2015年07月20日
セミは長生き?知らなかった夏の虫の真実
みなさんは、「夏の風物詩」といえば何を思い浮かべるだろうか。
すいか、花火、風鈴……と数多くあるが、夏の昆虫の代表格といえば「セミ」。
一般的には7月から10月頃にかけて見かけられるものだが、暑さを倍増させる「ミーンミーン」という鳴き声や、ふいに命中する小便攻撃。
煩わしさを感じつつも、夏の到来を実感する人も多いのではないだろうか。
セミといえば夏の季語として、古くから松尾芭蕉などの有名俳人や歌人の作品に登場したり、映画や小説の題材となってきた。元気な鳴き声のイメージがある一方、どこなく儚さが漂うのもその特徴。
それは、「セミは地上に出てから1週間しか生きられない」ということが広く知られているからなのだろうが、実はこれ、ただの俗説に過ぎないのだという。
■カブトムシに比べ●倍の寿命があるセミ
愛知県の豊橋市自然史博物館学芸専門員・長谷川さんによると、
「『わずか7日の命』」など、短命ないきものの代表のように言われるセミですが、実際には昆虫の中では長寿の部類に入ります。クマゼミを例にすると、土の中で暮らす幼虫時代が5〜6年。地上にでてきて成虫になってからも実際には、1ヵ月くらいの寿命があります」
とのこと。土の中で暮らしている期間と比べると遥かに短いが、地中に出てからも1ヵ月くらいは生きているそうだ。
「カブトムシの一生が、卵から成虫まで1年であることを考えると、およそ5倍の寿命です」(長谷川さん)
というので、昆虫の中では長寿の部類に入るということにも納得できるだろう。
なぜ1週間の寿命だと考えられているのかは定かではないが、一説によると採集してからの飼育が難しく、1週間程度で死んでしまうことから広まったとも言われている。
これから本格的に活動を始めるであろうセミ。近年では、昔と比べて鳴き声を聞く機会が減ったようにも感じるが、今年も各地で元気に鳴く姿が、わたしたちに夏の訪れを告げることになるだろう。
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