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2014年06月11日

サスペンスパニックの傑作「新幹線大爆破」

東映の「新幹線大爆破」は、アメリカのパニック映画ブームに便乗して1975年に作られたが、1級のサスペンス映画に

仕上がっている。

高倉健が珍しく悪役のテロリストを演じており、人間味あふれる国鉄司令室長を宇津井健が演じているが、これはぴったり

はまっている。

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ストーリーは、経営する鉄工所が倒産し女房にも逃げられた中年男沖田(高倉健)が、沖縄から集団就職で出てきて職を転々として

食い詰め献血で生活する大城、理想が敗れた元過激派の左翼古賀(山本圭)と組み、一発逆転をめざして人質を楯に

現金強奪を図る物語である。

博多行きひかり号に爆弾を仕掛けた沖田は国鉄公安室へこの列車に特殊爆弾を仕掛けたと脅しの電話をする。

速度が80キロ以下になると自動的に爆発するというのだ。脅しではない証拠に夕張行の貨物列車にも同じタイプの

爆弾を仕掛けたと沖田は言った。しばらくして沖田の言う通り貨物列車は爆発した。

司令室長の倉持(宇津井健)はさっそく警察に連絡し対策を取り始め、ひかり号の運転手青木(千葉真一)に連絡するが

青木は思わぬことに青ざめ動揺する。

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犯人は現金で500万ドルを要求してきたのだ。

国鉄側は真相を隠し、爆弾発見をしようとするが。次々に駅を通過してゆくことに乗客はパニックに陥ってゆく。

沖田は現金をヘリで運ぶよう警察に指示、荒川周辺でトランシーバーを受け取り渡し船で移動するよう指示する。

しかし現金の受け取りを任された大城は、逃走中バイク事故で死亡し計画は早くも狂ってゆく。

そのあと警察に偶然にも目撃された古賀はなんとか沖田のアジトに逃げおおせるが重傷を負い追い詰められ

自らダイナマイトを炸裂させて自爆した。

仲間の死を乗り越え、沖田は現金奪取に成功する、あらかじめ爆弾のとりはずし方法を図面にして喫茶店に預けて

おいたのだが、沖田の連絡で警察が踏み込んだときには喫茶店は火災で炎上し図面も燃えてしまったのである・・・

この映画の面白いところは次々から次に事件が起こり観客を飽きさせないことや、現金受け渡し法もかなり工夫されていて犯人が足がつかないようにバイク、ワゴン車、徒歩と手を変え品を変えリアリティを感じさせるアイディアが満載なこと、主役のケンさんだけでなく、渡辺文雄。丹波哲郎、北大路欣也、多岐川由美、千葉真一、竜雷太、宇都宮雅代、

藤田弓子、岩城滉一等当時の主役級の俳優を使い捨てのように登場させていることだ。

犯人たちがいずれも負け組の集まりなので観客が感受移入しやすいのもあるだろう。

題名のせいもあり、撮影には国鉄の協力が得られず封切直前に完成したことから準備が間に合わずこの映画は

興行的には失敗したが、フランスを始め海外ではヒットした。

女性のスキャットを起用した青山八郎の哀愁のある音楽も映画に花を添えている。

スピードを落とすと爆発するこのアイディアは後にアメリカ映画「スピード」がパクっている。

70年代を代表するパニック映画の1本である。


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posted by ハヤテ at 19:35| サスペンス
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