2016年08月18日
「早起きは三文の得」は本当か? 早起きの人の年収比較
「早起きは三文の得」。
これは、朝、早く起きることで得をするという意味のことわざで、早起きを「良いもの」として奨励しているが、果たしてこのことわざ、本当なのだろうか。
このことわざを「年収」という観点から検証するような調査の結果が、アメリカで行われた。
□起床時間は年収とは無関係?
調査を行ったのは、アメリカのマットレス通販会社US-Mattressである。
年収と起床時間の関係に着目したこの調査では、年収24,000ドル(約290万円)以下の人から150,000ドル(約1,811万円)以上の人まで、幅広い年収の人が回答した。
調査の結果、年収の違いと起床時間には関係がなかった。つまり、早起きをするからといって、年収高いわけではない、という結果が得られたのである。
□年収が低い人ほど早起き?
また、朝10時以降に起きる、と回答した人の割合が最も少なかったのは、年収が24,000ドル(約290万円)以下の人たちであった。むしろ、年収が少ない人ほど早起きの人が多いようだ。
もちろん、この調査結果は、あくまでも年収という1つの切り口から早起きを考えてみたにすぎず、早起きによる恩恵はもっと別の部分にあるのかもしれない。
□早起きの鳥は虫を捕まえる
ちなみに、この「早起きは三文の得」ということわざは何も日本だけで言われていることではない。
英語では、“An early bird catches the worm.”(早起きの鳥は虫を捕まえる)、“The cow that’s first up, gets the first of the dew.”(最初に起きる牛は最初の朝露を吸う)というように、早起きが得をするという意味のことわざが世界中で存在する。
また、ドイツ語では“Morgenstund’ hat Gold im Mund.”(朝の時間は口の中に金がある)、スペイン語では“A quien madruga Dios le ayuda.”(早起きする者を神は助ける)と、同様のことわざは世界各地で言い伝えられているようである。
□三文とは大きな額? それとも小さな額?
そもそも「三文の得」の「文」とは、江戸時代に使われていた寛永通宝の一文銭を指している。これは、当時の最低額の貨幣であり、この一文銭3枚分が「三文」である。「三文の得」とは、決して大きな得ではなく、小さな良いことがある、という意味合いの方が強いようである。
今回、紹介した調査結果でも、早起きが直接、年収の増加に影響しているわけではなかった。しかし、だからと言って毎日昼まで寝ていることが年収アップにつながるとは考えにくい。一方で寝不足の中、無理やりキツい体を叩きおこして…というのが年収アップにつながるとも考えにくい。何事もほどほどに、整った生活習慣を、ということなのだろう。
【気になった話題・ニュースの最新記事】
この記事へのコメント