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2012年06月12日

霊使い達の宿題その7・光霊使いの場合(8)

 







 火曜日、遊戯王OCG二次創作・「霊使い達の宿題」の日です。
 霊使い最後の一人、光霊使いライナの出番となっています。
 例によって作者個人のイメージによるキャラ付けとなっていますので、その所御了承願います。
 

 それではコメレス。

 気づかなかったけど更新してたのか。とりあえずみんな生きてるみたいだな。
 ジャイアントミルワームAは にげだした!
 ジャイアントミルワームBは にげだした!
 ジャイアントミルワームCは にげだした!
 ジャイアントミルワームDは にげだした!
 ジャイアントミルワームは いなくなった。


 はい。ペットの項は何かあった時にひっそりと更新する事にしてます。
 生きてますよー。みんな。ウラノスコドンは相変わらず拒食してますけど・・・。
 ぼかぁもう、疲れたよ・・・orz
 もういっそこのまま、週一の強制給餌飼育でいこうと割り切った方が精神衛生上良いんじゃなかろか・・・。
 にしても、このワームディッシュは失敗だったなー。
 そんな高いもんじゃないけど、何か妙に損した気分・・・。




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 『ほわほわ、ほわわ〜(それじゃいくよ〜)』
 「はい、お願いしますです。」
 シュボッ
 そんな音とともに、エンゼル・イヤーズの目から放たれた光が、座り込んだライナ達に降り注ぐ。
 すると、光の当った箇所の傷が見る見る癒え、血の気の失せていたライナの肌にも、赤みが戻っていく。
 「あ〜、やっぱりめー君の“ヒーリング・レイ”は良いですね〜。魂が洗われます〜。」
 『ところでさ、ライナ。』
 すっかりリラックスしてるライナに向かって、その腕に抱かれたハッピー・ラヴァーが問う。
 「何ですか?ラヴ君。」
 『さっきの“あれ”、何だったの?』
 “あれ”とはつい先ほど、ライナ達を救った“現象”の事である。
 突然巻き起こった七色の光の竜巻は、ソウルオーガを一撃で叩き伏せるとまた忽然と消えてしまった。気がつけばたった今までいた筈の宝玉獣達の姿もなく、後には粉々に割れた儀水鏡と、ボロボロになったシャドウ・リチュアが転がっているだけだった。
 「“あれ”ですか。多分、『虹彩龍(レインボー・ドラゴン)』じゃないでしょうか?」
 『「レインボー・ドラゴン」?』
 「はい。前に先生から習いました。昔からレインボー・ルイン(この辺り)でたまに目撃されるらしいんですけど、正体はよく分かってないそうです。ドラゴンって付いてますけど、見た目の便宜上そう呼ばれてるだけで、実際の所モンスターなのか、それとも何かの現象なのかもまだ判別されてないとか。」
 『ふーん。』
 ハッピー・ラヴァーが今一つ納得しかねるといった態で首を傾げかけた時、
 『・・・キュ、キュイ(・・・あれは、神だ)。』
 不意に飛んできた声に、皆の視線が集そちらを向く。
 そこにいたのは、ライナ達と一緒に光を浴びているエレメント・ドラゴン。
 集まる視線に、地に伸ばしていた首を鬱陶しげに上げると、言葉を続ける。
 『キュイ、キュキュイキュイ。キュイキュイキュキュ、キュキュイ。キュイ(“あれ”は、この世界からさらに高みに在る次元の存在。その相は確かに命あるものなれど、この世界の者ではその存在に干渉することすら叶わない。そういうものだ)。』
 それだけ言って、エレメント・ドラゴンはまたその首を地面に伸ばした。
 「神様、ですか・・・。」
 ライナは呟くと、“それ”が消えた空を見上げた。

