2016年03月01日
「色」ってナニ? 〜色と光の深い関係とは?
赤・青・黄・黒・白…。
世の中は実にさまざまな色であふれていますね。そんなこと当たり前すぎて、気にしたこともないですか?
でも、幼かった頃にリンゴはどうして赤いのだろう、カラスはどうして黒いのだろう…という疑問を持ったことはありませんか?
今回はそんな素朴な疑問に対して、科学の視点から迫ってみたいと思います。
■ 赤色ってナニ?青色ってナニ?
そもそも色とは何なのでしょう?どうして物体には色がついているのでしょう?
実は、リンゴやトマトなど赤色の物体であっても、それ自体に赤い色がついているわけではありません。そして、このことは青色や黄色など、他のどんな色の物体でもすべて同じことがいえます。
…どういうことかよく分かりませんよね。
そこで、まずはその意味から紐解いていきましょう。
■ 光があるから色もある
光源が何1つない真っ暗な部屋では、すべてのものが黒く見える…というか何も見えませんよね。
ここからも分かるように、色というのは光の存在に大きく左右されます。
太陽から届く光の中には、目に見える可視光線のほか、赤外線や紫外線などが含まれていますが、このうち可視光線については、青や赤・緑・紫などさまざまな色が混ざり合っています。このことは、虹をイメージすると分かりやすいかもしれません。
そこで、仮に可視光線のうち赤い光だけを反射させて、それ以外の色の光はすべて吸収するような性質を持った物体があるとします。するとこの物体は太陽光に照らされると何色に見えるでしょうか?
答えは赤色です。私たちの目には反射された赤色の光だけが届くため、その物体は赤色に見えるというわけです。リンゴが赤く見えるのはこのような理由によるものだといえます。
■ 視覚があるから色を感じられる
先ほどから「見える」という表現を使っていますが、色を識別するためには、もちろん目(視覚)が必要です。
目には、光の色を捉えることのできる「錐体(すいたい)」と、光の明るさを感じられる「杆体(かんたい)」の2種類の細胞があります。
さらに、錐体には主に赤色(R)・緑色(G)・青色(B)を感知するための3種類があり、それぞれが感じた色の強さの組み合わせを脳で判断することで、さまざまな色を識別できるようになっています。
■ 「光の三原色」を思い出してみよう
ところで、赤色・緑色・青色と聞いて、皆さんは何か思い出しませんか?
そう、「光の三原色」です。赤・青・緑を光の三原色と呼び、すべての色はこれらの3色が重なり合って作られています。赤と緑が混ざり合うと黄色、緑と青が混ざり合うとシアン(水色)、赤と青が混ざり合うとマゼンタ(紫色)といった具合です。さらに、これらの3色が全部混ざり合うと白色、逆にまったく混ざり合わないと黒色になります。
つまり、カラスが黒く見えるのは、すべての光を反射することなく吸収してしまい、私たちの目にはどの色も届かないためです。一方、すべての色を反射する物体は、すべての色が混ざり合って私たちの目に届くことから白く見えます。
■ 動物たちが見ている世界
人間の視覚は哺乳類の中でもとりわけ優秀で、3種類の錐体を駆使してあらゆる色を識別していますが、他の動物たちを見てみると、実はそうとも限りません。たとえば犬の場合、錐体は2種類しかなく、赤色を識別することが苦手だとされています。そのため、緑・黄色・オレンジ色・赤色をきちんと区別することはできません。
このように、明るい昼間を中心に生活してきた私たち人類と、夜間を中心に活動していた動物たちとの間に、進化の過程で差が生まれたわけです。
今回は色と光と視覚の関係性について科学的に捉えてみましたが、いかがでしたか?
私たちが色をはっきりと識別できるのは、物体そのものが色を持っているからではなく、その物体が反射した特定の光の組み合わせを目の錐体で捉え、それを脳で判断している結果なのです。
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