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気温なら暖かいのに「20℃のお風呂」が冷たく感じるのはなぜ?

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気温20℃は暖かいと感じるのに、20℃のお風呂は冷たい! のはナゼでしょうか? 同じ温度でも熱い/冷たいの差が生まれるのは熱伝導率(ねつでんどうりつ)の違いで、水は空気の23倍ほど伝わりやすいのが原因。入浴剤を入れるとお湯が冷めにくくなるので「からだが温まる」は科学的に正。ただし、この理屈は塩や砂糖にも当てはまるので、「なにか」を溶かせば湯冷めしにくくなるのです。

■ポイントは「伝わりやすさ」

気温20℃と、20℃のお風呂はどちらが温かいでしょうか? 同じ温度だから差が生じるはずはないのですが、20℃なら水風呂ですので温かいと感じるはずもありません。これは高温でも同じで、ふっ騰したお湯ではヤケドしてしまうのに対し、サウナなら100℃を超えても大丈夫、この違いは熱伝導率(ねつでんどうりつ)によって生じるのです。

熱伝導率は、文字通り熱の伝わりやすさを意味し、

 ・物体を1mの長さにする

 ・片方の端を加熱する

 ・反対側に、どれくらいの速さで熱が伝わるかを測定する

を数値であらわしたもので、大きいほど熱が伝わりやすいことを意味します。

日常的な物質の、0℃時の熱伝導率をあげると、

 ・空気 … 0.0241

 ・水 … 0.561

 ・氷 … 2.2

 ・鉄 … 83.5

 ・アルミニウム … 236

で、夏の炎天下でも「鉄棒」に冷たさを感じるのは体温が逃げやすいからで、同じ金属ならアルミニウムのほうが温まりやすく、すぐにヒヤリ感がなくなってしまいます。空気は水の約23倍も伝わり「にくい」ので、熱湯や水風呂はムリでも、気温0℃や100℃は耐えられるのです。

■味噌汁が熱いのは「味噌」が原因?

寒い日は「入浴剤」で温まろう的な話も科学的に正で、水になにかを溶かすとお湯が冷めにくくなり、からだも温まりやすくなります。

これは沸点上昇や凝固(ぎょうこ)点降下と呼ばれる現象の一部で、

 ・水になにかを溶かすと、100℃でふっ騰しなくなり、0℃でも凍らなくなる

 ・温度変化がゆるやかになる

が起きます。アツアツの味噌汁で舌をヤケドした!なんて話もこれが原因のひとつで、味噌や食塩が溶けているため、見ためはふっ騰していなくても100℃を超えている場合もあるのです。

この現象は溶けている物質の「量」が肝心で、成分は関係ありません。つまり塩や砂糖でも「なんちゃって入浴剤」が作れるのです。

200リットルのユニットバスに40℃のお湯を貯めた場合、溶かせる食塩の限界は約36%、およそ72kgを溶かすとふっ点は6.3℃上昇し、106.3℃までふっ騰しないお風呂の完成です。

なにかを溶かすとふっ騰しにくくなるのはなぜでしょうか? 細かい原理は省略し、もっともシンプルに考えれば、水だけでなく、溶けた物体も温める必要があるからです。当然、沸かすには多くのエネルギーを要し、いったん温度が上がれば持っているエネルギーも多いので冷めにくくなるのです。

大量の塩を溶かせば風呂釜が壊れてしまうでしょうし、砂糖でも後始末が大変なので実用性はありませんが、興味のあるひとは鍋で実験してみるのが良いでしょう。



 ・同じ温度でも、物質によって熱い/冷たいの差が生じるのは熱伝導性が違うため

 ・水は空気のおよそ23倍も伝わりやすいので、ちょっとした差も感じやすい

 ・砂糖や塩を溶かすと、水はふっ騰しにくくなる






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