2017年12月30日
やっぱりそうだった! 親の食事が子どもに与える影響は大きい
親が食べているものに子どもは大きく影響を受けているという研究結果を、米デラウェア大学の研究チームが発表した。食事の質やカロリー量が似た傾向になるという。
研究チームは、しばしば「子は親を見て育つ」と言われる現象が、食生活にも科学的に当てはまるか検証すれば、子どもの肥満の予防や解消法がわかるのではないかと推測している。
2007年から2年間に渡って6〜12歳の子どもと、その両親の行動や生活習慣を追跡調査した研究「Neighborhood Impact on Kids study」から、シアトルやサンディエゴ、ワシントンなどの大都市圏に住む中流家庭の親子698組のデータを抽出、分析した。
分析対象となった食事は、平日と週末の1日分(3食)。各食品のカロリーを計測した。食事の質は、二つの指標から判定した。一つは米国農務省による「米国人のための食生活指針」にどの程度沿っているかで食事をスコア化する「健康な食生活指針2010年度版(HEI-2010)」。もう一つは、1食に含まれる野菜、果物、低脂肪乳製品などの摂取量で、高血圧予防効果が期待できるかをスコア化する「DASHスコア」だ。
何らかの疾患によって食事療法をしていたり、摂食障害を発症している場合、通常の生活を送るのが困難な疾患にり患しているケースは除いている。
その結果、食事の質についてはわずかに親が高い傾向にあり、HEI-2010の平均スコアが親で64.5だったのに対し、子どもは58.3だった。DASHスコアは親が56.6で、子どもは54.3となっている。
カロリー摂取量は、親が1日当たり平均1763キロカロリーに対し、子どもは1751キロカロリーと、ほぼ同じだった。なお、全体的な傾向として野菜類の摂取量が非常に乏しく、カロリーが高い割に栄養価に乏しい食事をよく摂っていたという。
研究チームは地理的、社会的要因やBMIなどを調整しても、子どもの食事の質とカロリー数は親のものに似ていることから、親に対し食事改善を働きかければ、子どもにも影響を与えることができるのではないか、とコメントしている。
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