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知らずに使っていませんか?「取り急ぎ」の意味と正しい使い方

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手紙やビジネス文章をインターネットでやりとりするようになった現在、あまり聞かなかった言葉も身近に感じることが多くなりましたね。「取り急ぎ」という言葉がありますが、今では手紙やビジネス文章によく用いられているようです。

しかし、「取り急ぎ」という言葉を会話で聞いたことがある方がいるかもしれません。それだけ丁寧な文章が身近になってきたということでしょうか。また同時に、身近になったからこそ、本来の使い方が忘れられている可能性もあります。そこでここでは、「取り急ぎ」の意味と使い方を紹介したいと思います。

■ 「取り急ぎ」の意味

あまり手紙用語やビジネス文章に触れたことのない方でも、なんとなく言葉のニュアンスはつかみやすいと思います。辞書で確認してみると、

・とりあえず急いで。多く、手紙文の末尾に用いる。

となっています。おそらく想像した通りの意味ではないでしょうか。「とりあえず急いで」というのが言葉の意味で、元々は手紙に用いられていた言葉です。

■ 使い方

◎ 急な用件などを伝える

「取り急ぎ」は主に、手紙文やビジネス文章の末尾によく用いられます。

・「取り急ぎご連絡まで」

といった使い方が一般的だと思います。そのままの意味で、急な用件などを伝える場合、内容がまとまらないような場合に使うと締まりが出て、失礼の無い文章になります。

◎ 慣用的な修飾表現

こちらはあまり知られていませんが、急用の時以外にも「取り急ぎ」を使うことができます。新茶を贈り物として、手紙を添える時、

・「些少ではありますが、取り急ぎ爽やかな初夏の香りをお届けします。」

と表現することがあります。これは全く急な用件ではありません。この「取り急ぎ」には特に意味はないのですが、予期せぬ便りの唐突さを取り繕うようなニュアンスや相手のことを大事に思う気持ちなどを表すための慣用的な表現として使われています。難しい使い方ですが、日本語の奥ゆかしさが表れていますね。

◎ 使用例

・「取り急ぎご報告まで」
・「取り急ぎお知らせまで」

■ 注意点

「取り急ぎ」は、急用でも失礼のないように文を締めくくれる便利な言葉ですが、便利であるがゆえに間違った使い方をする方も多いようです。

◎ 省略の意であることを忘れずに

広辞苑を見てみると「取り急ぎ」には

・もろもろの儀礼・説明を省略し用件だけを伝える意

という意味があります。まとまらない状態だからこそ、用件だけを簡潔に伝える言葉ですが、目上の方にはあまり使わないほうが良い言葉なのです。

◎ 使えない場合の言い換え

では、目上の方に同じような内容で伝えたい時はどのような言葉を用いれば良いのでしょうか?そのためには「省略しましたよ」というイメージを与えない事が重要ですね。例えば、

・「まずは、確認のみの連絡になります。よろしくお願い致します」
・「用件のみで、失礼致します」

のように書くことで、敬意を表すことができます。便利な言葉ですが、人によっては違う受け取り方をされかねない言葉です。使い所をしっかり見極めましょう。


こういった表現は、普段から良くコミュニケーションのとれている相手だからこそ使えるということもあります。誤解を生まないためにも、メールや手紙だけでなく、普段のコミュニケーションを大事にしましょう






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