2020年11月07日
プロスポーツ再開(十一月四日)
十月半ばに規制強化の一環として、サッカー、アイスホッケーのプロリーグも含めて、国際試合という例外を除いて禁止されたスポーツだが、新規感染者数の増加の傾向が弱まったおかげもあって、プロリーグだけは再開が許可された。同時にこれまでは屋外に限定されていた集団での練習も、屋内で行えるようになった。具体的にはサッカーとアイスホッケー、バスケットとバレーボールという1部リーグが完全にプロ化しているスポーツが、保健所から例外的な許可をもらってリーグを、当然無観客で行うことになるようだ。
チェコ全体の規制よりも、厳しい規制を導入して繰り返し検査を行うことで、感染者の洗い出しをしていたサッカーの1部リーグはそもそも禁止の対象になるのがおかしかったのだと思うが、アイスホッケーなどの室内スポーツの場合には、特にアイスホッケーの1部リーグは、サッカーとは比べ物にならないぐらいの感染者を出していただけに、再開に向けて以前よりも厳しい対策が求められることになりそうである。
残念ながら我らがハンドボールは、例外を求めてリーグを再開するかどうか決めかねているようだ。1部リーグのチームでも完全にプロ化していないチームがいくつかあるのが、ネックとなっているようである。とはいえアマチュア契約の選手が存在するチームを排除したのではリーグが成り立たなくなってしまう。相変わらず、マイナースポーツというか、貧乏スポーツの悲哀を感じさせられる事実である。
このプロリーグの再開は、プリムラ前厚生大臣が退任する前から議題に上がり、近いうちに再開する方向で話が進んでいた。だから、プリムラ氏がスキャンダルで辞任に追い込まれたことで、一番困っているのは、バビシュ首相ではなく、スポーツ界だとも言われていたのである。新任のブラトニー厚生大臣は、すぐに規制を緩和するつもりはないと語っていたし。
それが一転して、プロリーグだけでも再開することになったのは、一つには先週から新規感染者数の増加の傾向が止まり、前の週と同じぐらいの数に留まるようになっていることで、いわゆるR指数が、最悪だった頃の1.5から、1前後に下がったおかげであろう。立て続けに規制を導入したせいで、どの規制のおかげでどの規制に効果があったのかはわからないけど。
もう一つ、要因があるとすれば、それはスポーツ界から政治の世界に入って、スポーツ界のために活動している国会議員の存在である。元アイスホッケーチェコ代表のゴールキーパーであるミラン・フリニチカが、スポーツ界を代表して政府や厚生省などと繰り返し交渉を続けた結果が、今回の決定につながったと言ってもいい。
この人、ANOから下院選挙に立候補して当選したのだが、スキーのヤンダが市民民主党で国会議員に選出されて反バビシュを主張して無駄に政治化しているのと違って、政治の中でもスポーツにかかわることに集中している。確かバビシュ政権下でスポーツ支援のために設立された、スポーツ庁とでも訳せる役所の長官に就任していたはずである。
スポーツのことは、スポーツ選手以外にはわからないという気はないが、スポーツ選手出身の国会議員が、スポーツ行政で陣頭指揮を取っているのは、スポーツ界にとっては幸せなことであろう。チェコのようにスポーツのスポンサーとなれる企業が限られていて、規模も大きくない国では、スポーツが盛んになり選手たちが好成績を収めるためには行政の支援が欠かせないのだから。今後もフリニチカの活躍に期待である。
サッカーは今週の金曜日からの再開が決まった。今後は年末まで中断されることなく開催され続けてほしいものである。アイスホッケーは週に3回も試合が行われるので、どのタイミングで検査を行うかなど決めるべきことがいくつもあって、再開にはもう少し時間がかかるようである。
2020年11月4日24時。
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