2016年10月04日
実はただの突然変異だった! 意外と知られていないブロッコリーとカリフラワーの違い
人間にとって欠かせない栄養源である「野菜」。誰もがフツウに食べている野菜にも、意外な一面があるのはご存じでしょうか?
独特の食感でファンの多いカリフラワーは、もとをたどればブロッコリーの突然変異。鮮やかな色合いから料理に使われる機会が多いのに、栄養面ではブロッコリーに完敗と、ちょっと残念な野菜です。ポテトチップやフライドポテトでおなじみのジャガイモが食用になったのは18世紀の話で、それまでは毒があると信じられていたため「観賞用」として育てられていました。日本で食用として定着したのは明治時代と、ポピュラーなのに歴史の浅い植物なのです。
■ブロッコリーもカリフラワーも、白菜の仲間
ブロッコリーとカリフラワーって何が違うの? と思ったことがありませんか? アスパラガスのように日に当てないと白いカリフラワーになる、キャベツとレタスのように全くの別モノなど、いろいろな話を耳にしますが、じつは「基本的」に同じ野菜。ブロッコリーが突然変異したものがカリフラワーなのです。
原種にあたるブロッコリーはアブラナ科で、「マズい! もう一杯!」で知られる「ケール」という植物が祖先。見ためからは想像しがたいかも知れませんが、キャベツや白菜と親戚関係の野菜なのです。カリフラワーはブロッコリーが突然変異したもので、品種改良を重ねて現在のカリフラワーになりました。名前からは連想できませんが、ほぼ同じ植物なのです。
色以外、なにが違うのでしょうか? 最大の違いは栄養価で、元祖であるブロッコリーのほうが圧倒的に豊富なのです。生のブロッコリーとカリフラワー100グラムに含まれる、主要な栄養素を比較すると、
・ベータ−カロテン … 800 / 18マイクログラム
・ビタミンK … 160 / 17マイクログラム
・葉酸 … 210 / 94マイクログラム
と、誰もが知っている成分だけでも2〜40倍もの差があります。見ための美しさで人気のカリフラワーは、栄養面でもぜひガンバってもらいたいところです。
どちらも食べているのは花蕾(からい)と呼ばれる「つぼみ」の部分で、これが独特の食感を生み出しているのですが、茎にはさらに多くの栄養があると言われていますので、まるごと食べないともったいないですね。
■ジャガイモで食中毒?
ファストフードやお菓子で定番のジャガイモは、さらに「もったいない」使われ方をしていました。せっかくの「芋」を食べず、観賞用にされていたのです。
ジャガイモの起源はインカ帝国で、16世紀ごろにヨーロッパへ広まったとされています。インカ帝国では重要な食料だったのに、カラフルな花を咲かせ、トマトのようなかわいい実をつけるため、ヨーロッパでは観賞用として育てられていました。また、当時は「ジャガイモを食べると食中毒になる」が定説で、そんなわけないだろ! と突っ込みたくなりますが、これは芋ではなく「実」の話。トマトのような実はアルカロイドを含むため食用には不向き、食中毒を起こして当たり前なのです。知らなかったとはいえ、芋ではなく実を食べていたのですから、なんとももったいない話です。
食用として広めたのはドイツのフリードリヒ2世で、食料不足の解消が目的だったとされています。ジャーマンポテトなんて料理もあるのに、食料になったのはおよそ300年前と、意外と短い歴史しかありません。日本にやって来たのは1598年と言われ、本格的に栽培されるようになったのは1700年代、フツウに食べるようになったのは明治30年(1897年)頃と推測されていますので、ジャガイモが市民権を得るのに300年もかかったことになります。
「肉じゃが」は和食の定番メニューのように言われていますが、誕生したのはさらにあと。キング・オブ・スナックと呼べるジャガイモは、日本では100年ほどの歴史しかない「新参者」だったのです。
・ブロッコリーとカリフラワーは「ほぼ」同じ植物
・多くの栄養成分は、ブロッコリーのほうが圧倒的に豊富
・ヨーロッパでは、ジャガイモを観賞用として育てていた
・日本でジャガイモを食べるようになったのは、およそ100年前の話
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