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2012年05月01日

霊使い達の宿題その7・光霊使いの場合(2)









 火曜日、遊戯王OCG二次創作・「霊使い達の宿題」の日です。
 霊使い最後の一人、光霊使いライナの出番となっています。
 例によってというか、今回は激しくキャラ崩壊しています。そういうのに耐性のない方はご注意ください・・・と言うか、去った方が身のためです。自分の身はz(ry
 

 それではコメントレス

 お疲れさまです。
 私も読んでいるときは全然知らなかったので恥ではないと思いますよ。


 いや、そういっていただければ・・・。でも何処が出所の話なんでしょう?wikiにも載ってないしなぁ・・・。

 今回については里香の強い部分が見えたり裕一とのことを話す里香のことなど面白いです。
 吉崎が考えた裕一への里香のプレゼントがどうなったのかが楽しみです。
 がんばってください。


 毎度ありがとうございます〜m(_ _)m 頑張らせていただきます。


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                            ―3―

 「ほへ〜、きれいなところですねぇ〜。」
 『だね〜。』
 『もけもけけ〜(本当〜)。』
 『クリクリ、クリリ〜(心が洗われる様だね〜)。』
 『ほわほわほわわ〜(いい所だ〜)。』
 『シュシェア、シュワッチ(我、感動)。』
 バグマンZに教えられた場所に来たライナ達一同は、その風景に感嘆の声を上げていた。
 そこは正しく、光の楽園。
 手が届くかと思える程、近くに見える虹からは絶えず七色の光が降り注ぎ、辺りの森や泉を優しく照らし出していた。
 その光を求める様に、周囲には多くのモンスター達がたむろしていた。
 大部分は降り注ぐ光エネルギー、シャインスパークを糧とする光属性のモンスター達だが、それに混じって見慣れないモンスター達がいた。それらは一様に身体の一部に宝石の様な器官を持っている。
 『何か、知らないモンスターがいるね〜。』
 「ああ、ラヴくん。あれはほうせきじゅうさんたちですよ。」
 ハッピー・ラヴァーの問いにライナが答える。
 『ほわほわほわわ〜(宝石獣?)』
 「はい〜。なんでも、このちいきのこゆうしゅで、とてもめずらしいかたがただと、まえにせんせいがいってました〜。」
 『クリ〜(へぇ〜)。』
 皆が物珍しそうに見ている中で、ライナは一人周囲を見渡している。
 「ん〜。でも、ドラゴンさんのすがたはみえないですね〜。」
 『今日はまだ、来てないんじゃない?』
 『シュワシュワ、シュワシュシュシュ(我、想う。家宝は寝て待て)。』
 「そうですね〜。ライナたちもひかりぞくせいですし、ここのシャインスパークはきもちいいですもんね〜。すこし、おひるねでもしましょうか〜?」
 モイスチャー星人の提案にそう頷いて、ライナが柔らかな草の上にゴロンと寝転がろうとしたその時―
 バサァッ
 静かだった空間に羽音が響き、ライナ達の上に大きな影が落ちた。
 一斉にそらを見上げたライナたちは、これまた一斉に叫んだ。
 「あ―――っ!!」(×6)


                           ―4―

 ―時は少しさかのぼる。

 薄暗い巣穴の中で、“彼”は目を覚ました。
 欠伸を一つし、軽く伸びをする。
 まだ眠気の残る頭で、これからする事を考える。
 が、今一つ考えがまとまらない。どうも昨夜、狩りに熱中するあまり夜更かしをし過ぎたらしい。
 こんな時はどうするか。
 決まっている。
 あの場所に行こう。
 あそこで光を浴びれば、気分スッキリ体調万全となること請け合いである。
 “彼”は巣穴を這い出ると、その大きな翼を広げ、空へと飛び立った。

