2021年06月03日
仁義なきキリスト教史
仁義なきキリスト教史とは、架神恭介により執筆された作品。大まかな内容としてはキリスト史における内容をヤクザの抗争に見立てて描かれている。本作の表紙はとてもではないが、宗教モノとは思えない刺青の入ったデザイン。
似たようなもので、仁義なき聖書ものがたりなどがある。
要はやくざシリーズ。
極道主婦といいフィクションにおけるやくざのミスマッチの親和性は異常。
【内容】
〜あらすじ〜
ユダヤ組系ヨハネ親分と親子杯を交わしたヤクザであるナザレのイエス率いる愚連隊が勢いを増し、大都会エルサレムに進出した。
ヤハウェ大親分の1の子分であるイエスこそが跡目を継ぐ二代目であるとの話が広まり、ユダヤ組系二次組織との対立が深まっていた。
A.D30年、サドカイ組のエリファ親分が意向を受けたチンピラであるイスカリオテのユダのチンコロにより裏切られ、サドカイ組からリンチされた後、役人ピラトゥスへユダヤ人の王を名乗る政治犯として引き渡された。
ユダヤ組の跡目争いの末、二次団体ユダヤ組系ナザレ組、そして一大やくざ組織キリスト組の親分と呼ばれることになるやくざ、ナザレのイエスが処刑された。
これはキリスト組を巡る仁義なき戦いの幕開けでもあった。
以上、ウィキから中略引用。
……偏見だが、パイナップル(手榴弾)とハッピーターンの粉(幸せになる粉)が好きそうだが、黙っておく。海に沈められそうだから。モーゼが海を割らない限り、助からないっぽいし。
ちなみに構成は、
第一章 やくざイエス
第二章 やくざイエスの死
第三章 初期やくざ協会
第四章 パウロ――極道の伝道師たち
第五章 ローマ帝国に忍び寄るやくざの影
第六章 実録・叙任権やくざ闘争
第七章 第四回十字軍
第八章 極道ルターの宗教改革
終 章 インタビュー・ウィズ・やくざ
と言う風になっている。
304ページと中々のボリュームとなっているが、300÷9で計算すればそれほど長く感じないかもしれない。
本文の方では
「おやっさん……おやっさん……なんでワシを見捨てたんじゃあ!」
木製の磔柱に括りつけられた貧相な体躯のやくざの叫びが辺りに木霊した。あらん限りの力をふりしぼった末期の絶叫であった。
いざロデ組がイエスに対して鉄砲玉を送り込むと、パリサイ組からメッセンジャーが来てイエスに密告(チンコロ)するなどあり、おそらくはパリサイ組内部も一枚岩ではなかったのであろう。
冒頭からこうである。
冒 頭 か ら こ う で あ る。
その他には
「た、た、大変じゃ、モーゼ! バカがぼんくら連れて大勢来よったわい!」
「もうおしまいなんじゃあ! こぎゃあなことじゃなかったら、エジプト裁判所で臭い飯食うとった方が良かったんじゃ!」
「モーセ、おどりゃ、わしらを野垂れ死にさせるために、手段脱走じゃいうて連れ出したんか、のう!」
慌てふためいたやくざどもは、詰め腹を切らせんと、手段の圧力でモーセににじり寄る。だが、モーセなる若頭は手にした杖を振り上げると、激しく地面へ叩きつけた。
「おッどりゃア! じゃッかァしゃあァ」
杖はバキバキにへし折れ、モーセを取り囲むイスラエルやくざたちが一瞬怯んだ。モーセの怒号が再び大気を震わせた。
などである。
ちなみに冒頭の「おやっさんなんでワシを見捨てたんじゃあ!」は超意訳であり、原文の第四の言葉は「主よ、なぜ我を見捨てたまもう(エロイ・エロイ・レマ・サバクタニ)」となっているのだが、原文のエロイエロイの時点から面白い様に感じてしまう。あかん、ミームや。
さて、仁義なきキリスト教徒であるが非常に内容が分かり易いので、一度聖書や歴史やらに興味がある人は、入門編として購読しておくのは悪くないかもしれない。
問題は変なイメージがつかないかの問題であるが……。
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