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2020年09月01日

ツール開幕(八月廿九日)



 例年より二ヶ月遅れとはいえ、今年もまたツール・ド・フランスが始まった。量の面での感染状況を見れば、本来の開催時期よりも悪化しているのが皮肉ではある。それでも中止と開催をはかりにかければ開催に傾くのは当然のことで、厳しい、一部ではやりすぎだと批判も出ているほどの感染症対策をした上での開催となった。

 先週のロードレースのチェコ選手権で聞いた、選手二名が陽性になった時点でそのチームは出場停止処分にするというルールは、部分的に緩和、部分的に強化された。強化されたのは選手だけではなく、行動を共にするチームスタッフも対象になることで、緩和されたのは総数としての二名ではなく、直近七日間で二名ということになっている点である。
 ニュースによれば、選手たちは毎日二回の検査を受けることが義務付けられているという。レースのためだとはいえ大変なことである。しかし考えてみれば、ロードレースの選手たちは、日頃からドーピング検査で非人道的な扱いに直面しているのである。この程度の検査なら特に抵抗もなく受け入れられるのだろう。それに検査の精度による偽陽性対策として、頻繁に検査することで本当の陽性と、間違いの陽性を分別しようとしているのかもしれない。

 今年も、チェコテレビが放送してくれるので、午後、PCで仕事?をしながらの、BGVとして活用しようと思っていたら、うちのテレビでチェコテレビが映らなくなった。地上波デジタルで新しい企画での放送が始まり、古い規格の電波が切られたのである。対策としてすでにセットトップボックスは導入済みなのだが、うちの建物の集合アンテナが未対応のようだ。
 それで、室内アンテナはどうかと考えて電器店に出かけて話を聞いたら、利用してもせいぜい10チャンネルぐらいしか映らないから、高い金出して導入する意味はないと説明してくれた。売り上げ的にはそんな説明はしないほうがいいのだろうが、こういう説明をされると次に何か買うときに利用しようという気になる。
 せっかくなので、同じ建物に入っている靴屋に寄って、割引で売っていたのを一足買って帰った。それがツール出場チームのスポンサーになっているCCCだったのは、ある程度意図的である。最近このポーランドの靴屋以外では靴を買っていないのも確かで、ツールがなくてもこの店で新しい靴を買っていたはずだけど、気分というものも大切である。CCCチームからはチェコ人選手も出場しているわけだしさ。

 自宅に戻って、ネット上でツールの速報のページを開けてびっくり、提供がNTTになっていた。去年まで、データの収集テクノロジーを提供していたダイメンションデータをNTTが買収した結果らしいのだけど、この手の日本企業のグローバリゼーションの名のもとに、しばしば外国人経営者の判断で行われる外国企業の巨額買収は、国内市場の軽視と経営の不安定化につながるから、あんまりやってほしくないんだよね。
 日本を軽視してないと言うなら、速報ページに日本語版を導入するぐらいのことはしてほしいものである。スポンサーの権限で日本人選手を獲得して、ごり押しでツールに出場させろなんてことは言わないからさ。そもそもそれが可能だとしてツールに出させられそうな日本選手というと、新城選手しかいないというのが日本のロードレース界の残念な現実なのだし。

 チェコからは今年は二人の選手が出場している。NTTのロマン・クロイツィグルと、CCCのヤン・ヒルトである。先週のチェコ選手権の時点では、クイックステップのシュティバルも出場の可能性が高いというので期待していたのだけど……。ヒルトは初出場だし、クロイツィグルも今や大ベテランで総合上位というのは難しそうだから、期待はクロイツィグルのステージ優勝かなあ。スロバキアのサガンも応援していないわけじゃないけど、ゴールまでたどり着けさえすれば、サガンがポイント賞を獲得するのは規定路線である。
2020年8月30日16時。









2020年08月25日

感染者は監督?(八月廿二日)



 木曜日の時点で開催が危ぶまれていたプルゼニュとオパバの試合は、三回目の検査の結果が出て開催されることが最終的に決定したのは、試合開始の三時間前だったという。金曜日の午前中に陽性の選手が出たというニュースが流れたオロモウツの場合には、その日の夜遅くには二度目の検査の結果が出て開催が決まったから、混乱は小さかったはずだ。ただ試合を見るためにスタジアムに出向いた観客は混乱したに違いない。
 本来ならチームを指揮しているはずのラータル監督と、コーチの姿がなかったのである。GMを務めるミナーシュが数年ぶりの現場復帰で代理を務め、監督とコーチは病欠と発表された。オロモウツで感染が明らかになったのは選手一人と、チームスタッフ二人、大事開幕戦で監督とコーチの二人が不在だということは、恐らく陽性の判定が出たのはこの二人だったのだろう。

 チェコでは感染者の実名は、プライバシーを尊重して、本人が希望したり取材に応じたりしない限り報道されることはないから、現時点では憶測に過ぎないけれども、いずれは監督本人がインタビューであれこれ語ってくれるに違いない。こういう経験は、他のチームでも監督が感染するという可能性はあるわけだし、広く共有して次に生かしていく必要があるものだからさ。
 試合のほうは、前半の得点を守りきってシグマが勝った。後半PKを取られたけど、リベレツの選手が失敗してくれたおかげである。それに加えて、リベレツのフロマダはシグマ側に退場モノの行為があったのに審判が見逃したとかいっていた。今シーズンはほぼ全試合でビデオ審判が置かれることになっているはずなのだけど、この試合はどうだったのだろう。まあ、オロモウツが勝ったから問題はない。