 『ほわ、ほわっほわー(はい、おしまい)。』
 エンゼル・イヤーズはそう言うと、皆に当てていた光を切った。
 「あ、ありがとです。やっぱり、めー君の“ヒーリング・レイ”は効きますねー。お陰で完全復活です。(※1)」
 右手をグリグリと回しながら、ライナは晴々とした顔をする。
 「じゃあ、ラヴ君、お願い出来ますか?」
 『あいよ。』
 そう言って、ハッピー・ラヴァーはライナと向き合う。
 『キュイキュア(何をするのだ)?』
 『クリックリクリ〜(見てればわかるよ)。』 
 皆が見つめる中、ライナは杖を構え、瞳を閉じると呪文を紡ぎ出した。

 「クリエル・クライス・クライスト 煌き来たれ 創世の使徒 輝き歌え 生命の唄 天に舞うは鳳凰の羽根 我が願うは光帝の慈悲 巡りし輪転 転生の導 暗きに険路に光を落とし、迷えし御霊に新たな道を」

 ライナとハッピー・ラヴァーを囲むように、魔法陣が浮かび上がる。ハッピー・ラヴァーの身体が淡い光に包まれ、その羽がフワリと舞って、魔法陣の中に円を描く。その円の中にライナが杖の鏡を合わせると、鏡から溢れた光がその円の中を満たす。

 「―光霊術、「聖」―」

 言葉の結びとともに、光に満たされた円が彼方と此方を結ぶ門となる。
 やがて光の中に影が浮かび、それがスルリと抜け出してくる。
 ライナの手に抱き止められたそれを見て、エレメント・ドラゴンは目を見張った。
 それは、先ほど生贄として儀水鏡に呑まれたはずのエレキツネザル。闇の禁呪の媒体となった身体に寸分の欠損もなく、ライナの腕の中で安らかな寝息を立てている。
 『キュキュア、キュアキュキュキュ(蘇生術・・・いや、転生術か)!?』
 エレメント・ドラゴンの驚きの声に、他の面子が応える。
 『クリ、クリリ(まぁ、そんなもん)。』
 『もけもけけけ、もけもけ(あれはあれで負担が大きいから、あんまり使って欲しくないんだけどね)。』
 『シュワシュワッシュワッチ、デュワッ(めー氏、アップを開始)。』
 『ほわっほわほわ〜(了解)。』
 腕の中のエレキツネザルをそっと地面に置くと、ライナは首をコキコキ鳴らしながらハッピー・ラヴァーに向き直る。
 「ラヴ君、もう少し、お願い出来ますか?」
 『リチュアの三馬鹿も戻すんでしょ?いいよ。いつもの事だし。』
 「ごめんです。」
 それを聞いたエレメント・ドラゴンは驚きの声を上げる。
 『キュキュア!?キュアキュアキュ・・・(あの三人も戻すだと!?何を馬鹿な・・・)!?』
 『ほわほわほわーほわ〜(あいつらだけじゃーないよ〜)。』
 その一つ目を目蓋の上からグリグリと揉みしだきながら(これがアップらしい)、エンゼル・イヤーズが言う。
 『ほわほわほ〜わほわ、ほわほわほわ〜ほわ、ほわほ〜わほわ(ホントは、あの鏡に吸われてた魂全部を戻したいんじゃないかな〜?あの術で引っ張り戻せるのは、彼岸に流れて一両日以内の魂だけだから無理だけど)。』
 『キュキュアキュ、キュウァ・・・(それが正義だとでも言うつもりか?甘い事を・・・)。』
 『シュ、シュシュワッチ(甘さがなければ、この世は地獄)。』
 吐き捨てるようなエレメント・ドラゴンの言葉に、モイスチャー星人が答える。
 『!!』
 『シュシュワッチ、ディユワッシュワッシュワッチ(以前読んだ本に在りし言葉。以来、“あれ”の座右の銘)。』
 視線を戻すと、丁度ライナが光の輪の中から気絶しているリチュア・マーカーを引っ張り出している所だった。
 『クリクリックリ〜クリ〜クリ、クリクリクリ(正義だとか、そんな御大層なもんでもないよ。単純に、自分のしたい事をしてるだけで)。』
 『もけ〜もけもけ、もけけもけけけけ(まぁそんなヤツだから、俺らも気に入った訳だけど)。』
 『・・・・・・。』
 もけもけ達のそんな言葉を聞きながら、エレメント・ドラゴンは汗びっしょりになってサルページ作業を続けるライナを見つめていた。

