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2012年04月11日

フランキー堺の熱演冷戦下の最終戦争「世界大戦争」

1961年に東宝が製作した「世界大戦争」は核戦争の恐怖を描いた秀作である。

主人公のタクシー運転手(田村茂吉)は妻(乙羽信子)、長女の冴子(星由里子)、幼い次男、次女と

暮らす平凡な男だ。

しかし時に世界は同盟国側と連邦国側の間で対立があり、限定的だが核兵器を使用する事件が勃発する。

つつましくも平和な生活を送っていた田村一家にも戦争の影が忍び寄る。

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両陣営とも話し合いで最悪の事態は避けられたかに見えたが、しかし朝鮮半島でついに両陣営が激突。
最悪の事態に突入する。

「人間がぱーっと蒸発するなんてそんなバカことがあってたまるか」

激怒する田村。

この映画の見どころは国際政治の非情な現実をテーマにしながら、その視点を庶民においたこと
である。
監督の松林宗恵は戦中派であり、誰よりも戦争の無意味さを知っていた。

長女冴子は、船乗りの高野(宝田明)と婚約していたのだが、この最悪のとき、高野は航行中で

日本にはいなかった。

モールス信号で船の高野と連絡をとる冴子。高野からの返電は「コーフクダッタネ」であった。

泣き崩れれる冴子。

そのころ街は逃げ惑う庶民で大混乱であったが田村家は家族全員で最後の晩餐を過ごしていた・・

クライマックスのカタストフィーは世界中の都市が核弾頭で吹き飛ぶシーンである。

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特撮を担当したのは特撮の神様円谷英二。

円谷は建物をウエハースで作り圧縮空気で吹き飛ばし迫力ある画面になっている。

団伊倶磨のスコアも悲愴でありかつ重厚な雰囲気で質が高い。

東西冷戦の真っ只中に作られただけに緊張感が伝わる作品。

平和への願いがこめられた大作である。

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posted by ハヤテ at 01:35| 特撮
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