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欲しかった物を買っただけで満足してしまう理由

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どうしても欲しくて買ったのに、履かないままの靴や着ないままの服、手をつけていないゲームなどはないだろうか。どれも「欲しい!」と思って購入したはずなのに、なぜか買っただけで満足してしまい、タンスの奥に眠らせてしまった……そんな経験あるのでは。なぜ買っただけで満足してしまうのか。心理学者の内藤誼人先生に聞いてみた。

■購入した瞬間に醒める理由

「人間には所有欲というものがあります。ただしそれは、所有した瞬間に醒めるものです。たとえば念願の靴を手に入れた人がいたとしましょう。すると所有欲はその瞬間に満たされてしまいます。次の瞬間から所有物に対する満足度はどんどん目減りしていきます。手に入れたものに対する興味がなくなってしまうのです。好きな女性を手に入れた途端に醒めてしまう男性の心理と同じだと言えるでしょう」(内藤先生)

本来なら靴は履くためにあり、洋服は着るためにあるものだ。購入の前後でなぜこのように考えられないのか。

「買ったことで満足してしまうのは、買うこと自体がその人にとってのゴールだったからです。目的を達成した時点で満足し、興味を失ってしまうのです。よって、最初から履き心地や着心地を求めて購入した人は、しっかり使いますよ」(内藤先生)

買い物で高揚感を得られるのはほんの一瞬のこと。ストレス発散のための衝動買いを繰り返すと、お金だけでなく自分自身も見失ってしまいそうである。買うだけで満足してしまう癖を直すことはできないのか。

■ゴール設定を見直すこと

「自分の目的が買うことだけになっていると感じたら、自分でゴール設定を変えればいいのです。他人からの助言で変わることもありますね。例えば、購入したけれど手をつけていないゲームがあったとします。そのゲームについて友人から『こんな楽しみ方もあるんだよ』と新しい情報を聞くと、それを試してみたくなり、手付かずだったゲームをプレイするようになるのです。買い物の後にゴールがあるということが、『買って満足』から抜け出すためのポイントです」(内藤先生)

満足感を得るためのゴールを、最初から購入後に置いておくことが大切とのこと。そしてこのゴール設定は、物欲以外にも当てはまるという。

■目標設定は恋愛にも役立つ!

「『目標設定』という考え方は、さまざまな場面で活用できます。例えば、結婚したことに満足し、その後の生活を楽しめない人がいますよね。その場合も、子供をつくる、子供のために働く、家を建てるなど、目標を前へ前へと進めていくことで、幸せが長続きするのです」(内藤先生)

人間には、夢や目標を達成したいと考えながらも、それが叶ってしまうと虚しくなってしまうという矛盾した感情があるとのこと。こういった感情とうまく付き合っていくために、新しい目標設定を立て続けることが大切なようだ。






タグ:ニュース

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