 昨日の夜の時点で、プラハの保健所の指示でチーム全体が活動停止に入ることが決まったようなことが言われていた、4人もの陽性者を選手から出したボヘミアンズだが、チェコテレビも、放送予定だったカードを変更することを発表した後で、サッカー協会と保健所の話し合いがあったのか、再度検査を行って全員陰性だったら、試合が行われることになった。
 ボヘミアンズのほうはその二回目の検査で全員陰性という結果が出て、明日の試合が行なわれるのは確実化と思われたのだが、今度は対戦相手のムラダー・ボレスラフでも陽性の選手がいたことが明らかになった。こちらも再度全員の検査を行って、その結果で最終的に試合開催の是非を決めることになるようだが、チェコテレビでは、再度予定を変更して、当初の予定通りボヘミアンズとボレスラフの試合を放送することになっている。

 さらに日曜日に試合を行うことになっているチームの中で、バニーク・オストラバと、チェスケー・ブデヨビツェでも検査で陽性の選手が一人ずつ出た。この二チームも土曜日中に二回目の検査を受けて、陽性だった選手を除くと全員が院生であることが確認されたため、日曜日の試合は予定通り行なわれることになっている。
 今シーズンは、いつもより2チーム多くて、全部で18チームのうち、すでに7チームが感染者を出している。昨シーズン末のカルビナーとオパバを入れれば、半数の9チームになる。週に一回以上のペースで全員検査をしていれば、間違いも含めて陽性になる選手は今後も出続けるに違いない。十二月半ばの中断前までに、感染者ゼロというチームが残っているだろうか。2部のチームやアイスホッケーのチームでも感染者が出ているところがあるし、試合の内容や結果よりも、開催されるかどうかが気になってしまう。

 今日は午後からは自転車のロードレースのチェコ選手権(スロバキアと共催)を見ていたのだが、来週から始まるツール・ド・フランスでは、感染選手が二人出た時点でチーム全体が出場を禁止されることになっているなんてことを言っていた。ツールへの出場が決まっているクロイツィグルとサガンは、感染の危険を減らすためにチームから出場を禁止されたのだとか。全チーム最後まで走りとおせるといいのだけど、むずかしいだろうなあ。
2020年8月23日10時。











2020年08月24日

武漢風邪オロモウツでも(八月廿一日)



 スラビア・プラハの選手に陽性者が出て、リーグ戦の開幕がどうなるか心配されたチェコのサッカーリーグだが、スラビアに関しては、陽性者が出たときの対応のルールが変更され、他の選手やチームスタッフが二度目の検査で全員陰性だったことで、問題なく開幕戦に出場できることになった。

 それが、今週に入って試合のある週に義務付けられている選手、スタッフの全員検査で、プルゼニュの選手から一人、陽性が出てしまった。厚生省の感染地図でも最近プルゼニュとその近辺で、新規の感染者の数が増えているから、その中に巻き込まれたのかもしれない。それで、その選手をチームから隔離して、自宅監禁状態にしてお仕舞というわけにはいかず、再度全員の検査が行われた。
 その結果、選手は全員陰性だったけど、チームスタッフの中に陽性になった人が一人出てしまった。監督やコーチのような直接選手たちを指導する役割の人ではないようだが、これで問題なく出場できるとはいかなくなった。プルゼニュにとっては、リーグの開幕戦はともかく、来週半ばにチャンピオンズリーグの予選が控えていることもあって、チーム全体が隔離されて活動停止に追い込まれるというのは、何としても避けたかったはずである。
 それで、今日また、陽性者を除く全員の検査が行われた。どうも、全員陰性の結果が出るまで、陽性者を除いて検査を繰り返すというのが、チェコのスポーツ界の方針のようである。今週に入って三回目の検査で、ようやく全員陰性となり、今日のオパバとの開幕戦が実施されることが決まった。当然来週のオランダでのアルクマールとの試合も問題なく開催されるはずである。ただし、来週末の第2節の試合に向けては、来週また検査を受けることになる。これだけ繰り返し検査を受ける選手も大変である。環境保護主義者たちが、資源の無駄遣いとか言って批判しないものかね。

 とまれ、プルゼニュはこれで何とか落ち着いたのだが、今日になってオロモウツでも陽性者が出たことが明らかになった。選手一人とチームスタッフ二人の合計三人が陽性ということで、チームを離れて自宅監禁状態に置かれているという。そしてこちらも当然、二回目の全員検査が行われて、その結果次第では、オロモウツで予定されているリベレツとの開幕戦は延期ということになる。
 個人的には、開幕の試合よりも、選手の間に流行が広がっていることが明らかになった場合に、オロモウツのスタジアムで9月上旬に行われることになっている代表の試合がどうなるかが気になる。まだ時間もあるし、スタジアムを徹底的に消毒して開催ということになるのかな。一番いいのは二回目の検査で全員陰性となって、無事にリベレツとの試合が行われることではあるけど。
 最初に感染が発覚したスラビアの選手も含めて、リーグ開幕前に感染が明らかになった選手とチームスタッフは全員無症状だというから、そこまで念入りに検査しなくてもいいような気もする。感染症の専門家の中には、現状では全員検査なんて検査の精度の問題もあるから無駄で、発熱などの症状のある人だけ検査すれば十分だなんてことを言っている人もいるし。

