2016年07月19日
「八つ墓村1977年度版 萩原健一、小川真由美、夏八木勲
40歳以上の方なら「八つ墓村のたたりじゃ〜」のスポットCMを覚えている方も多いだろう。
横溝正史原作の「八つ墓村1977年度版」は、当時一世を風靡した怪奇推理映画である。原作がやや怪奇風味は
あるものの探偵小説の枠に収まるのに対して1977年度映画の場合かなり、怨念や祟りに重点を置いた
作りになっている。
主人公の寺田辰弥(萩原健一)は羽田空港?で働く旅客機の誘導員をしていたが、偶然新聞の尋ね人の欄で
自分の名前を発見し大阪の法律事務所まで出向いていく。事務所では弁護士の諏訪(大滝秀治)とひとりの
老人が待っていた。諏訪が辰弥に背中の火傷跡を見せてほしいと頼むとその傷跡を見た老人井川丑松(加藤嘉)
は号泣した。辰也は丑松の孫にあたり感激のあまり泣き出したのだ。しかし喜びもつかの間突然丑松は口から
泡を吹いて死んでしまう。驚愕する辰也だったが葬儀の出席も兼ねて親族の森美弥子(小川真由美)の案内で
故郷の岡山の山奥の村を訪れる。しかしそこは八つ墓村と呼ばれるいわくつきの村でもあった。
村につき美弥子から八つ墓村の名前の由来を初めて聞く辰弥だったがその話は実に怨念に満ちたものだった。
今から400年前の戦国時代にこの村に尼子義孝(夏八木勲)を頭領とする落ち武者の一行が逃げ込んでくる。
落ち武者たちははじめは警戒されていたが、そのうち危害を加える様子がないことから村人との交流も進み平和的
な付き合いが続いた。しかし尼子の残党狩りをしていた毛利から落ち武者を殺せば恩賞を与えるとの沙汰があり
金に目がくらんだ村人たちが義孝一党を酒宴にさそい、毒を飲ませてだまし討ちにしてしまった。
竹やりを身体に刺されながら最後の執念で「おのれおまえら祟って祟って祟りぬいてやる」と村人の前に
仁王立ちとなる。村人は震えながら義孝に止めをさした。一党は首を斬られ神社の境内にさらし首となるが・・・
落ち武者の祟りなのか村人たちは次々に怪死していく・・・
しかし祟りはこれで終わりではなかった。村人の子孫である多治見要蔵が28年前に村人を30人猟銃と日本刀で
殺害していたのである。そしてこの多治見要蔵こそ辰弥の父親だと美弥子が言うのであった・・・
原作は金田一耕助(渥美清)を主人公の探偵ものだが、この映画ではそれほど活躍はしない。一応渥美が最後に
謎解きをして見せるがどろどろした復讐劇に重きが置かれているのである。この映画の見どころはたくさんあるが、
尼子義孝一党が村人に惨殺されるシーンの惨さは語り草になるほどだ。鎌で武者の胸を切り裂いたり日本刀で
首ちょんぱと村人はやりたい放題である。また首が飛んで村人にかみついたりとこのシーンの恐ろしさは
日本映画随一かも知れない。津山30人殺しをベースに横溝が作り上げた物語は伝奇ロマンの要素を加えて
独特のものになっている。辰也が美弥子と一緒の道行のシーンのロケは主に岡山県の満奇洞を中心に岩手県や
山口県や沖縄県などの洞窟を撮影してつないだものである。
このシーンのバックに流れる道行のテーマを始め音楽を担当したのは芥川也寸志で、重厚で日本的な曲
は最高の出来でいつまでも印象に残るものだ。
最後は落ち武者の祟りで、多治見家の大屋敷が大炎上するシーンも迫力がある。
しかし主演のショーケンはかっこいいがどちらかといえばおとなしく、尼子義孝(夏八木勲)や多治見要蔵(山崎努)
が目立ってしまいこっちの方が主役のように見えるのである。原作は横溝が戦争で疎開した田舎体験がベース
になっていて昔に日本が持っていた日本の原風景がここにある。しかし田舎特有の陰湿さも描かれていて
息がつまりそうになる。又監督の野村芳太郎は日本各地にロケをして大変だったと思う。
橋本忍の脚本がよかったことも本作の成功要因だと思う。しかししばらくして橋本は「幻の湖」で大失敗してしまう。
ちなみに尼子義孝は架空の人物で実際は存在しない。
八つ墓村は何度も映画化、ドラマ化されているが私見だが本作がやはり最高傑作だと思う。
そして私はこの映画を初見したときショーケンがやっている航空誘導員に憧れたものである。
また劇場での音響効果がすごくよかったのを覚えている。
