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2016年04月13日

「忍びの者伊賀屋敷」市川雷蔵、八千草薫、由比正雪

村山知義原作の人気忍者小説「忍びの者」は、市川雷蔵主演で映画化されシリーズ化された。


「忍びの者伊賀屋敷」のテーマは、歴史上知られた由比正雪の「慶安の変」を取り扱っていて、霧隠才蔵の遺児才介

が主君真田幸村の忘れ形見百合姫を徳川の策謀から守って戦うのがサブストーリーとなっている。


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江戸時代初期は、まだまだ太平とは言い難く島原の乱のあとも、滅んだ豊臣の残党や主君が改易されて行き場を

失った食い詰め浪人たちの不平不満が爆発寸前になっていた。

そんな不穏な情勢の中で、総髪の浪人由比正雪は軍学の天才で江戸に道場を構え多くの門弟たちを抱えていた。

徳川の老中松平伊豆守は、そんな由比の動きを警戒して密かに監視していた。

伊豆守は、伊賀忍者の才介(市川雷蔵)に取っても父の仇であり一矢報いんと虎視眈々と伊豆守の命を狙っていたのだ。

才介にとって気になるのは、妹として一緒に育てられた百合姫(八千草薫)の行方だった。しかし百合姫は才蔵の死

の際のどさくさに伊豆守の手のものに拉致されていまは伊豆守のもとで養女として育てられていた。

百合姫と再開した才介は、伊豆守のもとから救出しようとするが百合姫は頑なに拒んだ。

そのころ紀州の大納言徳川頼宣は、いまの幕府を倒す野望を持っていた。

由比は、丸橋忠弥と言う宝蔵院流の槍の達人を同志とし、全国で一斉に蜂起して幕府を転覆させようと考えていた

が蛇の道は蛇で倒幕の時は、大納言の力を借りようとしていたのだ。

そして密かに紀州へわたり頼宣に面会しようと策謀するが・・・

それぞれの思惑を持って倒幕に及ぶのだが、由比と頼宣の野望には裏の裏があったのである・・

いかにも忍者映画らしく裏を読む展開で由比正雪や徳川頼宣の曲者ぶりは腹黒い。物事を正面からしか

見れない人はこの映画を見ると人のいやらしさと政治の黒さを知ることができるだろう。

又百合姫の正体にも裏があって・・・・しかし雷蔵はどんな役でもこなすのには驚きである。短い人生でどれだけの

秀作を残したのか不世出の俳優と言えるだろう。由比正雪と慶安の変も謎だらけで、実際はどうだったのか資料が

残っていない。すべては抹殺されてしまったのである。徳川を根底から破壊する大事件だったことは間違いないと

思われる。

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posted by ハヤテ at 16:34| 時代劇
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