 『で、こいつらはどうすんの?』
 気を失っているリチュア達をそこらへんから採ってきた蔦で縛りながら、ハッピー・ラヴァーは地面に大の字になってヒーリング・レイを浴びているライナに訊く。
 「鏡は全部割っちゃいましたからね。当面、悪い事は出来ない筈です。後で都の官憲さんにでも連れて行ってもらいましょう。」
 エンゼル・イヤーズにお礼を言いながら起き上がったライナは、そう言って微笑んだ。

 『・・・・・・。』
 そんな様子を一歩引いた所で見ながら、エレメント・ドラゴンは考えていた。
 それなりに長い時を生きてきたが、世の中にはまだまだ自分の理解の範疇を超える事があるものだ。
 それら全てを理解しようなどとは思わないが、長い事抱いていた認識に固執するほど頑なな訳でもない。
 目の前のこの人間が特別なのかどうかは知らないが、今後「人間」という種族に対する見方は、少し変えてみる事にしよう。
 そんな事を思いながら、エレメント・ドラゴンは大空に向かって翼を広げた。
 「・・・どこへ行くですか?」

 ビクゥッ

 背後から聞こえた声に、エレメント・ドラゴンの身体が硬直する。
 ギギギ、と首を廻らすと、こちらに背を向けたライナの姿が目に入った。
 向こうを向いていたその首が、カタカタとこっちを向いてニッコリと微笑んだ。
 何だか、首が180度くらい回っている気がするが、目の迷いと言う事にしよう。というか、したい。
 「どこへ行くですか?」
 また、訊いて来た。
 貼り付けた様な笑顔が怖い。
 『キュ・・・キュウァ・・・(いや・・・ちょっと急用が・・・)』
 脂汗を流しながらそう言うと、ライナはカクンと小首を傾げる。
 「御用ですか?それならライナ達も御一緒するです。」
 『キュア・・・キュキュア・・・(いや・・・そんな・・・)』
 「いけませんねぇ。」
 ライナが、抑揚のない声で言う。
 「貴方は、もうともだちです。」
 見れば、頭のアホ毛がクルクルと回り始めている。
 ついでに、大きな瞳の中でも何かがグルグル回り出している。
 「ともだちはいつもいっしょにいるものです。いなきゃいけません。いるべきです。」
 『そうそう』
 頭のハートを明滅させながら、ハッピーラヴァーが言う。
 『クリクリ、クリクリ(友達、友達)。』
 大きな目をグリグリさせながら、ハネクリボーが言う。
 『もけもけ、もけ、モケケ(一緒にいよう、いませう、いなきゃ)。』
 身体をプクプクと膨らませたり、萎ませたりしながら、もけもけが言う。
 『ほわ〜、ほわほわほわ〜、ほわ〜(楽しいよ〜、愉快だよ〜、友達は〜)』
 真っ赤に充血した目(※疲れ目)をシパシパさせながら、エンゼル・イヤーズが言う。
 『シュシュ、シュワッ、シュワッチ(君、僕、友達)。』
 ヒポポポポ、と電子音なぞ響かせながら、モイスチャー星人が言う。
 『キ、キキュア・・・(う、うう・・・)』
 「さあ、いっしょに!!」
 『キ、キキュアーッ(ヒ、ヒィイイイイーッ)!!』
 恐怖の叫びを上げて飛び立つエレメント・ドラゴン。
 「あれぇ、どこいくんですかぁー?もっくん、おってくださいー。」
 『しゅわっち(了解)!!』
 それを追って飛び立つライナ達。
 「まってー。」
 『キュキュァー(来るなー)!!』

 その日、レインボールインの住民達は空に響くドラゴンの悲鳴と、それに追いすがる少女の声に、一晩中悩まされたという。


                                                           終り

 ※1・小生の捏造である。実際のエンゼル・イヤーズは効果なしのバニラである。これ読んでる方は知ってると思うが、一応言っとく。念のため。
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土斑猫(まだらねこ)
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