2016年10月27日
「物知りな人」ほど脳の効率が悪くなるって本当? 脳の「過剰負荷環境」とは
さまざまな情報に接し、さまざまな分野に精通する人ほど仕事の能率が時に下がってしまうことがあるとか……。一見「できる人」のように見える情報通な人。なぜ仕事の能率が下がってしまうことがあるのでしょうか? 「過剰負荷環境」についてご紹介します。
■情報が多すぎると、前頭前野は停止する?
物事の段取りを組む仕事をしているのが、脳の前頭前野という部分。実は自分で処理できないような多くの情報に触れた場合、人はこの前頭前野が停止してしまい、やらなければならないことを処理できずに丸投げしてしまったり、判断が狂ってしまったりすることがあるよう。
前頭前野はワーキングメモリーとして、物事を段取りよく進めるために必要な作業や順序を、「一時的な作業記憶」としてとどめている部分なのですが、この部分には一度に約7個の情報しかとどめておくことができないとか。7個以上の情報を記憶するためには、情報を長期記憶として覚えていかなくてはならなくなり、そのため、たくさんの情報に触れると前頭前野はどの情報を捨て、どの情報を覚えるかの処理に追われてしまいオーバーワークに陥ってしまうよう。
そのためひとつの仕事や作業に対し、たくさんの情報が必要になる人ほど作業前の脳処理が多くなり、実際の作業効率が下がってしまうことがあるよう。ワーキングメモリーに負荷をかけないためには、ひとつの仕事や作業に必要な情報の絞り込みを行うこと、優先順位を決めてタスクを行うことなどが大切です。あまりにたくさんの情報は、かえって仕事の足を引っ張ることがあるため注意しましょう。
■前頭前野が停止すると、困った問題も起こしやすい
情報が多すぎて前頭前野がオーバーワークに陥ってしまった場合、作業効率が下がるだけでなく、トラブルを引き起こしやすくなる場合もあります。例えば素早く判断をしなければならない場面で、思考が働かずに判断を誰かに丸投げしたり、放棄してしまったりすることがあります。
また自分の脳がオーバーワークとなっているため、他人に対しての気配りや思いやりまで頭がついて行かず、他人を無視・軽視したりしやすくなることも。たくさんの情報に接する人ほど、情報の取捨選択を行い頭の中をいつもシンプルに保つ工夫が必要です。情報も物と同じように常日ごろから整理整頓・いらないものは捨てるようにして頭をスッキリさせておくようにしましょう。
たくさんの情報を知っているのに、いざ作業となると効率が悪くなってしまう人がいるのは、人が情報を扱い段取りを組むのに一種の制限があるため。効率をあげるためには、ワーキングメモリーをいつもシンプルに保つ工夫をしてみましょう。
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