新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
2019年08月16日
収支報告(八月十四日)
報告ってほどのこともないのだけど、七月の後半に敢行したモラビア、東ボヘミアの観光地めぐりで二週間の乗り放題チケットを買った甲斐があったのかどうか確認しておく。二週間毎日あちこち移動していたら、確実に元は取れたはずだけど、足を傷めて靴を履くのも辛い状態になったので、結局鉄道を利用したのは、半分の七日に過ぎないのである。だからといって、一週間の券にしておけばよかったとも言い切れないのは、七日連続ではなく、間にお休みの日を二日ほど作ったからである。
チェコ鉄道の運賃体系は、私鉄との競争が始まった結果、複雑怪奇なものになってしまっていて、ネット上で購入する場合、乗る電車まで指定されたチケットだと割引されるのだが、その値下げ額が便によって違ったり、便によっては値下げがなかったりする。値下げ幅が大きい路線もあれば、近距離だと全く値下げのないところも、値下げが1コルナというところもある。
乗換えが必要な場合には、指定されるのは最初に乗る電車だけで、二本目からはどれに乗ってもいいようで、別々に便指定のチケットを買った方が安くなるようにも見えるのだが、確認はしていない。便指定の割引乗車券には途中下車するとその先は無効になるという縛りもある。普通のチケットの場合にも途中下車できるのは、乗車から100キロを超えて以降だったか。ネット上の運賃が窓口で買う場合と同じかどうかもよくわからない。
つらつらとチェコ鉄道の運賃のわからなさを記したのは、もとが取れたかどうかを比較する対象の運賃としては、定額の運賃を使うしかないことを説明するためである。今回は駅についてから行先を最終決定するようなこともしていたから、便指定のチケットでは困ったはずなのだが、これは乗り放題のチケットを買った結果であって、理由ではない。
ということで、比較対象の運賃は、その日一番遠くまで行った場所までの運賃を使うことにする。
一日目 157kč/122km/ブジェツラフ、ホドニーン
二日目 93kč/59km/シュンペルク
三日目 218kč/168km/フラデツ・クラーロベー
四日目 179kč/146km/パルドゥビツェ
五日目 181kč/122 km/ポリチカ、スビタビ、チェスカー・トシェボバー
六日目 137kč/90 km/ウヘルスキー・ブロト
七日目 65kč/46 km/ザーブジェフ、モヘルニツェ
ここにあげた数字は片道のものなので、総計すると2060kč。元は取れているけど、正直もう少し得しているかと思った。一日平均で考えると300kč弱だから、当初の予定通り10日使っていたら、3000kč分ぐらいは移動していたことになるのか。これぐらいは使いたかったなあ。
疲れてお休みにした日に、街歩きなしでひたすら電車に乗っているというのも考えたんだけどね。PC持ち込めば手持無沙汰ということもないし、ペンドリーノの座席指定券を追加で購入すれば、最長でフランティシュコビ・ラーズニェまで行けるし。とはいえ、ペンドリーノでも片道5時間19分。行くのはいいけど帰って来られるのかどうか不安になってやめてしまった。モラビアを中心にしたいという意識も残っていたしさ。
今回、行く候補に入れていた場所としては、コメンスキー関係でフルネク、ジェロティーン家関係でベルケー・ロシニ、ノビー・イチーン、バラシュスケー・メジジーチー、モラフスカー・トシェボバー、大モラバ関係でウヘルスケー・フラディシュテ、ズノイモなどいろいろあるのだけど、この計画を立てた時点で、第一の候補となっていた場所があるのを思い出した。
それはオロモウツ地方の北の果て、ポーランドとの国境の近くにあるヤーンスキー・ブルフというお城である。ブルフというのは、チェコ語で丘、山を意味する言葉で、その言葉通りにヤボルニークという街の奥の丘の上にそびえている。20年近く前にモラビアをあちこちしたときも、何かで写真を見るかどうかして行きたいと思ったのだが、あまりの遠さにあきらめた。
あの頃は路線の改修工事も、ダイヤの効率化も進んでいなかったから、単に距離的に遠いだけでなく所要時間もものすごく長くかかったはずである。現在でも山の間を抜けていくローカル線が大部分なので、オロモウツから3時間ほどかかってしまう。お城の見学にどのぐらいかかるかわからないことを考えると、オロモウツを7時前に出る電車に乗るのが理想である。
しかし、自堕落な生活を続けていた人間がいきなり7時前の電車に乗れるわけがない。一日なら乗れても、それをやると翌日以降続かない恐れがあると考えた。それで、毎日少しずつ出発時間を早めて、7時前の電車に乗れるようにしようと、最初は9時過ぎの電車から始めたのだった。8時半までは早めたのだけど、いつの間にか目的が「シュムナー・ムニェスタ」の跡をたどるに変わってしまい、出発時間を早めるのもやめてしまったのだった。
そして、いつの間にか、ヤーンスキー・ブルフのことを忘れていたのだから救いがたい。来年もこの計画を実行するかどうかは未定だが、実行する場合には、事前に早寝早起きの習慣をつけておく必要がありそうだ。そうすれば、ヤーンスキー・ブルフにも行けるはずである。
2019年8月14日
タグ:観光地