2020年05月04日
自宅監禁日記(五月朔日)
メーデーである。労働者の祝日ということにはなっているけれども、実態は共産党のプロパガンダのためのイベントを行うために祝日になっていたこの日は、チェコでは祝日であり続けている。共産主義的なものを否定することで、民主化を進めてきたチェコで残っているということは、戦前から祝日だったのかもしれない。思い返してみれば、共産党や社会民主党というがちがちの左翼政党だけでなく、中道から右よりの政党もイベントを開催していたような気がする。
ヨーロッパの政党の選挙運動とか、広報活動とかってのも、日本だったら絶対に選挙違反になるようなレベルのサービスを有権者に提供しているわけで、日本の選挙がどうしようもなく腐っているのは承知の上で、ヨーロッパも自分たちで言うほど、そして日本で言われているほど、まともな選挙、政党政治が行われているわけではないと断言しておく。
どこかで、メーデーのイベントを今年はオンラインでやるなんて記事を日本のネットで見かけた記憶があるのだが、そこまでして開催しなければならない重要性があるとも思えない。1990年代には、入りたくもない組合に入らされて、組合の命令でメーデーの集会に参加させられるなんて愚痴をこぼす知り合いが結構いたけど、今はどうなんだろう。意味があるとすれば、左翼系のイベントを開催することで飯の種にしている人たちの救済ぐらいか。
どうせやるなら、政権批判のついでに、緊急事態宣言で外出の自粛を求めるのは、人権侵害だと大騒ぎをして、通常通りのメーデーのイベントを実行すればいいのにと思ってしまう。今の日本の左翼なんて、世襲信者を固めている(と思う)共産党を除けばジリ貧なんだから、思い切ったことをするしかなかろうに。左翼が好きな福祉大国スウェーデン流のコロナウイルス対策の導入を主張するのは悪くないと思うけどね。左翼も高齢化が進んでいるから、革命家ともあろうものが、命を惜しんでいるのかね。
五月朔日といえば、田舎の村や町ではマーイカと呼ばれる木の柱を立てる行事があるんじゃなかったか。柱の一番上には、円形の飾りがついている。かつては近隣の村や町でどこの立てたものが一番高いかなんて競い合ったり、他所の村を襲ってマーイカを切り倒して一番上の飾りを持ち帰ったりなんてことをしていたらしい。どこかの村でそれをやったら窃盗罪で警察に捕まったけど、被害を受けた村が伝統だからと言って釈放するように求めたなんてニュースを読んだ記憶もある。
そんなマーイカを建てるイベントも今年は中止だろうか。メーデーのような政治色の強いイベントは、中止になっても何とも思わないどころか、せいせいするぐらいのものだが、伝統的な民俗行事が中止になってしまうのは残念でならない。イースターやクリスマスなんかと違って、あまり話題に上ることはないのだけど、この時期、あちこち車で移動すると村のまんなかの広場や、町の外れなんかにマーイカが立っているのを見かけるところが多い。
チェコ版のカーニバルであるマソプストの行列も、意外と残っているところが多いのだけど、これも今年はちゃんとした形で行われなかったところがあるかもしれない。あれっこれっていつだったっけ? どこぞのマソプストの行列がユネスコの無形文化遺産に登録されていたと思うのだけど、時期までは覚えていないのだった。それはともかく、チェコって共産主義の弾圧を経てなお、民俗的伝統が根強く残っている国でもあるので、探せば他にもコロナウイルス騒ぎの影響で、行えなくなった民俗行事があるかもしれない。全く以て残念なことである。
2020年5月2日22時。
https://onemocneni-aktualne.mzcr.cz/covid-19
https://www.krajpomaha.cz/
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