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2015年05月02日

悪魔の谷「ウルフクリーク猟奇殺人谷」

2005年製作のオーストラリア映画「ウルフクリーク猟奇殺人谷」は、現実にあった事件を元に作った

猟奇サスペンスである。


ストーリーは、イギリスからオーストラリアにやってきたバッグパッカー、リズとクリスティ二人の


女性が、オージーの青年ベン(ネイサンフイリップス)のアテンドで広大なオーストラリアを車でドライブを

楽しむことから始まる。

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前半は、若い男女の楽しげなバカンス風景が淡々と続き、ドライビングムービーかと思えるほどほのぼの

している。


映画の背景になる新大陸の自然は美しく地平線、降るような星、深紅の夕焼け、動物の群れと


島国の人間からすればため息が出るような風景である。しかし、その自然は見方を変えると人間を


吸い込んでしまう不気味な悪魔のブラックホールようにも見える。


3人の旅は順調に進み昔隕石が落ちたというウルフクリークを訪れたとき、3人はその


自然の神々しさに感動すら覚えた。


自然を楽しんだ3人がこの地を去ろうとしたとき、異変があった。なんと車が故障しエンジンがかからなく

なった。

クリスティ(ケスティモラッシ)たちは、ベンをなじるが車がびくとも動かない。とにかく今夜は車で一夜を

明かすほか

なかったが、深夜3人を照らすライトが見えた。


他の車が通りかかったのである。中から中年の親切な男が出てきて車を修理してくれると言う。


3人は喜び、男が車でけん引してくれるというのに応じた。だがこれは地獄の始まりだった。

ストーリーはありふれた猟奇ものだが、やたらに恐怖をあおるものでなく非常に地味であるのがかえって

怖い。


サイコ男の犠牲になる女性が、脊髄を切断されたり、指を銃で吹き飛ばされるシーンは目をそむけたくなる。


見ていて女性たちに逃げろと叫びたくなるが予定調和のように捕まるのがイライラが募る。


オーストラリアでは年間3万人が行方不明になるそうである。


元ネタになった事件は、1980年代から90年代にかけて起こった ベラングロ州立公園バックパッカー連続殺人事件 、スノー・タウン男女12人猟奇殺人事件、フリマントルバーニー夫妻連続強姦殺人事件である。


今までオーストラリアには、いい印象があったがこの映画を見ると絶対行きたくないと思う。


とにかく、広く走っても走ってもガソリンスタンドらしきものが見えない。人影もない。住居もない。こんな場所でガス欠やパンク


したらおしまいだろう。

もともとこの土地は囚人たちの流刑地だったのである。
posted by ハヤテ at 14:38| 犯罪映画
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