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2021年04月21日

嘘か真か(四月十八日)



 ペトシーチェク外務大臣を解任して、ザオラーレク氏に大臣就任を拒絶されたハマーチェク内務大臣兼暫定外務大臣は、後任の外務大臣としてクルハーネク氏を選出して、バビシュ首相を通じてゼマン大統領に任命するように依頼した後、ロシアのワクチン、スプートニクVの輸入に関する交渉のために来週の月曜日にモスクワに行くと発表した。それが、あちこちから批判をあびるようになると、当初は消極的な反対をしていたバビシュ首相が、批判に回り、最終的には内閣の重要な会議が月曜日に行われることを理由に、モスクワ行きを中止した。

 そんな状況で、昨夜のロシアのGRUによる破壊工作が明らかになって、チェコにあるロシア大使館勤務の情報部の将校を国外退去処分にするという記者会見が行われたわけである。ロシアに対する処罰として大使館職員を追放するという決定には賛同を示した野党だが、改めてハマーチェク氏がモスクワ行きを計画していたことを批判し始めた。このように重大な事実が、軍の情報部から政府に挙がってきてすぐに発表されたとは、考えられないことから、政府内でロシアに対してどのように対処するか検討している最中にロシア行きを計画したのはおかしいのではないかというのである。
 これに対してハマーチェク氏は、最初はそんなことは言っていなかったのだが、チェコがこのGRUの破壊工作を突き止めたことをロシア側に知らせないためのカモフラージュだったのだと言い出した。ロシアに知られると国外退去処分を科す前に対策を打たれると考えると一理あるような気もするけど、どこまで信用できるのかは疑問である。少なくともバビシュ首相は、このハマーチェク氏の主張を否定も肯定もしていない。

 ゼマン大統領は、オフチャーチェク広報官を通じて、現時点ではコメントせず一週間後にコメントすると発表した。その間にプーチン大統領と極秘に対応を相談するんじゃないかと思ってしまうぐらいには、ロシアと中国の代弁者と化したゼマン大統領は国民の信頼を失いつつある。チェコは大統領が直接政策を決めるわけではないから、ロシアよりの発言をしても実害はないのだが、国の一体感と言うものは損なわれる。いや、そもそもそんなものはないから問題ないか。

 チェコが18人の大使館職員を国外退去処分にしたのに対して、ロシアは報復として、20人のチェコ大使館の職員を国外追放することを通達してきたらしい。この手の追放合戦では、追放される人の数を同じ数に揃えるという配慮がなされるのが慣例となっているはずだが、今回ロシアが数を増やしてきたのは、チェコに対する怒りを示しているのか、チェコをかつての属国扱いして侮っているのか、どちらも当てはまりそうな気がする。

 チェコの情報部の調査によると、GRUの工作員二人は、ロシアだけではなく、モルドバとタジキスタンのパスポートも所持していて、いくつかの名前を使い分けているという。そして、チェコ国内では、2014年の十月の前半、一回目の爆発が起こる前日まで、プラハとズリーン地方でその存在が確認されているという。この時期にチェコにいたことは、工作員本人のフェイスブックに掲載された写真からも裏付けられるという。
 工作員が自分の所在を明かすような写真を公表するなんて、世も末である。それでは偽名のパスポートをいくつも駆使して活動する意味がなくなるじゃないか。凄腕のスパイすらも堕落させてしまう、SNSにおける自己顕示欲の罠ということか。しばしば、民主化によって全てがよくなったのではなく、かつてのソ連時代のほうが質が高かったものがあるなんてことがいわれるのだが、スパイやら非合法工作員やらもその中に入るのかもしれない。それは、世界が当時に比べれば平和になったことを意味するのだろうか。

 ただ、二回目の十二月の爆発については発表されなかったが、この二人が十月の時点で、別の少し離れたところに建っていた倉庫にも時限式の爆発装置を仕掛けていったのか、他に協力者がいたのか気になるところである。この手の事件の例に漏れず、全貌が明らかにされることはないだろうが、今のチェコは出来損ないのスパイ映画の終わった後みたいな状況である。
2021年4月19日25時。










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