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2020年10月11日

眼鏡を替えたのに……(十月八日)



 題名の「かえた」を、どの漢字で書くか悩んでしまった。「変えた」「替えた」「換えた」「代えた」、どれだろう。日本語の同訓異字は、明確な違いがないことが多いので困る。常用漢字で整理された結果わかりにくくなったものもあるしさ。とりあえず適当にひとつ選んでおいたが、普通は、どの漢字が一番いいのかわからないときには、高島俊夫氏の説にしたがってひらがなで書くことにしている。今回は何となく漢字の気分だったのである。

 それはともかく、今月朔日の記事に書いたように、新しい眼鏡、老眼鏡をかけ始めた。眼鏡をかけていることが原因となる頭痛は起こっていないが、長時間PCの画面を見つめていると、焦点が合わないというかぼやけて見えるようになることがある。これは老眼鏡の同一の部分を使って見続けることができていないのが原因だろう。
 それで、火曜日と水曜日はPCで仕事をするのが辛くなって、目を休めるために昼寝を余儀なくされた。頭痛とまでは行かなかったが頭が重くて何も考えたくない状態だったから、自宅作業の時間帯で助かった。火曜日は昼寝の後に仕事に出たんだけど、頭もすっきりしていたし、目もPCが使える程度には快復していた。

 レンズの下のほうで本を読むというのは、うまく行かなかった原因が見えた気がする。大きめの文字で書かれた文章であれば読みやすいのである。ああ、だから、いろいろな出版社がお年より向けというか、老眼鏡向けに活字の大きな、版型も大きかったきもする文庫を発売していたのか。文庫本の活字なんてお年より向けではなくても、ページ数を増やして単価を上げるために少しずつ大きくなってきていたものではあるけど。
 テキストファイルをPDF化してリーダーで読む際には、ページ数を減らすために、小さめの活字を使っていて、眼鏡なしで読むには最適の大きさなのだが、老眼鏡で読むには小さすぎるようだ。だからといって活字を大きくしてPDFを作り直す気にもなれないし、今後も読書は眼鏡なしかなあ。今のところ新しい眼鏡では起こっていないけど、頻繁にかけたり外したりを繰り返していると眼鏡をどこに置いたかわからなくなるんだよなあ。眼鏡かけてるの探したりとかさ。

 それはともかく、新しい眼鏡をかけ始めて早十日近く、職場でもいろいろな人と顔を合わせたのだが、誰も気づいてくれない。もう何年もいっしょに仕事をしている人たちにも何も言われなかった。武漢風邪騒動で対面する時間をできるだけ短くしているせいもあるのかもしれないが、何か言われたらどう答えようかと身構えていただけにちょっと肩透かしである。先週末うちのの実家にいったときも何も言われなかったし。
 前回眼鏡を新しくしたときには、すぐに気づかれてあれこれコメントをもらった記憶があるのだけど、お店の人に前の眼鏡と同じようなのを選んでくれるようにお願いした結果だから、店員さんがいい仕事をしてくれたと言ってもいいのか。先月までかけていた眼鏡は、黒に少しだけ赤を使った小洒落たデザインのフレームだったのに対して、新しいのは黒だけの地味なデザインだから気づきにくいというのもあるのかもしれない。前のデザインも気に入っていたけど、新しいののシンプルさも好きなんだけどね。
 それに老眼鏡に小洒落たデザインなんてそぐわないから、オレンジ色とか黄色とかがあしらわれていたフレームは退けたのだし。そう考えるとこの年になって新しい眼鏡ということは老眼鏡だからということで、周囲の人たちに気を使わせてしまったのかもしれない。年を取ると僻みっぽくなっていけない。困ったものである。
2020年10月9日23時。









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