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2018年06月14日

『物語を忘れた外国語』後1(六月十三日)



物語を忘れた外国語 [ 黒田 龍之助 ]





 外国語の勉強に物語を読むことを薦める本だけに、さまざまな外国語から、もしくは外国語に翻訳された作品が紹介される。冒頭の「はじめに」からして、「ライ麦畑の語学教師」という副題がついているし、これって『ライ麦畑でつかまえて』が元ねただよなあと思っていたら本文には出てこなかったような気がする。サリンジャーは……、読んでないなあ。そもそもアメリカ文学で読んだのはハヤカワのSFにファンタジー、それに一部のミステリーを除けば、ヘミングウェイぐらいなのだ。『トム・ソーヤ』は読んだけど、あれは子供向けにリライトされたものだったと思う。カポーティの『冷血』とか、題名には引かれたのだけど……。
 第一章では意外なことに横溝正史が取り上げられている。映画を見てストーリーをよく知っている『犬神家の一族』を英語で読むというのである。横溝作品の英語訳はこれ一冊だけで、フランス語への翻訳の方が多いというのにはちょっと驚いた。あのおどろおどろしさはフランスのほうが受けるのだろうか。さらに驚きなのは、じゃあフランス語で読むかと書けてしまう師の語学力なのだけど。

 翻訳について触れられる前に、英語字幕付きのDVDがあればいいのにということも書かれれているが、日本の映画を外国語の字幕つきで見るのは結構辛い。見るだけなら辛くはないけど、それで勉強しようなんて考えると大変である。チェコテレビが日本の映画を放送するときは、子供向けのアニメ以外はチェコ語の字幕付きである。それで何度かチェコ語の勉強のために、日本語のせりふを聞きながら字幕を読んでみるかと挑戦したことがある。あるんだけどうまくいかなかった。
 原因はいくつかあって、一つは字幕を読むのに時間がかかりすぎて、読んで理解する前に次の字幕が出てしまうこと。次は字幕を読むのに集中していると、役者の台詞が耳を通り抜けてしまうこと、これは同時通訳ができない理由の一つでもある。それに字幕しか見なくなるので画面で何が起こっているのかわからなくなるなんてこともあったなあ。

 チェコテレビで放送されるのは古いモノクロの映画で音質が悪かったり、最近のでも藤沢周平原作で方言が使われていたりで、集中して聞いていないと日本語でも何を言っているのかわからないことも多いので、字幕なんか読んでいる余裕がないと言うのもある。短い台詞だけならいいけど、長くなってくると対応しきれなくなる。
 だから、字幕付きの映画を語学の勉強の役に立てようとしたら、目と耳でそれぞれ別のことに集中するような訓練が必要なのかもしれない。同時通訳ともなるとそれに口まで必要になるから、事前に原稿があって準備が完璧にできていない限り自分にやれるとは思えない。昔は勉強のときには、時代の例に漏れず「ながら勉強」で、音楽やラジオを聞きながら勉強していたのだけど、本当に集中して勉強できたときには、音楽やラジオの番組は耳には入ってこず、勉強が一息ついたら聞いていたはずのCDやラジオ番組が終わっていたなんてことが多かった。そんな一点集中しかできない人間には、同時に二つ三つのことに集中するなんて難しすぎる。日本語を聞きながらチェコ語の字幕を読んでいるだけでも、すぐに頭が痛くなってしまうのである。

 語学を勉強するに当たって、外国語のニュースを見るのが最高の勉強になると主張する人がたまにいるが、あまり信じないほうがいい。特に語彙もたりず、周辺情報も足りない初学の頃には、一時間のニュースを見て一本もまともに理解できないなんてこともよくあった。ニュースは近くにわからない言葉を説明してくれる人がいる状態で見ないと、あまり役に立たないのである。わからなかったらつまらないから見る気もなくなるし。
 その点、師の勧める映画やドラマを見るというのは、字幕が付いていなくても、ストーリーがぜんぜんわからなくても、こんな状況でこんな表現を使うのかという発見はあるし、わからないなりに見ていればそれなりに楽しめる。それに同じ映画を時間を置いて繰り返し見れば、理解できる部分が増えて自分の語学能力が上がったことを確認することもできる。

 本来ならば、師の言うように日本語で見た映画をチェコ語で見るというのが、ストーリーもわかっていて近道なのだろうけど、映画好き、ドラマ好きというわけではないので、日本の作品であれ外国の作品であれ、日本語で見たものをチェコ語でも見たという作品は残念ながら存在しない。イギリスのグラナダTV制作の「シャーロック・ホームズ」のシリーズは日本でも見たけど、日本で見たのは短編ばかりで、チェコでは長編しか放送されなかったから、同じものを見たとは言えないし。モグラのシリーズはしゃべらないからさ。
 そうか、チェコ映画の日本語字幕付きというのもあるのか。と思いついたはいいものの、吹き替えや字幕付きでみたチェコ映画があったかとなると、うーんである。日本のチェコ大使館で行われていたチェコ映画の上映会には、何度も通ったけれども、日本語の字幕付きなんてあったかなあ。英語の字幕付きが多くて、字幕は無視してわからないチェコ語を必死で聞いていたような記憶しかない。「シャカリー・レータ」とか「パスティ・パスティ・パスティチキ」とか、こちらに来てからはほとんど見ていない映画を見たのは覚えているのだけど……。

2018年6月13日23時40分。




犬神家の一族改版 (角川文庫) [ 横溝正史 ]










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