2017年05月04日
誰でも夢は毎晩何度も見る。ではなぜ夢は「変で論理的でない」のか?
夢は眠っている間の脳が作った幻であるとも言える。
実際には見えていないものや聞こえていない音が感知される。面白い、楽しい、恐ろしいなど感情が涌き起こる夢、また、時には奇妙な夢もあるが、このような夢の内容はいったい何を意味するのであろうか? また、夢を見る目的はあるのだろうか?
□夢は毎日何度も見ている 「見ていない」は覚えていないだけ
夢を全く見ないという人や、たまにしか見ないという人もいるかもしれない。しかし実際には私たちは毎日、しかも、一晩に3〜6回という頻度で何度も夢を見ているのである。
ところが、朝起きた時に夢の内容を覚えていないことは多く、約95%の夢は忘れているという。それぞれの夢は5〜20分で、目覚めた時に夢を覚えているかは人によって違いがある。子供や成人前の若者は夢の内容をよく覚えているといわれている。
□眠れない「睡眠障害」の人も夢の内容をよく覚えている
夢を見るのはレム睡眠(浅い睡眠)中であると言われることが多い。従って、眠りが浅く良質な睡眠が得られていない睡眠障害の人も、夢の内容をよく覚えている傾向にある。一方で、認知症の人は夢を見ること自体が少なくなると考えられている。
□そもそも夢とは何なのか 脳は幻を作りだす
そもそも夢とは何なのだろうか?
夢の中に家族や友人といった知り合いが登場するなど、夢には現実的な側面がある。一方で、ストーリーは支離滅裂で奇妙なものが多く、非現実的な側面もある。現実の何かを反映しているかのようにも感じられるが、いったい夢はどこから来ているのだろうか?
夢を見るのは、睡眠中も脳が活動している証拠だ。夢は脳が作り出した幻だともいえる。睡眠中の脳が作り出した物語やイメージが「夢」なのだ。
□夢はたいてい内容が論理的でなく変なのはなぜ?
そして、夢には「感覚的であり、論理的ではない」という特徴がある。
それは、特に視覚や聴覚などの感覚をつかさどる大脳皮質感覚野は睡眠中も活発に活動している一方で、論理的な思考をつかさどる前頭前野は活動を弱めているからである。
夢のストーリーが非論理的で奇妙なものが多いのはそのためだ。
□夢は何のために見るのか
睡眠中も脳が活動を続けているから夢を見るのだが、睡眠中に脳が何をしているかはよく分かっていない。夢に生物学的な意味はないとする説がある一方で、夢は“脳のリセット”に関わっているという考えがある。
「いらないノイズを消去することで、より重要な情報だけを記憶として残す」機能であり、その過程を反映しているのが夢だというのである。また、夢の中には普段無意識下にある欲求が映し出されているという精神分析学の考え方もある。
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