 その場所は、彼の翼なら数分の距離だった。
 ああ、今日もいい塩梅に光が射している。
 いつもの事ながら、あそこでの光浴(バスキング)は格別なのだ。
 あそこでタップリと英気を養ったら、今日も狩りに出かけよう。
 本当なら、いつも他のモンスターが沢山たむろっているあそこで狩りが出来れば手間も省けていいのだが。
 しかし、あそこはこの森における聖域。荒事が御法度なのは、森のモンスター達の間では暗黙の了解だ。
 まあ、それはどうでもいい事。そもそも豊かなこの森では、獲物のあてには事欠かない。
 とにかく、今は光浴(バスキング)だ。
 “彼”はいそいそとその場所に舞い降りた。
 異変は、その時起こった。

 『あー、ドラゴンだーっ!!』
 『もけ、もけけー(おー、間違いないー)。』
 『クリクリリー(すごーい)』
 『ほわ、ほわほわほわわー(ほう、これは見事な・・・)。』
 『シュワ、シュワッチ(我、歓喜)。』

 そんな事を口々に言いながら、見た事のない連中がかけ(?)寄ってきたのだ。
 羽の生えた球体やら、わらび餅やら、毛むくじゃらの一つ目やら・・・。
 正直、面するには一歩引いてお願いしたい様な面子である。
 突然の事態に狼狽する“彼”の前に、件の連中の間をぬって一人の人間が進み出てきた。
 「はじめまして。こんにちは。」
 そう言ってペコリとお辞儀。
 釣られてこっちも頭を下げてしまう。
 「あなたは、エレメント・ドラゴンさんですね?」
 自分が、人間の間でそう呼ばれているのは知っている。
 とりあえず、頷く。
 「エレメント・ドラゴンさんは、ひかりぞくせいですよね?」
 んな事は、知らん。
 しかし、黙っていると件の人間はしつこく「ひかりぞくせいですよね?ね?」と訊いてくる。
 面倒くさくなって、適当に頷いた。
 これが、いけなかった。
 それを訊いた人間が、ズゥアアアッともの凄い勢いで迫ってきた。
 その勢いと迫力に、思わず引いてしまう。

 「しもべになりませんか!?」
 『キュイ(はぁ)!?』
 「ライナのしもべになりませんか!?」
 『キュ、キュキュイ(ちょ、ちょっと)!?』
 「ああ、きゅうにしもべだなんてしつれいですね。それじゃあ、おともだちからはじめましょう!!」
 『キュ、キュイ・・・(あ、あんた・・・)』
 「おともだちになりましょう!!」
 『キュ・・・(ちょ・・・)』
 「おともだちになりましょう!!」
 『キュ、キュア・・・(いや、あのね・・・)』
 「おともだちになりましょう!!!」
 『・・・・・・(汗)』

 ・・・話が通じない。
 いや、そもそも人間にドラゴン(こちら)の言葉は通じないのだが・・・。
 それを差し引いても、この人間は何かが違う・・・。
 というか、何か、怖い。
 ああ、ほら。こっちを見つめる瞳の中で何かがグルグル回っている。一体何を見てるんだ。
 ほら、頭の上にピンと立った髪がクルクル回っている。まるで、何かを受信している様だ。
 ほら、口がパクパクと動いて同じ事を繰り返している。「おともだちになりましょう」「おともだちになりましょう」「おともだちになりましょう」「おともだちになりましょう」「おともだちになりましょう」「おともだちになりましょう」・・・ああ、何だか目眩がしてくる。
 ほら、何だか後ろの連中までブツブツ同じ事を言っている。ああ、こいつらの目、この人間と同じじゃないか。グルグルグルグル、だから、一体何を見てるんだ。一体何を聞いてるんだ。

 「おともだちになりましょう」「おともだちになりましょう」「おともだちになりましょう」「おともだちになりましょう」「おともだちになりましょう」「おともだちになりましょう」「おともだちになりましょう」「おともだちになりましょう」「おともだちになりましょう」「おともだちになりましょう」「おともだちになりましょう」「おともだちになりましょう」・・・・・・

