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2020年08月02日

サッカー界の武漢風邪騒動終わらず(八月朔日)



 今シーズンのチェコのサッカーリーグは、三部以下のアマチュアが中心のリーグは早々に中止が決まり、二部は中断があけた後、トシネツチームの感染者発生という問題を乗り越えて何とか最後までリーグが行われたが、一部は、カルビナーの感染者発生で再中断し、再度再開しようという日にオパバで感染者が出て、順位が確定しないままリーグ戦が終了した。

 これで終われば平和だったのだが、それではチェコではない。カルビナーのチームで陽性が判明してリーグが再中断に追い込まれたときには、降格を逃れるために意図的に感染させたんじゃないかという億節が流れたが、今回はモラビアシレジア地方の保健所からオパバチームで発生した患者についての情報を入手したチェコサッカー協会か、リーグ協会が、武漢風邪対策におけるルールを破った可能性があるとして、規律委員会にかけることを発表した。
 感染者を出したことが咎められているのではなく、対策が不十分だった、もしくは決められた対応を取らなかったことが咎められているようである。考えられるとすれば、体調を崩して感染が判明した選手が検査前に練習に参加したことが問題にされているのだろうか。その結果、チーム全体が隔離、自宅待機状態におかれることになり、リーグは6試合を残して未完のまま終了することになったわけだし。ただ体調のおかしくなった日の練習に参加していなかった場合に、チーム全体の隔離が回避できたとも思えない。

 オパバのチームの側では、当然この疑惑を否定しており、協会がかけた嫌疑のネタもとになったモラビアシレジア地方の保健所の関係者も、当の選手が当初練習中に感じていたのが疲労感で、それが練習による疲労感と区別できるものではないこと、実際に発熱などの症状が出た後は即座にチーム側の指導で医者と連絡を取って検査を受けていることから、チームと選手がこれ以上のことができたとは思えないというコメントを出している。

 カルビナーの疑惑のときにも思ったのだが、協会としてはリーグが完結できなかった責任を誰かに押し付けたいのではないかとすら思えてくる。チェコ語でいうところの「熱いジャガイモの投げ合いと」いう奴である。感染者がでてリーグが完結しなかったことに関しては協会には責任はない。協会が責められるとしたら、リーグが全試合行われなかった場合どうするかについて、誰もが納得するようなルールがなかったことだろうけど、前代未聞の今年の状況では、これも責められることではなかろう。
 規律委員会でのオパバの審議は来週行われるらしいが、罪ありと認められた場合には、最大で1千万コルナを超える罰金と、15点の勝ち点の剥奪が待っているようだ。オパバのような地方の弱小チームには、罰金もきついし、勝ち点の剥奪もこれが来シーズンに適応されるのであれば、降格チームも増えるし、残留の可能性を極めて低くすることになりそうだ。最終的にはお咎めなしということでけりがつきそうな気はするけどね。

 武漢風邪で大変なことになっているのはサッカー界だけではなく、3月の時点で、始まっていたプレーオフを中断してシーズンの打ち切りを決めたアイスホッケーでは、すでに来シーズンに向けたキャンプが始まっているチームもあるのだが、どこぞのチームでは感染者が出てキャンプが中止になったという話もあるし、二部のホモウトフは武漢風邪騒動による収入の減少もあって経営が破綻し、来シーズンはプロチームを解散してアマチュアレベルのリーグに参戦することを決めている。以前から財政的に苦しんでいたチームは、選手側と給料の未払い分の減額の交渉をしていたようだが、合意に至らなかったようだ。現在の経済状況でホモウトフの代わりに三部からあがってくるチームはあるのかね。

 来年に延期されたオリンピックの開催もどうなるかわからないし、スポーツ界の混乱はまだまだ続きそうである。スポーツが日常的に行われるというのは、人々の心の余裕にもつながるから、できるだけ早く元に戻ってほしいところではある。オリンピックはもう廃止でもいいけどさ。
2020年8月1日24時。












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