2015年07月26日
長谷川和彦水谷豊原田美枝子「青春の殺人者」
「ペニス傘持ちホーデン連れて入るぞヴァギナのふるさとへ」尾崎士郎の「ホーデン侍従」の一句を朗読
しながら歩くタイトルバックに、主人公水谷豊が、女物のオレンジ色の傘をさして実家へ向かうシーンから始まる
「青春の殺人者」は、寡作で知られる長谷川和彦監督のデビュー作であり日本映画史上に残る傑作といえよう。
主人公の斉木順(水谷豊)は小さな自動車修理工場を経営する両親に甘やかされて育った若者である。
順は、父親(内田良平)のすすめで、スナックを経営するが、スナックを手伝う幼馴染のケイコ(原田美枝
子)と両親の折り合いが悪くそのことで両親とよく喧嘩になっていた。
ある日父親に取り上げられた車を取り返すため実家へ向かった順は、ささいなことで父親と口論になり、
順は父を刃物で刺殺してしまう。
息子の父親殺しを知った母親(市原悦子)は、半狂乱となり自首しようとする息子を押しとどめる。
法律を犯していることを自覚している息子に対して、家庭の問題に国家が立ち入るのはおかしいと息子を
さとし父の死体処理を手伝うが、勢いで息子を殺して無理心中を図る。しかしこれを拒否した順に反撃
されて殺されてしまう。
両親殺しという大罪を犯した順は、両親の死体に重りをつけて海に沈め、車でケイコと逃亡する。
だがふと一度スナックへ戻り仕事をしようと考えた。だが冷静な判断力を失っていた順は、ケイコのとめるのも
聞かずスナックにガソリンをまき火をつけるのだった・・・
原作は、芥川賞作家の中上健次の「邪淫」を田村孟が脚本家し、長谷川和彦が大幅に書き換えたものである。
ストーリーはあってないようなものであるが、役者たちの演技がすごく水谷豊の危ないがもろい主人公の
大胆さと繊細さを見事に演じ、市原悦子の近親相姦的な誘いや殺害時の痛くしないでのセリフといい
ぞっとするような演出である。音楽は、ゴダイゴのファーストアルバム「新創世記」から引用されていて、
「思い出をきみに託そう」やエンドロールに流れる「憩いのひととき」は、後生に残る名曲である。
また主演の水谷豊の演技も素晴らしく、杉下右京しか知らない方は、犯罪者がぴったりはまるのを見て
驚くだろうがこっちのほうが地に近いのではないか。おそらく水谷豊はこれが生涯最高の演技だと思う。
ラストで順が、トラックの荷台に乗り込み逃げるシーンが忘れられない。
恋人役の原田美枝子の当時17歳とは思えない豊満な肢体が観れるのも見所であると言えよう。
なおこの映画のモデルとなった市原両親殺害事件の被告は、
冤罪を主張して再審請求中である。
とにかくいろいろな意味でも異様な迫力を持った映画であり、他にない作品である。
しながら歩くタイトルバックに、主人公水谷豊が、女物のオレンジ色の傘をさして実家へ向かうシーンから始まる
「青春の殺人者」は、寡作で知られる長谷川和彦監督のデビュー作であり日本映画史上に残る傑作といえよう。
新品価格 |
主人公の斉木順(水谷豊)は小さな自動車修理工場を経営する両親に甘やかされて育った若者である。
順は、父親(内田良平)のすすめで、スナックを経営するが、スナックを手伝う幼馴染のケイコ(原田美枝
子)と両親の折り合いが悪くそのことで両親とよく喧嘩になっていた。
ある日父親に取り上げられた車を取り返すため実家へ向かった順は、ささいなことで父親と口論になり、
順は父を刃物で刺殺してしまう。
息子の父親殺しを知った母親(市原悦子)は、半狂乱となり自首しようとする息子を押しとどめる。
法律を犯していることを自覚している息子に対して、家庭の問題に国家が立ち入るのはおかしいと息子を
さとし父の死体処理を手伝うが、勢いで息子を殺して無理心中を図る。しかしこれを拒否した順に反撃
されて殺されてしまう。
両親殺しという大罪を犯した順は、両親の死体に重りをつけて海に沈め、車でケイコと逃亡する。
だがふと一度スナックへ戻り仕事をしようと考えた。だが冷静な判断力を失っていた順は、ケイコのとめるのも
聞かずスナックにガソリンをまき火をつけるのだった・・・
新品価格 |
原作は、芥川賞作家の中上健次の「邪淫」を田村孟が脚本家し、長谷川和彦が大幅に書き換えたものである。
ストーリーはあってないようなものであるが、役者たちの演技がすごく水谷豊の危ないがもろい主人公の
大胆さと繊細さを見事に演じ、市原悦子の近親相姦的な誘いや殺害時の痛くしないでのセリフといい
ぞっとするような演出である。音楽は、ゴダイゴのファーストアルバム「新創世記」から引用されていて、
「思い出をきみに託そう」やエンドロールに流れる「憩いのひととき」は、後生に残る名曲である。
また主演の水谷豊の演技も素晴らしく、杉下右京しか知らない方は、犯罪者がぴったりはまるのを見て
驚くだろうがこっちのほうが地に近いのではないか。おそらく水谷豊はこれが生涯最高の演技だと思う。
ラストで順が、トラックの荷台に乗り込み逃げるシーンが忘れられない。
恋人役の原田美枝子の当時17歳とは思えない豊満な肢体が観れるのも見所であると言えよう。
なおこの映画のモデルとなった市原両親殺害事件の被告は、
冤罪を主張して再審請求中である。
とにかくいろいろな意味でも異様な迫力を持った映画であり、他にない作品である。
新品価格 |
新品価格 |
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image