2016年08月13日
1杯たった200円!驚きの低価格でカレーが販売できるカラクリ
日本の外食は、デフレ競争に晒されています。
一方で、マクドナルドは高価格バーガーを発売し、吉野家も高単価路線にチェンジして、客数は減ったものの単価が上昇し、売上をキープしています。
ですが、日本の外食産業はまだまだ安いものが多く、外食の楽しみを増やしてくれています。
そんななか、驚きのお店が東京都足立区の竹ノ塚に出店しました。なんとカレーが200円だというのです。
カレーといえば、自宅で簡単につくれる日本人の国民食。カレーを嫌いという人にはめったにお目にかかりません。
では、その驚きの200円カレーのカラクリはどうなっているのでしょうか。
■その名は「原価率研究所」
200円カレーを販売しているお店は「原価率研究所」といいます。
外食店を運営するときに欠かせないのが原価の観点ですが、それをストレートに店名に使ってしまうあたり、このお店の斬新さ、新しさ、ユニークさが見事に現れているといえるでしょう。
原価率研究所の発祥は、新潟県です。北陸にはカレーの文化があり、「ゴーゴーカレー」なども金沢カレーの火つけ役として知られています。
それにしても、なぜ200円でカレーが提供できるのでしょうか? しかも税込み価格です。
答えは、徹底したコスト削減にあるようです。
原価率研究所のカレーは、完全セルフサービス。新潟のお店は2階建てになっており、急な階段を登って2階のイートインスペースまで自分でカレーを運びます。
そして、カレーの容器も使い捨てです。
使い捨て容器のほうがコストがかかりそうですが、高回転と薄利多売が基本なので、容器も大量に仕入れることに。数千単位で仕入れるため、原価も安くあがっているのです。容器のコストは公表されていませんが、おそらく数円だと思われます。
カレー皿を使って、専属のお皿洗いのアルバイトを雇ったり、食洗機を使って水道代や電気代、機材代をかけるよりも、低コストの使い捨てにしたほうが原価が低くおさえられるのです。もちろん、スプーンも使い捨てです。
■お店の水は有料で100円
特徴的なのは、水が有料である点です。ただし100円と良心的で、コンビニや自動販売機と大差ありません
水を有料にしているのは、利益よりも、水を設置するコストや手間を省くという理由のほうが強そうです。
水を高くして安いカレーの元を取るというビジネスモデルではないところに、誠実さを感じますね。
カレーはそこそこ辛いため、水も売れているそうです。とはいえ、激辛にして水を売っているわけでもありません。ちゃんと正統派のカレーとして勝負しているのです。
ちなみに、こういった安いカレーはほぼルーのみで野菜やお肉は見えないほど小さい場合が多いのですが、原価率研究所のカレーはお肉も2〜3切れはいっています。大量に仕入れて惜しみなく使うことで、お客さんに食べた満足度を与えてくれているのです。
国産の米を使用したライスもたくさん入っており、食べごたえがあります。
なお味に関しては、「普通をあえて目指している」と公式Facebookで語られています。一般的な飲食店でのおいしさではなく、普通の味をあえて研究し、普通さと価格のダブル戦略で勝負しているのです。
ただ、ベーシックなカレーといえども、人は変化を求めたがるもの。
そこでシンプルな味のカレーに変化をつけるために、店内にはマヨネーズ、ウスターソース、コショウ、タバスコ、ラー油などが置いてあります。毎日でも通うことができ、たまには違う味が食べたいなと思う人にも対応しているわけです。
■出店費用は50万円以下!
飲食店の出店には、改装費や設備投資が必要です。
ですが原価率研究所竹ノ塚店の出店費用は、なんと50万円以下。テーブルや椅子は折りたたみ式で、コストをカットしています。
またテーブルなども食後は自分できれいにする必要があり、日本の飲食店にありがちな過剰ともいえるおもてなしはありません。壁はベニヤがむき出しになっており、そういったところでもコストをカットしています。
カレーのルーは安定供給が難しいとされていますが、大手食品メーカーと共同開発し、安定した仕入れを行っています。肉は鶏肉を使い、玉ねぎなどもすべて国産で、安くても安心して食べられるカレーを目指しています。
今後も日本全国でのチェーン店展開を目指しているそうなので、近くの町にできたら足を運んでみてはいかがでしょうか。
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