 ここにあげたチェコのチーム以上に困ったことになっているのが、スロバキアのスロバン・ブラチスラバである。チャンピオンズリーグの予選一回戦でフェロー諸島のチームと対戦することになったのだが、フェロー諸島に送り出したチームの選手の中から陽性者が一人出たのである。この結果を受けてフェロー諸島側が、行政も巻き込んで試合の開催を拒否した。
 試合が開催できない場合には、原因となったチームが不戦敗になるという規則があって、今年のチャンピンズリーグの予選は、少なくとも一回戦は、一試合で勝ち抜けと敗退が決まるので、中止にするわけにはいかないスロバン側は、陰性の選手だけでUEFAの規定する最低の選手数は満たしているから、開催には何の問題もないと主張していた。それに対しては、検査受けてから結果が出るまでの間に、禁止されているのにホテルを出た選手がいるというのが問題にされていた。
 それで、結局はUEFAが仲裁に乗り出し、当初水曜日の予定だった試合を金曜日に延期することが決まった。それに加えてスロバン側には、フェロー諸島にいる選手の出場が認められず、スロバキアに残っている選手たちを呼び寄せて出場させることが求められた。この決定に至った理由についてはよくわからない。

 そして木曜日に、Bチームの選手も含めて新たな選手たちと代理監督がフェロー諸島に到着したのだが、出発前の検査では全員陰性の結果が出ていたにもかかわらず、到着後の検査で一人の選手が陽性になってしまった。これでまたチーム全体が滞在先のホテルに隔離されることになり、試合の開催はできなくなった。スロバン側は、UEFAの基準に基づけば問題なく試合ができるはずなのに、フェロー諸島側が、試合を開催させないために全力を上げていると批判している。フェロー諸島の感染対策にUEFAが口を挟むことはありえないから、このまま没収試合になって、スロバンの0−3での敗退が決まることになりそうだ。
 救いは、敗退してもヨーロッパリーグの予選にまわることか。国別のポイントランキングでも、今年は特例で1試合で勝ちぬけが決まった場合には、勝ったチームに1.5、負けたチームに0.5ポイントがあたえられることになっているようだ。もちろん、90分で引き分けの場合には1点ずつで延長で勝ちぬけが決まるわけだけど、チェコから出場するチームが0ポイントで敗退するというたまにある最悪の事態は避けられるということだ。

 なんてことを書いた後で、シグマオロモウツの二回目の検査は全員陰性におわって、明日の試合は予定通り開催することが決まったというニュースが入ってきた。同時にボヘミアンズプラハで4人の選手が陽性になるというこれまでで最大の感染が発生した結果、チーム全体が五日間の隔離状態に置かれることになり、ボヘミアンズとムラダー・ボレスラフの日曜日の試合は延期されることになりそうだという。開幕戦からこれ、先が思いやられる話である。
2020年8月21日21時。












2020年08月16日

スラビア・プラハ間に合うか(八月十三日)



 気がつけば八月も半ば、例年より一ヶ月遅いサッカーリーグの開幕まで、あと二週間をきったところで、ちょっとばかり衝撃的なニュースが入ってきた。オーストリアでシーズン前のキャンプを行い、練習試合もこなしていたスラビアが、キャンプを打ち切ってチェコに帰国したというのだ。その原因は言うまでもなく武漢風邪で、一人の選手が検査で陽性が確認されたらしい。
 これで、スラビアはAチーム全体が、隔離状態におかれることになり、活動を停止している。隔離が解除されるのは、現在のルールに基づけば、リーグの開幕の後、スラビアの試合が予定されている日の翌日24日ということになっている。月曜日に試合をすることもあるとはいえ、この日から活動を再開できるのか、この日まで活動できないのかはよくわからないし、選手たちが自宅でできる練習には限りがある以上、即日試合というのは現実的ではなかろう。

 現状ではチェスケー・ブデヨビツェで行われる試合は延期ということになりそうだが、現在の感染状況、感染者が急速に増え続ける一方で、重症化する人がほとんどいない状況で、今回のスラビアの場合のように、感染者が出た時点でチーム全体を二週間も隔離すると、リーグ戦がまともに開催できなくなる可能性も高い。それで、スポーツとは直接関係のないところだけれども、すでにヨーロッパの国の中には、入国の際に求められる隔離期間を二週間から十日間に短縮するところも出てきているから、隔離期間を短縮することも可能じゃないかという意見も出てきている。

 隔離する、しないに関しては、結構政治的な判断が働いていて、EU内で国境の開放が進んだ後、初めてチェコからの観光客に対して検査陰性か、隔離を導入しようとしたスロベニアも、政治的な交渉で基準を緩めていたし、最近もギリシャの保健所がチェコからの観光客に規制をかけようとしたのを、バビシュ首相がギリシャの首相と直接交渉して、撤回させたなんてことがあった。これも、現在の武漢風邪が重症化しにくいという認識の下に行われていることだろう。日本みたいに感染者をゼロにしろと大騒ぎする人たちは、まともに相手にされていないしさ。

