標登録」を通して伝統野菜を身近にする、地域の取り組みとは?
自身の地域の伝統野菜を日本全国に広めたいという思いから、商標登録を取得した伝統野菜がいくつか存在する。その中の一例を紹介しよう。
<商標登録されている伝統野菜>
・鏡水大根(かがんじでーくに)/沖縄県
・楢山神代豆(ならやまじんだいまめ)/山形県
・八幡芋(やはたいも)/山梨県
などなど。
これ以外にも商標登録している伝統野菜があり、今後ますます増えていくのではないだろうか。
自分の地域の野菜が商標登録されているかが気になる方は、特許情報プラットホーム(J-PlatPat)を検索してみても面白いかもしれない。こちらのサイトではキーワードを入力すると、商標登録されているかどうかを調べることができる。
□伝統野菜のブランド形成や活性化に商標を利用
商標を登録するということは伝統野菜のブランドを守るだけではなく、知名度を高め、販路を拡大していく上で大切なことだ。商標を武器として、伝統野菜を地域活性化の起爆剤にしてもらいたい。
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