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2020年04月10日

自宅監禁日記(四月七日)



 チェコ政府は4月11日で切れる予定の非常事態宣言を1ヶ月延長する方針のようである。これがさらに一ヶ月も続くのかと思うとうんざりするのだが、存在感を失いつつあることに危機感を覚えているらしい野党が、非常事態宣言の延長自体には賛成しながらも、延長期間の1ヶ月は長すぎると反対しているのが救いではある。
 問題は野党の主張する2週間の延長になった場合に、再延長があるのかどうかということで、ずるずると何度も引き延ばされるぐらいなら、急速に事態が悪化しない限り延長はしないと言う条件で、政府の求める5月11日までの延長にした方が、国民の精神衛生上はよさそうだ。あとは、非常事態宣言を解除しても国境の封鎖は周囲の国の状況が落ち着くまでは継続するというのが条件になるだろうか。

 今日の下院での審議で、政府の提出した5月11日までという主張は認められず、最終的には共産党が提案した、野党の主張する2週間よりは長く、与党の一月よりは、短い四月末までの延長という案が可決された。政府では現時点で四月末になったら再延長を求める方針を固めている。時期がどうこうでもめるより、宣言を撤回する条件について話し合ったほうがいいと思うのだけどね。
 日本には緊急事態宣言が出ればすべては解決すると思っているおつむの軽い人たちがいるようだが、チェコの現状を見ればわかるように、そんなことはありえないし、一度出てしまうとずるずると引き延ばされる傾向があるから、お先真っ暗である。チェコの野党の、何のために非常事態宣言が必要なのか、非常事態宣言などなくても今の対策は継続できるだろうというのにはもろ手を挙げて賛成なんだけど……。

 さて、今回の日本も含めた各国の対策で、現時点で遅かったと指摘できそうなこととしては、一つは散々繰り返している高齢者と病気持ちの人たちに対する保護策が上げられる。チェコでは老人ホームなどで、老人の介護に当たっている人たちが感染していないかどうか確認するために、関係者全員の検査をすることに決めたようだ。この人たちが感染していた場合には重症化しやすい高齢者の中に感染が急速に広まる恐れがある、というより広まりつつあり感染者中の高齢者の割合が増えているのだから、感染の疑いがない場合でも念のために予防的に検査を行なう意味は大きい。
 それに対して、感染を疑う理由のある人に限定して検査を行なっていながら、陽性だと判定される割合が5パーセントちょっとでしかなく、その中で入院が必要だとされた人の割合が10パーセントちょっとでしかないことを考えると、高齢者でも病気でもない人が検査を求めて病院に押しかけるのが、いかに迷惑な行為であるかがはっきりする。チェコの場合は陽性と判定されても、症状が軽ければ入院しないのだから、体調が悪かったら風邪薬飲んで家で寝ていればいいのである。

 その点で、元大阪府知事の橋下氏の対応は賞賛に値する。この人が政治家としてどうなのか評価できるほど知っているわけではないが、コロナウイルス関連の発言では、専門家も含めてこの人の上を行く発言は存在しなかった。当初から、健康で若い奴は、感染しても家で寝てろと主張していたし、それっぽい症状が出ても検査を求めて病院に出かけるなんて愚かなこともしなかったようだ。
 チェコでは、検査のための検体を採取する人は上から下まで完全防護装備で、採取場所も病院の入り口や他の病棟とは離れたところに置かれ、検査希望者は専用の駐車場まで自家用車で来ることを求められ、行列も2メートル以上の間隔で並ぶように求められているから、陽性の人がいたとしても、検査の際に他者、特に病院関係者や病気で病院に来た人を、感染させる恐れはほとんどない。日本でこんな安全対策を取れるのだろうか。取れないなら検査の数など増やさないほうがましである。

 昨日だったかな、チェコのコロナウイルス対策の責任者の1人、プリムラ氏が面白いデータを紹介していた。重症化の危険がもっとも高いグループは高齢者だとは言い切れないのだという。高齢者でも持病がなく医者にかかる必要がないぐらい健康な人は、感染しても軽症で終わることが多く、重症化して集中治療室に入るのは、高齢者の中でも重い持病を抱えている人ばかりらしい。
 そして、こんなデータをもとに持病を抱えている人の多い老人ホームなどの職員の一律検査を決めたということのようだ。日本がマスコミの大騒ぎに巻き込まれて緊急事態宣言を出してしまったのと比べると大きな違いである。バビシュ首相は、このコロナウイルスに対する対応においても、いろいろな点で批判されても仕方がないと思うが、非常事態宣言期間の前半、感染症の押さえ込みが対策の中心となる時期に、プリムラ氏を対策本部の長に任命した人事だけは、賞賛に値する。そして、打てる対策を打ち終わり、いかにして非常事態宣言を終わらせるかが問題になってくると、内務大臣のハマーチェク氏に交替させた判断も悪くない。
 いや、そもそも厚生省の次官として感染症、伝染病の専門家が仕事をしていて、いざというときには対策の指揮をとれる体制にあったところがすごいというべきか。日本の官僚制って、政治もだけど、突発的な危機にうまく対応できていないような印象を与える。チェコの官僚制も欠点は日本以上に多々あるのだけど、今回は日本よりはうまく機能している。日本と違って足を引っ張るマスコミが存在しないのも大きいかな。頭の悪い素人の愚見を公共の電波に乗せるワイドショーなんてゴミは存在しないからさ。

 もう一つ遅れたと言えるのは、国境を越える移動の禁止であろう。今回は中国からの感染者の入国を防げなかったことが日本の問題で、チェコの場合にはチェコでイタリア帰りの感染者が出てからもイタリアに旅行に行く人がいなくならなかったことが、ここまで感染者の数が増えた原因となっている。経済活動や、国際関係を考えると国境の封鎖というものが軽々しくできるものではないことは重々承知しているが、国境を封鎖して、感染者を中に入れなければ、そして国民を感染の恐れのある国外に出さなければ、ここまでひどいことにはならなかったはずだ。
 EUの枠内、シェンゲン圏内で早期に国境の閉鎖をするのは、実際、チェコが三月中旬に国境の封鎖を決めたときでも、かなりの批判を受けていたし、制約が大きくて不可能だったのかもしれないが、この事実は今後また同じような感染症が流行し始めたときには教訓とすべきものだろう。まあ、日本ならやれたと思うのだけど、あちこちから批判が飛んできただろうという点では同じか。個人的には学校の閉鎖よりも国境の閉鎖を先にやるべきだったと思う。
2020年4月8日9時。



https://onemocneni-aktualne.mzcr.cz/covid-19
https://www.krajpomaha.cz/













posted by olomoučan at 06:39| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ
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