 それはともかく、現状のシステムではリーグがまともに開催できないのは、サッカーだけではない。ということで、チェコのスポーツ紙では、ある疫学者の意見を紹介している。それによれば、清潔な生活をしていれば、仮にウィルスと接触しても体内に入る量が少ないため、軽症、もしくは無症状で終わる可能性が高いことが判明しつつあるのだから、一人でも陽性の選手がいたら、チーム全体が隔離されるというのは無駄で、陽性判定がでた選手だけ隔離して、他の選手はそのまま活動を続けるという、イングランドでも導入されている制度の方がいいだろうという。
 また隔離期間が二週間で、その終わりに確認のための検査をすることについても長すぎると主張し、これまでわかっている感染症の特徴からいえば、隔離は五日で十分だと言っている。隔離五日目で陰性だった人が、十四日目で要請になる可能性は限りなく低いのだとか。最初に安全を重視して長めに期間を取っておいて、そこから、五日というのが十分なのかどうかはともかく、状況に応じて短縮していくのはやり方としては正しいと思う。

 この人の提言が、すぐに政府に取り入れられて制度が変わるとは思えないが、試合を開催して観客をいれ放映料を獲得しないと、リーグだけでなくそれぞれのチームの経営も破綻してしまう。チェコでは恵まれているサッカーやアイスホッケーでもそうなのだから、マイナースポーツでは倒産するチームが続出しかねない。下部リーグで活動するアマチュアチームならまだいいのだ。必要とする資金の規模が小さいから自治体が公費で支援することで活動を継続できるのだから。

 この武漢風邪陽性者が出た場合にどうするかという問題は、国内リーグだけではなく、チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグの出場にもかかわってくる。現状では国によって隔離などの対応が違うはずだが、出場できないチームは、没収試合扱いで自動的に負けたことになるというルールは、どこの国のチームであるかにかかわらず一律で適用されるはずである。UEFA管轄下で行われる試合が、すべて無観客で行われるというのも、個々の国における対策には左右されない。
 個人的には、キャンプに入る前の休暇の期間に、選手たちが全員感染してしまえばよかったのにと思う。各地の老人ホームや病院などで集団感染が発生してなお、重症化する患者はきわめてまれで、入院が必要な患者も、亡くなる人も、ほとんど増えないという現状では、健康な人が感染することが予防接種の代用になるという、以前橋下氏が主張していたことを検討してもいいと思うのだけど。

 それはともかく、スラビアの試合が予定通りに行なわれるかどうかが、スポーツの種類を問わず、今年のリーグ戦が最後まで行われるかどうかの、ある意味での試金石になりそうだ。
2020年8月14日11時30分。











2020年08月10日

チェック・トゥール2020(八月七日)



 もうちょっと先かなと思っていたら、昨日始まっていた。それを知ったのは、去年までは日本のナショナルチームが出ても、アイサン工業のチームが出てもニュースにしてくれなかったシクロワイアードで初日のチームタイムトライアルの結果が記事になっていたからである。見出しが「新城幸也出場のチェコツアー開幕」だから、新城選手が出場しているから取り上げられたということなのだろう。レースのカテゴリーとしては去年と変わっていないはずだし。

 去年は、テレジア門の近くの駐車場に、ボラ・ハンスグローエのチームバスが停まっているのを見て、開始が近づいていることに気づいたのだが、今年は武漢風邪の影響で引きこもり度が高まっていて、あまり街に出ていないので気づけなかった。ボラのバスが今年も同じ場所に停まっているとは限らないけど。状況を考えると全チーム同じホテルに滞在することになっているかもしれない。
 ホームページを見ると、ウニチョフでのチームタイムトライアルで始まって、二日目がプロスチェヨフからウニチョフ、三日目がオロモウツからフリーデク・ミーステク、最終日がモヘルニツェからシュテルンベルクというコースになっている。毎年同じではなくて、少しずつ違うステージ、違うコースを走るようになっているのかな。

 シクロワイアードの記事には、同時期に「ポローニュやツール・ド・ランなどステージレースが重なって開催されるため」「UCIワールドチーム勢も含めメンバーはやや薄め」などと書かれていたが、余計なお世話というものである。今年は、去年までは最大でも2チームしか出場しなかったワールドチームが、今年は6チームも来るのである。これはメンバーが薄いのではなくて、去年までよりもはるかに厚くなったといっていい。

 その6チームは、去年も出場したボラとミッチェルトンスコットに加え、クロイツィグルが所属しているけど出場しないNTTプロサイクリング、ユンボ、サンウェブに、新城選手のバーレーン・マクラーレンである。去年は全部で十人ほど出場していた日本人選手は、今年は新城選手だけ。チェコ人選手もワールドチームからは出場なしである。
 他の出場チームは、プロチーム枠が4つで、ノルウェーのUNO-Xサイクリングと、ベルギーのスポートフラーンデレン・バロワーズ、ビンゴールWB、アルペシン・フェニックスの三チームである。アルペシンからは、交通事故での大怪我から復帰したペトル・バコチが出場するが、このレースは自分のために走れるといっているので、期待大である。

 それ以外のチームは、チェコからは名前が微妙変わったエルコフ・カスペルとナショナルチームという名の選抜チーム、オーストラリアのFelbemayr Simplon Wels、オランダのSEGレーシング・アカデミーとメテック、ルクセンブルクのレオパード・プロサイクリング、ドイツのロト・ケムハウスとMaloja Pushbikers、スイスのスイス・レーシング・アカデミー、スロベニアのアドリア・モバイル、ポーランドのVoster ATSの、全部合わせて21チームが出場する。
 自転車のロードレースのチームは、スポンサーの変更と共にチーム名がころころ変わるので、この中に、いくつこれまでのチェック・トゥール、もしくはチェック・サイクリング・トゥールに出場したことがあるチームがあるかはよくわからない。今年これだけワールドチームが集まったのは、武漢風邪でレースの中止や延期が相次いでいるからかもしれない。来年も同じぐらいのチームが集まって、来年こそは所属するチェコ人選手が出場して優勝してくれると地元の人間としては嬉しい。

