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2019年05月22日

EU議会選挙B(五月廿日)



 三回目のEU議会の選挙が行われたのは、2014年5月のことで、前回の選挙から5年の間に、三回の政権交代が起こるなど政界の情勢は大きく変化を遂げていた。
 一回目の政権交代は、2010年の下院の総選挙の後で、フィシェル氏の暫定内閣に代わって市民民主党のネチャス政権が誕生したことである。このときの選挙で、議席数を減らしたとはいえ第一党になったのは、パロウベク氏の率いる社会民主党で、市民民主党は僅差の第二党に落ちていた。他にこのとき議席を獲得したのは、共産党を除くと新しい二つの政党だった。

 一つ目は、2009年にキリスト教民主同盟から分派したカロウセク氏を中心とするグループが結成したTOP09というちょっと恥ずかしい名前の政党で、外は新しいけど中身は古いままの政党である。もう一つはVV党で、正式名称を日本語に訳すと「公共の福祉」と、公民の教科書に出てきそうな名前の政党である。こちらは実業家のバールタ氏が、党の顔としてテレビの人気のあったラデク・ヨーン氏を招聘することで、有権者の間に知名度と人気を獲得することに成功した党である。
 第一党の党首だったパロウベク氏は、共産党以外の三党との連立交渉がうまくいかず、責任をとって党首を辞任して、後をソボトカ氏に託すことになった。第二党の党首のネチャス氏は、政治上の師匠とでもいうべき当時のクラウス大統領とのパイプを生かして、首班指名を得ることに成功する。その結果、市民民主党、TOP09、VV党の三党からなる連立内閣が成立したのである。

 問題はこのネチャス政権が、連立三党の対立もあって不安定に過ぎたことである。市民民主党とVV党の対立で、VV党が連立から離れ、VV党の一部の議員が新しい党を作って与党に残ったのが最初の大きな変化で、最後は、不倫関係にあった女性が起こしたスキャンダルに巻き込まれたネチャス首相が、がんばれば続けられたはずなのに、政権を投げ出してネチャス政権は倒れてしまった。これが2013年の6月中旬のこと。
 ここで、本来であれば、与党の市民民主党の次の党首ニェムツォバー氏か、下院の第一党である社会民主党の党首のソボトカ氏が組閣することになるはずだったのだが、この年の初めに、初めての直接選挙で選出された大統領となったゼマン氏が、下院の任期満了まで暫定内閣に任せることを主張した。その結果、ルスノク氏が組閣したのだが、下院で信任を得ることができず、結局、下院は解散され10月に総選挙が行われた。

 この選挙で、第一党になったのが、前回からさらに議席を減らした社会民主党、以下ANO、共産党、TOP09+市長連合、市民民主党、ウースビット(第一オカムラ党)、キリスト教民主同盟の順になった。このうち、ANOとウースビットは、新政党として初めて国会に議席を獲得し、キリスト教民主同盟は、前回はTOP09ショックで議席を議席を獲得できていなかったから国政政党として復活したことになる。
 これだけの数の政党が下院に議席を獲得したため、連立交渉は長い時間がかかり、社会民主党とANO、キリスト教民主同盟によるソボトカ内閣が成立したのは、年が明けて2014年になってからである。

 以上のような状況の中で行われたEU議会の選挙には全部で38の団体が候補者を立てた。投票率は過去二回から大きく下がって、18パーセントほど。このときチェコより低かったのは、13パーセントのスロバキアだけだった。結果は以下の通り。
 
  ANO        4(16.1)
  TOP09+市長連合   4(15.9)
  社会民主党     4(14)
  共産党       3(11)
  キリスト教民主同盟 3(10)
  市民民主党     2(7.7)
  自由党       1(5)

 ANOが最も得票率が高かったのは事前の予想通りだったが、投票率が低かったため、予想されたほどの大差は付かなかった。市民民主党が惨敗したのは下院選挙に続いて、ネチャス内閣崩壊以後の立て直しができていなかったことを意味する。自由党なんていう新しい政党が議席を獲得したのも、投票率が低かったおかげであり、この結果が、2014年当時のチェコの有権者の政治的な動向をどこまで正確に反映しているのかは心もとない。いや、政治に対する関心が低く、EUに対するあきらめのような心情が広まった状況が反映されたのが低い投票率だといういうことはできるか。

 今回2019年ののEU議会選挙については、バビシュ氏の「コウノトリの巣」事件への批判が高まっていること、ゼマン大統領の政治姿勢に対する反発が高まっていることから、投票率が2014年の18パーセントよりは高くなるだろうと予想している。反バビシュ、反ゼマンの人たちがこぞって投票に向かえば、事前の世論調査の結果に反して、ANOが負ける可能性も十分にありそうだ。その場合に、勝つのは海賊党だと見る。
 ということで、本命ANO、対抗海賊党というのが勝手な予想である。
2019年5月20日23時45分。





原典 ヨーロッパ統合史―史料と解説―













タグ:選挙 EU議会
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