横溝正史原作の「八つ墓村1977年度版」は、当時一世を風靡した怪奇推理映画である。原作がやや怪奇風味は
あるものの探偵小説の枠に収まるのに対して1977年度映画の場合かなり、怨念や祟りに重点を置いた
作りになっている。
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自分の名前を発見し大阪の法律事務所まで出向いていく。事務所では弁護士の諏訪(大滝秀治)とひとりの
老人が待っていた。諏訪が辰弥に背中の火傷跡を見せてほしいと頼むとその傷跡を見た老人井川丑松(加藤嘉)
は号泣した。辰也は丑松の孫にあたり感激のあまり泣き出したのだ。しかし喜びもつかの間突然丑松は口から
泡を吹いて死んでしまう。驚愕する辰也だったが葬儀の出席も兼ねて親族の森美弥子(小川真由美)の案内で
故郷の岡山の山奥の村を訪れる。しかしそこは八つ墓村と呼ばれるいわくつきの村でもあった。
村につき美弥子から八つ墓村の名前の由来を初めて聞く辰弥だったがその話は実に怨念に満ちたものだった。
今から400年前の戦国時代にこの村に尼子義孝(夏八木勲)を頭領とする落ち武者の一行が逃げ込んでくる。
落ち武者たちははじめは警戒されていたが、そのうち危害を加える様子がないことから村人との交流も進み平和的
な付き合いが続いた。しかし尼子の残党狩りをしていた毛利から落ち武者を殺せば恩賞を与えるとの沙汰があり
金に目がくらんだ村人たちが義孝一党を酒宴にさそい、毒を飲ませてだまし討ちにしてしまった。
竹やりを身体に刺されながら最後の執念で「おのれおまえら祟って祟って祟りぬいてやる」と村人の前に
仁王立ちとなる。村人は震えながら義孝に止めをさした。一党は首を斬られ神社の境内にさらし首となるが・・・
落ち武者の祟りなのか村人たちは次々に怪死していく・・・
しかし祟りはこれで終わりではなかった。村人の子孫である多治見要蔵が28年前に村人を30人猟銃と日本刀で
殺害していたのである。そしてこの多治見要蔵こそ辰弥の父親だと美弥子が言うのであった・・・
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原作は金田一耕助(渥美清)を主人公の探偵ものだが、この映画ではそれほど活躍はしない。一応渥美が最後に
謎解きをして見せるがどろどろした復讐劇に重きが置かれているのである。この映画の見どころはたくさんあるが、
尼子義孝一党が村人に惨殺されるシーンの惨さは語り草になるほどだ。鎌で武者の胸を切り裂いたり日本刀で
首ちょんぱと村人はやりたい放題である。また首が飛んで村人にかみついたりとこのシーンの恐ろしさは
日本映画随一かも知れない。津山30人殺しをベースに横溝が作り上げた物語は伝奇ロマンの要素を加えて
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山口県や沖縄県などの洞窟を撮影してつないだものである。
このシーンのバックに流れる道行のテーマを始め音楽を担当したのは芥川也寸志で、重厚で日本的な曲
は最高の出来でいつまでも印象に残るものだ。
最後は落ち武者の祟りで、多治見家の大屋敷が大炎上するシーンも迫力がある。
しかし主演のショーケンはかっこいいがどちらかといえばおとなしく、尼子義孝(夏八木勲)や多治見要蔵(山崎努)
が目立ってしまいこっちの方が主役のように見えるのである。原作は横溝が戦争で疎開した田舎体験がベース
になっていて昔に日本が持っていた日本の原風景がここにある。しかし田舎特有の陰湿さも描かれていて
息がつまりそうになる。又監督の野村芳太郎は日本各地にロケをして大変だったと思う。
橋本忍の脚本がよかったことも本作の成功要因だと思う。しかししばらくして橋本は「幻の湖」で大失敗してしまう。
ちなみに尼子義孝は架空の人物で実際は存在しない。
八つ墓村は何度も映画化、ドラマ化されているが私見だが本作がやはり最高傑作だと思う。
そして私はこの映画を初見したときショーケンがやっている航空誘導員に憧れたものである。
また劇場での音響効果がすごくよかったのを覚えている。
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