 そして、今年のレース結果をシクロワイアードが毎日記事にしてくれることと、来年以降も、新城選手が出場しない場合でも報道してくれることを願っておこう。アイサンチームに続く日本チームの出場も期待したいところだけど、武漢風邪が完全に収まるまでは難しそうである。収まってもまた4中国から新しい感染症が世界に放たれるかもしれないけどさ。100年前のスペイン風邪も実はスペインではなく中国が原産地らしいし。
2020年8月7日23時。












2020年08月08日

サッカーリーグ来シーズンの予定(八月五日)



 終了したのかしないのかよくわからないまま終わってしまったチェコのサッカーリーグ一部だが、来シーズンの開幕が8月22日に決まった。例年と比べるとほぼ一ヶ月遅れということになる。結果的にシーズンが終わったのは7月の半ばのことだから、オフも一ヶ月ちょっと。例年より半月ほど短いのかな。もともとシーズンオフよりも冬の中断期間のほうが長いのがチェコで、シーズンが終了してあれこれ行事が終わったころには、新シーズンに向けたキャンプが始まっているのが普通である。今年もすでにキャンプやら練習試合やらが始まっている。

 今年は武漢風邪で最終順位が確定しなかったため、一部からの降格チームはなく、二部から2チーム昇格することで、来シーズンは全18チームでのリーグ戦となる。ここ2年行われてきた通常のリーグ戦終了後の追加部分は行われず全34節の結果で順位が争われる。秋の部は、開始が遅くなることから15節の開催で12月上旬まで行われ、春の部は例年より一月早く1月下旬に再開して、5月下旬まで行なわれる予定である。6月には延期されたヨーロッパ選手権が行われるので、それに合わせて春のシーズンの開始が早まるわけだ。
 同時に武漢風邪対策も発表され、1部リーグのチームは、各節の試合の前に試合に登録される選手、関係者の陰性の検査結果を提出することが義務付けられた。シーズン中は毎週一回検査を受けることになるわけである。この検査はチームの負担で行うことになったので、財政基盤の弱いチームの多い二部のチームに関しては、一ヶ月に一回と条件が緩和されている。実際に陽性の選手が出た場合にどんな対応をするのかは、今後保健所などと検討して決めるのだろう。陽性の選手が一人出たから試合中止なんて短絡的な決定にはならないことを望みたい。

 また、リーグの最終順位が確定しない理由となっていたリーグ規約の見直しも行われた。一試合でも欠けたら順位が確定しないというのを改め、予定された試合の50パーセント以上が開催された場合には、最終順位が確定するという形になった。事情によってチームごとに試合数が違う場合には、勝ち点の総計で決めるのではなく、一試合辺りの勝ち点に換算して順位を決めることになるようだ。

 ただし、リーグ全体で50パーセント以上の試合を消化して順位が決定した場合でも、半分以上の、つまり来シーズンは17以上の試合を消化していないチームは、優勝できないことになっている。これはチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの出場権も同様で、試合数の少なすぎるチームが有利にならないように配慮されている。
 その一方で、下位に沈んだチームは試合数が半分を超えていなくても降格するというルールになっている。これは、降格しそうなチームが意図的に感染者を出して試合数を減らそうとするのを防ぐ目的があると考えていいだろうか。実際にするかどうかはともかくとして、今年もカルビナーが疑われたように、チェコのチームだからそれぐらいやってもおかしくないと、お互いに疑い合っているのだろう。

 チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグがどうなるかという問題もあるし、この異常事態はまだまだ続いていくのだろう。ただ、毎週サッカーなどのスポーツが行われているという事実が、ファンのみならず人々の心の安寧に多少なりとも役立っているわけだから何とか中断なんてことなしに、リーグが開催されることを願っている。そして、チェコでは、もう一つの人気スポーツ、アイスホッケーはちょっと特殊なリーグなので、サッカーが他のスポーツの基準になるところがある。言い換えればサッカーですら開催できなかったら、他のスポーツでリーグ戦など行えるわけがない。だから、サッカーには多少の無理はしてでもリーグを中断せずに開催し続けてもらいたい。ハンドボールの試合をテレビで見るためにもさ。
2020年8月6日12時。










2020年08月03日

トマーシュ・ソウチェク(七月卅一日)



 これまでチェコのサッカー選手が国内のチームから国外に移籍した際に支払われた、いわゆる移籍金の記録を持っていたのは、2001年にスパルタからドイツのドルトムントに移籍したトマーシュロシツキーで、その金額は約5億コルナだったとされる。二番目は、数年前に中国に移籍したドチカルと去年ロシアに行ったクラールに超えられるまでは、バロシュがオストラバからリバプールに移籍したときの約1億9千万コルナだったから、ロシツキーの突出ぶりがわかるだろう。

