2016年03月17日
ピラミッドの高さはどうやって調べた?
記録によると、紀元前6世紀にターレスという数学者がピラミッドの高さを測ったといわれています。
いまのような測量の道具がなかった古代に、どうやってピラミッドの高さを測ることができたのでしょう?
その方法は意外とシンプル。よく考えれば、中学生でもわかるんです。
■三角形の比を利用して測っていた
中学校で勉強した「ターレスの定理」をおぼえていますか? 「直径に対する円周角は直角である」というもの。
ターレスはギリシャに生まれた数学者で、数学を学問として発達させた人物です。この定理を使えば、簡単に求めることができるのです。
やり方は簡単。
まず手ごろな長さの棒を1本用意します。棒の長さはあらかじめ測っておきましょう。その棒を地面に立て、影の長さを測ります。そして次にピラミッドの中心から影の先端までの長さを測ります。
太陽の光は当然、棒とピラミッドを同じ角度で照らしています。また、棒もピラミッドも地面から垂直に立っています。
つまり、棒と影が作る三角形とピラミッドと影がつくる三角形は3つの角の角度が同じ三角形ということになります。2つの三角形は相似になります。
相似であるということは、その図形の形を変えずに拡大・縮小すれば同じ図形がつくれるということ。
中学校で勉強したとおり、2つの相似な三角形の辺の長さは比率が同じです。棒の長さ=A、影の長さ=B、ピラミッドの高さ=X、ピラミッドの影の長さ=Cとすると、A:B=X:Cということになります。
ということはA×C=B×X、つまりX=(A×C)÷Bという計算をすれば、ピラミッドの高さがわかるのです。
■なんと計算が必要ない測定方法も
もうひとつ、計算が必要ない方法もあります。
それは、棒の長さと影の長さがまったく同じになる時間を待つ方法。理屈は先ほど紹介したものと同じですが、今度は影の長さが直接ピラミッドの高さになるので、比率の計算が不要になります。
ただ、ピラミッドは底面の面積も広いため、季節や時間帯によってはまったく影ができません。そのため、こちらの方法はよりシンプルではありますが、実際に使うのは難しかったようです。
中学生のころは、「数学なんて、日常生活で絶対使わないのに」と思っていたものですが、意外に実践的なことも勉強していたんですね。
やはり義務教育で勉強することには、それなりの意味があるようです。みなさんも建物の高さが気になるときは、影の長さから計算してみては?
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