2017年01月07日
真珠湾「地上より永遠に」バートランカスターモンゴメリークリフト、フランクシナトラ
1953年のアメリカ映画「地上より永遠に」は、ジェームズ・ジョーンズのベストセラー小説を映画化した作品
である。クライマックスは日本軍の真珠湾攻撃でハワイ、ホノルルのスコフィールド米軍基地の兵士とその
周囲の女たちの日常を描いている。
戦争映画というより軍隊映画というべきで戦闘シーンは最後の方で最初は出てこない。人間ドラマが中心に
なっていて、登場人物が誰も個性的で印象に残る人間ばかりだ。
ロバート・E・プルーウィット(モンゴメリー・クリフト)という青年が転属してくることからこの物語は始まる。
プルーイットは上官に反抗したことからこのハワイに陸軍基地に飛ばされたのである。
部隊の中隊長ダナ・ホルムズ大尉は、プルーイットが以前ボクシングの大会でミドル級で優勝したことを
知っていて中隊のボクシングチームに加わることを強要した。
だがプルーイットは昔ボクシングの練習中に誤って仲間を失明させたことがトラウマになっていて
大尉の命令を拒絶する。
そして実質的に中隊を動かしていたウォーデン軍曹(バート・ランカスター)からもプルーイットにボクシング
をやるように要請するが頑固なプルーイットは断じて言うことを聞かない。
だが中隊のベテランたちは黙っているはずがなかった。この日からさっそく嫌がらせが始まった。
仕事が遅いとランニングさせたり、穴を掘っては埋め返す単純作業を何時間もやらせたりいじめぬくのである。
そしてある日ジムの掃除をしているときに、床にペンキを無理にこぼされてプルーイットは逆切れする。
上官に反抗したことでプルーイットは軍法会議送りになりそうになるが、軍曹のはからいでなんとか難を逃れる。
しかしそんな過酷な中隊での生活でも一等兵のアンジェロ・マギオ(フランク・シナトラ)だけはプルーイットの
味方になってくれた。アンジェロは陽気な男でプルーイットを誘って休暇の日に慰安所でアルマ(ドナ・リード)という女と
知り合い恋仲になるのだった・・・
この映画はプルーイット(モンゴメリークリフト)とアルマの恋愛ストーリーとウォーデン軍曹と上官の妻カレン(デボラ
カー)の不倫が縦の糸と横の糸となって構成されている。
そしてその合間にアメリカ陸軍の実態が描かれているのである。昔日本軍は封建的で米軍は民主的だなどと
したり顔で語るものがいたが、この映画を見るとそれが真っ赤な嘘であることがわかる。
古今東西民主的な軍隊などというものはなく、階級と暴力がすべてを支配する不条理な世界なのである。
またドラマ部分がしっかり描かれていて、男と女の恋愛心理や嫉妬や執着など思い当たることも多い。
さらに出演俳優の演技がよく、軽薄な兵隊のシナトラや残忍なファツォー(アーネストボーグナイン)の
いじめ演技など真に迫っているのだ。また酒場のケンカのシーンではシナトラがボーグナインを椅子で後頭部
を殴ると、ボーグナインはスイッチナイフを出して威嚇するなど非常にリアルで感心する。
またこのころのアメリカ映画では飛び出しナイフが出てくる場面が多い気がする。
男と女、個人と組織、戦争と平和など人間の普遍的なテーマを扱っていていつまで残る名作だろう。
しかし冒険的な戦争映画を期待していた人には物足らないかも知れない。原作者のジェームズジョーンズは
真珠湾攻撃の当日現地にいて日本軍の奇襲を目撃していて後にガダルカナルの戦いも経験している。
なおこの作品でシナトラとドナリードはアカデミー助演男優賞と助演女優賞を受賞し監督のフレッドジンネマンは
監督賞、さらに作品賞も受賞している。
である。クライマックスは日本軍の真珠湾攻撃でハワイ、ホノルルのスコフィールド米軍基地の兵士とその
周囲の女たちの日常を描いている。
戦争映画というより軍隊映画というべきで戦闘シーンは最後の方で最初は出てこない。人間ドラマが中心に
なっていて、登場人物が誰も個性的で印象に残る人間ばかりだ。
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ロバート・E・プルーウィット(モンゴメリー・クリフト)という青年が転属してくることからこの物語は始まる。
プルーイットは上官に反抗したことからこのハワイに陸軍基地に飛ばされたのである。
部隊の中隊長ダナ・ホルムズ大尉は、プルーイットが以前ボクシングの大会でミドル級で優勝したことを
知っていて中隊のボクシングチームに加わることを強要した。
だがプルーイットは昔ボクシングの練習中に誤って仲間を失明させたことがトラウマになっていて
大尉の命令を拒絶する。
そして実質的に中隊を動かしていたウォーデン軍曹(バート・ランカスター)からもプルーイットにボクシング
をやるように要請するが頑固なプルーイットは断じて言うことを聞かない。
だが中隊のベテランたちは黙っているはずがなかった。この日からさっそく嫌がらせが始まった。
仕事が遅いとランニングさせたり、穴を掘っては埋め返す単純作業を何時間もやらせたりいじめぬくのである。
そしてある日ジムの掃除をしているときに、床にペンキを無理にこぼされてプルーイットは逆切れする。
上官に反抗したことでプルーイットは軍法会議送りになりそうになるが、軍曹のはからいでなんとか難を逃れる。
しかしそんな過酷な中隊での生活でも一等兵のアンジェロ・マギオ(フランク・シナトラ)だけはプルーイットの
味方になってくれた。アンジェロは陽気な男でプルーイットを誘って休暇の日に慰安所でアルマ(ドナ・リード)という女と
知り合い恋仲になるのだった・・・
この映画はプルーイット(モンゴメリークリフト)とアルマの恋愛ストーリーとウォーデン軍曹と上官の妻カレン(デボラ
カー)の不倫が縦の糸と横の糸となって構成されている。
そしてその合間にアメリカ陸軍の実態が描かれているのである。昔日本軍は封建的で米軍は民主的だなどと
したり顔で語るものがいたが、この映画を見るとそれが真っ赤な嘘であることがわかる。
古今東西民主的な軍隊などというものはなく、階級と暴力がすべてを支配する不条理な世界なのである。
またドラマ部分がしっかり描かれていて、男と女の恋愛心理や嫉妬や執着など思い当たることも多い。
さらに出演俳優の演技がよく、軽薄な兵隊のシナトラや残忍なファツォー(アーネストボーグナイン)の
いじめ演技など真に迫っているのだ。また酒場のケンカのシーンではシナトラがボーグナインを椅子で後頭部
を殴ると、ボーグナインはスイッチナイフを出して威嚇するなど非常にリアルで感心する。
またこのころのアメリカ映画では飛び出しナイフが出てくる場面が多い気がする。
男と女、個人と組織、戦争と平和など人間の普遍的なテーマを扱っていていつまで残る名作だろう。
しかし冒険的な戦争映画を期待していた人には物足らないかも知れない。原作者のジェームズジョーンズは
真珠湾攻撃の当日現地にいて日本軍の奇襲を目撃していて後にガダルカナルの戦いも経験している。
なおこの作品でシナトラとドナリードはアカデミー助演男優賞と助演女優賞を受賞し監督のフレッドジンネマンは
監督賞、さらに作品賞も受賞している。
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