 そのロシツキーの記録が約20年の時を経て更新された。更新したのはスラビアからイングランドのウェスト・ハムに移籍したトマーシュ・ソウチェクである。ソウチェクはまず今年の冬にオプション付きの半年のレンタルで移籍し、スラビアに1億1千万コルナほどの移籍金をもたらした。レンタルになったのはウェスト・ハムに二部降格の可能性があったためで、一部残留が決定すれば自動的に完全移籍に移行する契約だったと言われている。
 それで、ウェスト・ハムが16位で残留を決めたことで、ソウチェクの移籍も確定した。追加で支払われる移籍金が約4億3千万コルナで、レンタルの分と合わせて5億4千万ほどとなり、ソウチェクは、貨幣価値や為替の変動などを無視すれば、チェコリーグから最高額で国外に移籍した選手となった。ロシアや中国のような移籍金が数割高くなる傾向のあるリーグではなく、イングランドへの移籍でロシツキーを越えたことがソウチェクへの評価と期待の高さを表している。

 チェコサッカーのファンとして嬉しいのは、ソウチェクが高額で移籍したことではなく、降格の危機にさらされていたウェスト・ハムに移籍したソウチェクが中心選手として残留に貢献し、自身の活躍で完全移籍を勝ち取ったことである。
 一月の移籍直後から先発メンバーとして出場はしていたが、武漢風邪での中断までは、怪我もあってスラビア時代ほどの活躍はしていなかった。それが、中断開け以後は、完全にチームの中心選手として中盤を支配し、時には攻撃にも参加し重要なゴールを決めて、チームを残留に導いていた。スラビア時代のいいときと同様、どこにでもソウチェクがいるという状態だったようだ。
 自国の選手について過大に評価し報道してしまうのは、日本のマスコミほどひどくはないけれどもチェコでもないわけではない。だから、チェコでの報道は多少眉につばをつけておく必要はあるが、ソウチェクなしでは、ウェスト・ハムの残留は難しかったのではないかという印象を受けた。話半分に聞くにしても、監督やファンたちの評価も高いようである。

 最近、イングランドに移籍して成功を収めたチェコ人選手が出ていなかったからソウチェクも心配していたのだが、代表のことを考えても一安心である。カラスも、スカラークも、ビドラも、ゲツォフも、みんなみんな期待されていたのに、尸累々で代、表の戦力にならなくなった選手も多い。アーセナルに行ったロシツキーも怪我ばかりで本来の実力を発揮できたとはいえないしさ。
 ウェスト・ハムのチェコ人選手というと、1990年代に活躍したキーパーのルデク・ミクロシュコと、2000年代の初めのトマーシュ・ジェプカの二人の名前が挙がる。この二人は在籍期間も長く大成功を収めたと言えるが、ジェプカ以降は、ラシュトゥーフカとミコランダという在籍しただけという選手もいて、多少なりとも活躍したのはコバーチぐらいである。

 ソウチェクの活躍に味を占めたというわけではないのだろうが、ウェスト・ハムでは二匹目のドジョウとばかりに、スラビアの選手の獲得を考えているらしい。名前が挙がっているのはツォウファルとマソプストだという。ツォウファルはディフェンスの選手だからそれなりに期待できそうだけど、マソプストはどうかなあ。スピードはあるけどミスも多いし。どちらの選手が移籍したとしてもソウチェクの存在は大きな力になるに違いない。
 今回の移籍にはちょっといい話もあって、出身地で最初に所属したハブリーチクーフ・ブロトのチームに、今回スラビアに入る移籍金の10パーセントが支払われることになるらしい。その額はチームの年間予算の10倍になるというから、地方の財政難に苦しみ自治体の支援を受けている弱小クラブにとっては恵みの雨のようなものである。

 ソウチェクには、今後もイングランドだけでなく代表でも活躍が期待できそうだ。9月にはオロモウツで代表の試合があるからソウチェクも来るはずだ。たた、無観客試合になることが決まっているので観戦することはできないけどさ。
2020年7月31日23時30分。











2020年08月02日

サッカー界の武漢風邪騒動終わらず(八月朔日)



 今シーズンのチェコのサッカーリーグは、三部以下のアマチュアが中心のリーグは早々に中止が決まり、二部は中断があけた後、トシネツチームの感染者発生という問題を乗り越えて何とか最後までリーグが行われたが、一部は、カルビナーの感染者発生で再中断し、再度再開しようという日にオパバで感染者が出て、順位が確定しないままリーグ戦が終了した。

 これで終われば平和だったのだが、それではチェコではない。カルビナーのチームで陽性が判明してリーグが再中断に追い込まれたときには、降格を逃れるために意図的に感染させたんじゃないかという億節が流れたが、今回はモラビアシレジア地方の保健所からオパバチームで発生した患者についての情報を入手したチェコサッカー協会か、リーグ協会が、武漢風邪対策におけるルールを破った可能性があるとして、規律委員会にかけることを発表した。
 感染者を出したことが咎められているのではなく、対策が不十分だった、もしくは決められた対応を取らなかったことが咎められているようである。考えられるとすれば、体調を崩して感染が判明した選手が検査前に練習に参加したことが問題にされているのだろうか。その結果、チーム全体が隔離、自宅待機状態におかれることになり、リーグは6試合を残して未完のまま終了することになったわけだし。ただ体調のおかしくなった日の練習に参加していなかった場合に、チーム全体の隔離が回避できたとも思えない。

 オパバのチームの側では、当然この疑惑を否定しており、協会がかけた嫌疑のネタもとになったモラビアシレジア地方の保健所の関係者も、当の選手が当初練習中に感じていたのが疲労感で、それが練習による疲労感と区別できるものではないこと、実際に発熱などの症状が出た後は即座にチーム側の指導で医者と連絡を取って検査を受けていることから、チームと選手がこれ以上のことができたとは思えないというコメントを出している。