 ああ、何か・・・何か、もう・・・

 駄目だ・・・。

 『キュ…キュイ…(よ、寄るな…)』
 後ずさるエレメント・ドラゴンに、ライナがトコトコと寄ってくる。
 「どうしました?わたしはおともだちになりたいだけですよ?」
 焦点が何処にあってるかも分からない目が、エレメント・ドラゴンを見据えている。
 『キュ…ウ…(友達…だと…?)』
 「たのしいですよ。いろんなものがみれたり、きけたりします。おともだちもたくさん、できますよ。」
 『キュキュ、キュアーッ!?(友達ってのは、後ろの連中の事かーっ!?)』
 その“後ろの連中”が、一斉に頷く。その動きは、申し合わせた様にピッタリだ。
 「ああ、なにをいってるのかわかりませんね。でもだいじょうぶ。おともだちになれば、みんな、なんでもわかるようになります。」
 そう言って、にっこりと微笑むライナ。
 ・・・限界だった。
 『キ、キュアー!!(ひ、ひぃいー!!)』
 「あれぇ?どこいくんですかぁ?まってくださいよぅー。」
 『キュ、キュウァーッ!!(誰か、助けてくれーっ!!)』
 気が付けばそんな魂の叫びを上げながら、エレメント・ドラゴンは大空へと逃げ出していた。


                             ―5―

 ―そして話は冒頭に戻る。

 「アー、みつけましたーっ!!!」
 上から降ってきたその声に気が付いた瞬間、首っ玉にしがみつかれた。
 『キィ、キュウァアアアアッ(ヒ、ヒィエエエエエッ)!!』
 「つっかまえました♪つっかまえましたー♪」
 『つっかまえた♪つっかまえた♪』
 ライナに組み付かれたエレメント・ドラゴンの周りを、ハッピー・ラヴァーがヒュンヒュンと飛び回る。
 『キュウアアアア、アアアアアアーッ(落ちる、落ちるーっ)!!』
 「わー、うろこがスベスベしてきもちいーですー♪」
 『キュキュウ、キュアアアーッ(どっから来たんだ、己はーっ)!?』
 首にぶら下がる厄災とくんずほぐれつしながら上を見ると、例の“お友達”の内の一人(?)が浮いているのが見えた。周りに訳の分からない道具を浮かべた、でかい球体に目玉のついたやつだ。
 どうやら、“アイツ”が“コイツ”を乗っけて追って来たらしい。全速力の自分に追いつくとは、大したスピードだ。只者ではない。
 ・・・などと感心している場合ではない。早くしがみ付いている“コイツ”を振り払って、ここから離脱しなければ。
 空(ここ)で振り払えば、当然“コイツ”は落ちるだろうが、知った事か。どうせ、上の“アイツ”が助けるだろう。ってか、よしんばそのまま墜落して地面に激突したとしても、“コイツ”なら死なない様な気もする。
 エレメント・ドラゴンがしがみ付くライナを振り払うため、全身に力を込めたその時―

 「クリ―――――ッ!!!」

 遠くから、そんな声が聞こえた。
 エレメント・ドラゴンにしがみ付いてバタバタしていたライナと、周りを飛び回っていたハッピー・ラヴァーがピタッとその動きを止める。
 「マロ君!?」
 そう言って、声のした方を見つめるライナ。その目には、さっきまでグルグル回っていた狂気の影がない。
 『ライナ、今のは!!』
 「はい!!今のはマロ君の非常警戒音です!!」
 ハッピー・ラヴァーの言葉に、ライナが真剣な顔で答える。
 「何かありました!!戻ってください!!」
 『キュ、キュア(え、ええ)!?』
 「早く!!」
 相手の突然の変貌振りに、当惑するエレメント・ドラゴンを、それまでとは全く違う鋭さを持ったライナの声が叱咤する。
 『キ、キュア(は、はい)!!』
 その迫力に押されたエレメント・ドラゴンは、ライナをその背に乗せると、もといた虹の泉の方向へと頭を向けて全力で空を駆け始めた。


                                    <続く>
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