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2017年05月05日

ソボトカ内閣倒れる?(五月二日)



 今日は何について書こうかと考えて、最近激しくなっているソボトカ首相とバビシュ財相の対立についてでも書こうかと思いながらうちに帰ってきたら、テレビのニュースで、ソボトカ首相が内閣総辞職を決意したと言っていた。四年前のネチャス首相の辞任も唐突で無責任な政権の投げ出し方だったけれども、今回のも突然で、選挙が半年以内に行なわれることを考えると、何とも無意味な総辞職で、下院の解散総選挙を行なったほうがましである。ただ、今の時点で総選挙が行なわれるとバビシュ財相のANOが圧勝することが予想されているから、踏み切れなかったということか。
 2012年の夏にネチャス内閣が倒れ、ゼマン大統領が指名した暫定内閣も下院の承認を受けることができなかったことで、秋に行なわれた総選挙の後、2014年に成立したソボトカ内閣は、社会民主党、ANO、キリスト教民主同盟の三党からなる連立政権だった。これまでも、警察の組織再編、ダライラマとの面会問題、反バビシュ法制定などなど、連立与党内部での対立が、連立解消につながりかねない事態は何度か起こってきたが、何とか話し合いで合意に達したのか達していないのかよくわからないまま、連立は維持されてきた。

 今回、何が問題になっているかというと、またまたバビシュ財相の経済活動である。政界に進出する前の確か2011年、アグロフェルト社が、社債を発行しそれをバビシュ氏が購入した。自分が所有する企業の社債を購入するのがいいのかどうかはともかく、その社債の購入額は15億コルナという膨大な額であったらしい。
 ここから先は、何が問題になっているのか、経済に関する知識のない人間には、いまいちよくわからないので推測ばかりになってしまうのだが、最初にこの件で問題になっていたのは、この社債の購入に際して脱税があったのではないかということだった。もしくは、社債の発行、購入によって納める税金を減らしたのではないかということだった。
 これに対して、バビシュ氏はすべては社債に関する法律に基づいて処理しており、税制上何の問題もないと反論していた。しかも、最近国会でこの社債の件に関して議論が行われたときには、法律を改正しようという意見は出てこなかったのだとかいうようなことも言っていた。そのときには全く問題にしなかったのに、今になって脱税だとか言うのはおかしいと言うわけだ。
 その後、もしかしたらその前からくすぶっていたかもしれないが、バビシュ氏の資産形成に怪しいところがあるという話が出てきた。納税の際に提出した収入の額では、購入できないような額の社債を購入できたということは、所得を隠して脱税していたということではないかと疑われているようだ。バビシュ氏は、自分の納税証明書を公開すると同時に、首相ら辞任を求める人たちに、自分たちも公表しろと迫ったのだった。

 正直な話、額の多寡はともかく、この手の法律上は問題ないけれども倫理的にはどうかと言われそうな半不正に手を染めていない政治家などいるまいと思う。ソボトカ首相自身が、以前雑誌のインタビューで、国会議員に与えられる歳費を節約して家を買ったとか何とか答えていたのを覚えている。これだって、法律上は問題ないのかもしれないが、ほめられた行為ではなかろう。
 社会民主党のグロシュ首相が辞任したのも、今回のバビシュ氏と同じように、出所の怪しいお金で購入したマンションを所有していることが明らかになり、その出所を説明しきれなくなったのが原因だった。あれも無責任なやめ方だったけれども、今回のバビシュ氏の問題と比べると微々たる額だった。そうか、社会民主党にとっては、グロシュ氏の辞任の記憶も、バビシュ氏を必至になって追い詰めようとする理由の一つになっているのかもしれない。
 ソボトカ首相は、脱税の容疑で調査されているバビシュ氏が、調査の主体である財務省の大臣であるというのは許しがたいと、バビシュ氏に辞任を求めたが、拒否されたために内閣総辞職を選んだと言う。総理大臣権限で財務大臣を解任してしまうと、バビシュ氏に有権者の同情が集まってしまう可能性がある。それを避けるためには、解任はできないと言うのである。

 結局、この騒動は、すでに秋の総選挙後の主導権をめぐる争いが始まっていることを示しているのである。バビシュ氏を巡ってさまざまな金銭的なスキャンダルもどきが発覚しながらも、世論調査によるとANOへの支持率が圧倒的に高く、社会民主党は大差の二位に甘んじ続けている。このまま行けばANOが第一党になり党首のバビシュ氏が総理大臣になる可能性が高い。そんな状況を変えるために、選挙まで半年を切って、社会民主党が、いや誰にも相談せずに決めたと言っていたから、ソボトカ首相が、大きなかけに打って出たということかもしれない。
 ただ、以前も書いたが、この手のバビシュ氏を狙い撃ちにしたような法律の制定や、法律の適用は、ソボトカ氏自身が言うように、バビシュ氏への同情を集めてしまって、逆効果に終わっているように見受けられる。既成政党が既得権益を守ろうとして新参者のバビシュ氏を排斥しようとしているように見えるのだ。

 ソボトカ氏がやるべきは、バビシュ氏と同じように会社を経営していて自社の社債を購入するなんてことをした社会民主党の議員を見つけて(いなければ同じ穴の狢の市民民主党の議員でもいい)、その人物を脱税の調査の対象にして、議員辞職を迫ることである。議員が辞職すれば、バビシュ氏の往生際の悪さが浮き彫りになるし、その上でバビシュ氏に対峙すればバビシュいじめの印象を消すこともできる。
 いや、どうせ次々にぼろを出すのだから放置でもいい。そしてバビシュ氏が出したぼろに対して、同じようなことをしている身内を処罰することで、多少はバビシュ氏を追い詰めて、有権者の支持を取り戻せるのではないかと思う。実際にやったら、身内から裏切り者扱いされて、党内クーデターが起こるだろうけれども、それぐらいのことをしないと、バビシュANOの優位をひっくり返すのは難しそうだ。

 今回の決断は、ソボトカ政権の最大の長所だった安定性(閣内の対立はままあったものの、三年半近く政権を維持してきたという事実は評価されていい)が失われたということを考えると、最悪の決断だった。これで、秋の総選挙でANOが圧倒的に勝利し、単独与党で政権を獲得しバビシュ首相が誕生する可能性が高まった。そして来年は大統領選挙でANOの支持も得たミロシュ・ゼマン大統領が当選するというシナリオが現実味を帯びてきた。
 誰か、ゼマン大統領に勝てそうな候補者はいないのか。知名度が高いほうがいいから、スポーツ選手なんかどうだろうか。誰か立候補してくれないかな。

5月3日23時。






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