 カルビナーの疑惑のときにも思ったのだが、協会としてはリーグが完結できなかった責任を誰かに押し付けたいのではないかとすら思えてくる。チェコ語でいうところの「熱いジャガイモの投げ合いと」いう奴である。感染者がでてリーグが完結しなかったことに関しては協会には責任はない。協会が責められるとしたら、リーグが全試合行われなかった場合どうするかについて、誰もが納得するようなルールがなかったことだろうけど、前代未聞の今年の状況では、これも責められることではなかろう。
 規律委員会でのオパバの審議は来週行われるらしいが、罪ありと認められた場合には、最大で1千万コルナを超える罰金と、15点の勝ち点の剥奪が待っているようだ。オパバのような地方の弱小チームには、罰金もきついし、勝ち点の剥奪もこれが来シーズンに適応されるのであれば、降格チームも増えるし、残留の可能性を極めて低くすることになりそうだ。最終的にはお咎めなしということでけりがつきそうな気はするけどね。

 武漢風邪で大変なことになっているのはサッカー界だけではなく、3月の時点で、始まっていたプレーオフを中断してシーズンの打ち切りを決めたアイスホッケーでは、すでに来シーズンに向けたキャンプが始まっているチームもあるのだが、どこぞのチームでは感染者が出てキャンプが中止になったという話もあるし、二部のホモウトフは武漢風邪騒動による収入の減少もあって経営が破綻し、来シーズンはプロチームを解散してアマチュアレベルのリーグに参戦することを決めている。以前から財政的に苦しんでいたチームは、選手側と給料の未払い分の減額の交渉をしていたようだが、合意に至らなかったようだ。現在の経済状況でホモウトフの代わりに三部からあがってくるチームはあるのかね。

 来年に延期されたオリンピックの開催もどうなるかわからないし、スポーツ界の混乱はまだまだ続きそうである。スポーツが日常的に行われるというのは、人々の心の余裕にもつながるから、できるだけ早く元に戻ってほしいところではある。オリンピックはもう廃止でもいいけどさ。
2020年8月1日24時。












2020年07月26日

サッカーリーグ結局中断(七月廿三日)



 予定通りであれば、今日からサッカーの一部リーグ追加編残留争いの部が、「再び」再開されるはずだったのだが、直前になって無期限延期が決まった。この段階で延期ということは、事実上開催の断念ということで、これで今シーズンのリーグ戦は、2節6試合を残したまま終了である。その結果、最終順位が確定しないという変なことになってしまった。何でもリーグの規則に、1試合でも開催できない試合があった場合には、リーグ戦が完全に成立したとはみなされず、順位も確定しないと書かれているらしいのである。
 ただし、優勝やヨーロッパのカップ戦の出場権などは、「確定していない」最終順位を元に獲得したものが有効になるという。だから、優勝はスラビア、チャンピオンズリーグの予選に出るのはスラビアと暫定2位のプルゼニュ。ヨーロッパリーグはMOLカップ優勝のスパルタ、暫定4位のヤブロネツ、5位でムラダー・ボレスラフとの出場権決定戦に勝利したリベレツの3チームということになる。

 一方で、最後まで試合が行なわれなかったことで今シーズンは1部から2部への降格チームはなしということになり、救われたのは、暫定14位のカルビナーと、15位のオパバ、最下位のプシーブラムである。2部からは優勝のパルドルビツェと2位のブルノが昇格し、来シーズンは18チームで一部が行われる。残念ながら3位のドゥクラは昇格の権利を失った。もともと2部で3位のチームが無条件で昇格するというのには、疑問の声も、特に現場から上がっていたから、最終的には一番穏当な形に落ち着いたと言ってもいいだろう。
 個人的には、7位から10位のチームは、ヨーロッパリーグの出場権をかけて、追加のリーグ戦ではなく、プレーオフ形式で試合をして、本来のリーグ戦の順位が、勝ち点の関係ない形でがたがたになるのだから、最後まで試合が終わった部分は順位を確定させてもいいと思うんだけどね。1位から10位までは順位確定で、11位以下は暫定の順位表じゃ駄目なのだろうか。

 さて、今回の再再度のリーグ戦中断の原因もまた武漢風邪である。前回はカルビナーのチームで感染者が出たのだが、今回はオパバの選手が一人陽性だと判定されてしまった。その結果が判明したのが試合の当日で、地方の保健所による発表が試合開始の直前だったという。それで、オパバの試合だけでなく、予定されていた3試合がすべて延期、実質的には中止になってしまった。
 オパバチームの関係者の話では、陽性の判定が出たのはチーム全体の検査の結果ではなく、練習後に帰宅して体調不良を訴えた選手に、念のために検査を受けに行かせたら、陽性だったという。それで、オパバはチーム全体が二週間の隔離状態、もしくは自宅監禁状態におかれることになり、8月2日までの試合の開催が完全に不可能になってしまったのである。幸いなことに陽性の判定を受けた選手は症状はあるものの入院するほどではないようだ。

