2015年03月08日
中村錦之助内田吐夢「宮本武蔵」
吉川英治原作の「宮本武蔵」は、その題材の面白さ、普遍性からか何度も映画化されているが、なかでも
1961年製作の「飢餓海峡」の内田吐夢と時代劇の大スター中村錦之助(萬屋錦之助)が組んだムサシがとりわけ
面白い。
舞台は、戦国の終末の関ヶ原。二人の落ち武者が敗走していた。若者たちは、作州郷士のたけぞう(中村錦之助)と又八(木村功)で
あった。二人は西軍の豊臣方について参戦したのだが惨敗し逃げ延びるところだったのだ。
傷ついた又八とタケゾウは、戦場で追い剥ぎを生業とすお甲とあけみの母子に救われるが、母子は野武士に襲われる。
しかし乱暴者のたけぞうは野武士にひるまず、逆ギレして野武士を棒でメッタ打ちにして殺してしまう。
だが、故郷にお通(入江若葉)という許嫁がありながら、お甲の誘惑に負けた又八はたけぞうを置き去りにして母子と逐電してしまう
のだった。
ひとり取り残されたたけぞうは、又八の母親の婆(浪速千恵子)に又八が生きていることを知らせようと故郷の作州宮本村
をめざすのだった。
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しかし、豊臣方の残党狩りは激しく宮本村へは姫路からたけぞう召し取りのために極悪役人が派遣されていた。
又八の母の婆もたけぞうを逆恨みしており、山狩りに駆り出される百姓たちも嫌気がさしていた。
役人はしかし、たけぞうの首を取っていい顔をしたいがため血眼になってたけぞうの行方を追っていた。
そんなとき村に寄宿する生臭坊主の沢庵(三國連太郎)は、たけぞうの命を救い村人の負担もなくすため策を巡らすのだった。
武蔵を演じる錦之助の野性的な魅力、飄々とした沢庵の個性的な人格を表現する三國連太郎の演技力も凄い。
お通役の入江若葉も又この役がぴたりとはまっている。
武蔵の生まれについては、作州説、播州説のふたつある
が、養子の伊織の話では播州とあるのでやはり播州だろう。
武蔵は、新免を最初名乗っており、ルーツをたどると嘉吉の乱を起こした赤松氏につながるという。
やはり激しい血を持って生まれてきたのだろう・
物語の最後は、武蔵は姫路白鷺城のあかずの間に幽閉され、内省し開眼するところで終わる。
だが、かなり余韻を残した最後だったのでシリーズ化を念頭においていたのだろう。
音楽はゴジラの伊福部昭でこの映画を担当していたことを知らないかたも多いだろう。
時代劇のいいころの名作である。
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タグ:宮本武蔵、中村錦之助、
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