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2017年11月16日

「鯨神」勝新太郎本郷功次郎伊福部昭宇能鴻一郎

1962年に大映で映画化された「鯨神」は宇能鴻一郎原作の作品である。

宇能鴻一郎は本作で芥川賞を取った。内容は日本版「白鯨」といえる作品である。クジラ取りと

鯨神と呼ばれた巨鯨との死闘を描いている。宇能鴻一郎といえば私はポルノ小説しかしらなかった

のだが、初期はこんな真面目作品も書いていたのだ。

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九州和田浦の鯨漁師たちは、巨大鯨の鯨神を仕留めようと奮闘していたが、力及ばず多くの死者を

出していた。若き鯨漁師のシャギ(本郷功次郎)の父や祖父たちも鯨神に殺されていたのだ。

シャギはひたすら鯨神に対する復讐だけを考えて生きていた。

そしてある日、村の名主(志村喬)は鯨神を倒したものに屋敷や田畑などの全財産と美人の一人娘

トヨ(江波杏子)と結婚させると誓った。

シャキはさっそく名乗りを上げるが、もう一人の流れ者紀州(勝新太郎)も俺もやると宣言する。

しかしシャキはトヨのことは眼中になかった。エイ(藤村志保)を愛していたからだ。

そんなある日のこと海岸を散歩していたエイに紀州は襲い妊娠させてしまったのだ。

エイは紀州を憎みながら子供を産むことにした。


そしてシャキはその子を紀州の子と知りながらわが子として育てることにしたのだ。


そんな騒ぎや紀州と漁師たちの喧嘩などがありながら、ついにシャキと紀州は海の上で鯨神を倒す

日を迎えた・・・


鯨神との死闘シーンは大映の京都撮影所のプールで撮影された、大波や嵐や鯨も迫力がありなかなか

よく撮れている。音楽をゴジラの伊福部昭が担当したのも、土俗的な雰囲気が出てよかったと思う。


しかしこの映画を見るとかって日本は捕鯨大国だったんだと思い出す。欧米のいいがかりで今や

鯨をとることなどできないが私が子供のころは鯨肉といえば、安物の肉で当たり前のように食卓に

あがっていた。

勝新太郎の野性味や本郷の柔道が鍛えた肉体が生かされた作品である。

日本ではこんな映画も作っていたんだと感慨深いものがある。監督は田中徳三。


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posted by ハヤテ at 16:30| 映画
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