 この状況に最後までリーグ戦を完結することにこだわっていたリーグ協会もさすがにあきらめて、上に書いたような決定をしたわけである。気になるのは、チェコだけではないけれども、サッカーのプロリーグをかなり無理をして最後まで終わらせようとする理由として、ニュースなどではスポンサーの存在、正確にはスポンサーとの契約内容が挙げられることが多いことだ。
 リーグが最後まで行われなかったり、開催試合数が減ったりした場合にペナルティが科されるか、スポンサー料が減額されるなんて契約になっているのだろうか。ただ、この武漢風邪の蔓延に世界が苦しんでいる中で、それが理由で試合ができないことを理由にスポンサー料を減額するなんてのは、スポンサーになることが広告の意味を持っていることを考えると、逆効果のような気もする。ここでリーグ戦が完結しなくても所定の金額を払うと発表するとイメージは凄くよくなるんじゃないかな。

 チェコの場合には、1部と2部のリーグのメインスポンサーが、賭けの会社で試合数が減ることは、そのまま儲けが減ることにつながるから、試合数は減らしたくないと考えるのもわからなくはない。昨シーズンから通常のリーグ戦に加えて、追加の部分を設けたのも、試合数を増やすことも目的の一つだったはずだし。まあ、サッカー協会もリーグ協会もスポンサーの問題でリーグ戦を最後まで実施する必要があるとは発言はしていないから憶測でしかないのだけど。
2020年7月24日15時。











2020年07月20日

サッカーリーグの行方(七月十七日)



 チェコで最大の武漢風邪流行地となっているカルビナーの状況は、一時期に比べると新規の患者の数も減って落ち着きつつある。感染者が確認されてチーム全体が隔離状態、より正確には外出禁止状態に置かれていたカルビナーのサッカーチームの検査も、水曜日に行われ木曜日に関係者全員が陰性であることが確認された。
 これで、リーグ戦追加残留争いの部の残り二試合と、二部のチームとの入れ替え戦が予定通り行われることになるかと思ったら、そんなことはなかった。今日行われた一部と二部の計16チームが参加するプロリーグ協会(仮訳)の総会で最終決定がなされ、入れ替え戦が中止されることが決まった。入れ替え戦を行った場合、一部の14位と15位のチームは、10日の間に4試合というスケジュールを強いられることになり、リーグ戦終了後二週間の準備期間を経て入れ替え戦に望む二部のチームに対して不利になりすぎるという意見に配慮した結果である。

 同時に二部のチームの優勝チームだけしか昇格できないことに対する不満に配慮して、来シーズンは一部は18チームで行い、去年から始まったリーグ戦終了後の優勝などを決めるための追加リーグは中止されることが決まった。二部は2チーム減って14チームで行われることになる。個々まで聞いた時点では、一部からの降格チームはなしで、二部から2チーム昇格するという、以前ヤブロネツのラダ監督が提唱していたモデルになるものと思っていたのだが、ちょっと違った。
 残留争いリーグが残り2節を開催することができて最終的な結果が確定した場合には、一部の最下位のチームが降格し、二部からは上位3チームが昇格し、何らかの事情で最終的な結果が確定しない場合には、一部からのこう降格はなしで、二部からは上位2チームが昇格することになっている。ということは、二部優勝のパルドルビツェと2位に入ったブルノの昇格は決定というわけである。問題は3位のドゥクラで、現時点では、約一ヵ月後に始まる来シーズン、どちらのリーグでプレーするのか未定ということになっている。

 残留争いリーグの公平性についても疑義が呈されている。すでに残留を確定させたオロモウツ、テプリツェ、ズリーンの3チームは、カルビナーの武漢風邪での中断期間は選手たちに休暇を与えていたという。最下位だけは逃れたい3チームのうち、オパバとプシーブラムは、練習を継続していて中断期間を残り2節のための調整と準備に当てることができたのに対して、カルビナーはチーム全体での練習はもちろん、個別の練習もできない状態だったので個々の選手のコンディションも、チーム全体のコンディションも落ちている可能性が高い。
 現在の勝ち点ではカルビナーが、オパバとプシーブラムに2点の差をつけていて有利だが、日程的には最終節でカルビナーとプシーブラムの直接対決があることを考えると、残り二試合とも勝つ必要のないチームと対戦するオパバが有利だとも言える。モラビアの人間としては、ボヘミアのチームよりはシレジアのチームに残ってほしいと思うので、プシーブラムの最下位を希望するのだけど、今年のリーグの状況で降格チームが出るというのが正しいのか疑問である。

 ヤブロネツのラダ監督は、一部からの降格をなしにして、二部の2位と3位で昇格のためのプレーオフをやって、2チーム昇格ということにするのが一番いいと語っていたけれども、その通りである。これが不満に思うチームや選手が一番少なくなる方法だと思うのだけど、リーグ協会としては降格チームを出したいようだ。

 ちなみに来シーズンは、一部から下位3チームが降格して、二部からは優勝チームだけが昇格することになっている。それで来々シーズンはまた通常の16チームに戻して、優勝決定などの追加リーグも開催する予定なのだろう。二部のチームの中には来シーズンの昇格チームが一つになることを嫌って、反対票を投じたチームもあったようだ。オロモウツも反対票を投じたようだが、最終的には、30チーム中、27チームという大多数の賛成で入れ替え戦の中止と、上に書いたような降格、昇格の条件が決定された。

 来年のことを言うと鬼が笑うけれども、来シーズンは今シーズンとは違って、中国に迷惑をかけられることがないように祈っておこう。それにしても最近の中国は世界の迷惑でしかないよなあ。安価な労働力と巨大な市場を目当てに、ちやほやした日本やEUを初めとした世界各国の罪も大きいんだろうけどさ。
2020年7月17日24時。












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