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中級課程学生に、図上演習のシナリオが提示されて各TGにて作戦立案が行われました。
作戦立案結果を、合同の作戦会議にてすり合わせると大紛糾!
作戦目標が真っ二つに分かれてしまい、どちらかの作戦にするか大論戦!
ホントに幕僚要務は大変だぜぇ〜!
(前回記事):『【図演準備@】図上演習の詳細と作戦任務付与されたよ!』
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(1)JTF会議開催!作戦目標がバラバラだあ!
中級学生たちが、各TG(任務群)に分かれて提示された作戦内容から任務を導出します。
幕僚要務として最も留意されるのが、自己の作戦目標と任務を導きだすことです。
JTF(統合任務部隊)を模擬して、作戦会議が行われ各TGが任務を発表します。
図1 JTFの風景(イメージ)
引用URL:防衛省facebook
JTF司令部を模擬した教官たちは、適宜作戦指導という形で学生を指導していきます。
1.1 学校長(海将補)の元で発表するよ!
JTF作戦会議は、1術校長(海将補)や副校長・学生部長といったお歴々も参加します。
実際に、群司令や自衛艦隊司令部、護衛艦隊司令部、群司令部作戦幕僚を経験した教官が手ぐすね引いて待っている状況です。
図2 初期配置図
中級課程を卒業後には、すぐに群司令部幕僚に配置されるものもいる為、教官も真剣に教育してきます。
1.2 任務目標発表!なんじゃこりゃあ〜(怒)!
中級学生TGたちの任務目標発表が行われると、段々と教官たちもヒートアップしてきます!
何しろ、第1回合同作戦会議で発表された、各TGの任務目標がトンでもないことになりました。
@TG21.1:A港に上陸部隊を揚陸させるため、A港沖合北東に展開
ATG21.2:B港に上陸部隊を揚陸させるため、B港沖合東に展開
BTG21.3:B港に上陸部隊を揚陸させるため、掃海部隊をしつつB港へ護衛
CTG21.4:A港に上陸部隊を揚陸させるため、輸送部隊を護衛しつつA港へ護衛
DTG21.5:B港に上陸部隊を揚陸させるため、B港周辺の潜水艦捜索を実施
5つのTGについて、上陸部隊を揚陸させる任務までは一致したのですが、揚陸先の港が真っ二つに分かれてしまったのです。
特に掃海部隊護衛のTGと、輸送部隊護衛のTGが全く反対の港へ揚陸させる判断をしています!
機雷敷設の可能性があるため、掃海部隊が掃海作業を行ってから入港作業に入るのがセオリーですが、このままでは、全く時間の無駄となり上陸部隊の揚陸に支障が出ます。
中級学生たちも、各TGの任務目標が発表されるたびに阿鼻叫喚の状態です。
1.3 校長どうなっとるんだ(怒)!
ついに1術校長から、
『なんで上陸先が2つに分かれて任務目標となるんだ(怒)!』
と厳しい指摘が飛びだします。
合同部隊では、同じ目標に向かっていかなければなりません。
教官からも、
・敵位置と自分の任務目標がずれていないか?
・何を優先するべきなのか整理できていない!
・掃海作業を優先して行うのが作戦の基本だろう!
・敵潜水艦は、どこにでも現れるのを忘れている!
と厳しい指導が飛びます。
図3 作戦司令部(いずも)
引用wiki
しかしながら、各TGが導出した任務目標は2つに分かれてしまいました。
図4 各TGの任務目標配置(初期)
このままでは、作戦失敗に終わってしまうため作戦修正の議論が始まります。
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(2)目標修正!どっちの港に揚陸すべきか?!
学生たちのTGは、早速任務についてもう一度確認を行いました。
上陸部隊を輸送・揚陸させるということまでは、任務として一致しています。
しかしながら、どちらの港に揚陸させるかについて意見が分かれてしまったのです。
2.1 A港を掃海・揚陸作業させる任務案
TG21.1及びTG21.4が選択したのは、A港への揚陸作業です。
理由として、
@A港には機雷敷設の可能性があるが不確定のため掃海作業が早期に終わる。
ATG21.3がA港に近く、掃海部隊が先行して掃海作業に入れる。
BTG21.1の防空援護を受けることで敵経空脅威に対する防御ができる。
図5 掃海作業
引用防衛省HP
先行した掃海部隊の後に、輸送部隊が入港作業を行うことで、より早く上陸部隊の揚陸が可能であるとの分析です。
2.2 B港を掃海・揚陸させる任務案
TG21.2及びTG21.3が選択したのは、B港への揚陸作業です。
理由として、
@B港は、機雷敷設が確実であるので掃海を行うべき。
AA港では、敵空母艦載機の経空脅威下での作業となり被害発生が見込まれる。
B離島を利用して、敵航空機からの防空体制が引きやすい。
図6 揚陸作業
引用URL:https://www.mod.go.jp/gsdf/nae/katudou/butaikunren/2013/15/06.jpg
機雷敷設が確実であるB港の掃海を行うことは、A港で敵航空機の脅威下で揚陸作業を行うよりは確実でしょう。
しかし、掃海部隊の到着が遅れ味方部隊の損害が増す可能性があります。
2.3 命令の本質を再確認せよ!
双方が全く任務目標について譲らず、大激論の作戦会議となりました。
そんな中で、学校長から的確な助言が飛び出します。
『政府防衛省からの命令の本質を、よ〜く確認せよ!』
政府防衛省から、JTF及び各TGへの命令は、
『命令:陸上部隊を離島に輸送・揚陸せよ。』
です。
全般情勢分析において、X国との交戦に入る可能性が高いとされています。
命令の再分析では、
@X国との交戦は早期に発生する可能性が高い。
A命令の本質は、一刻も早く陸上部隊を輸送・揚陸することである。
との結果が出ました。
以前に自衛艦隊司令部後方幕僚として、統合演習の時の苦労が再びの状態です。
(参考記事):『【幕僚編D】反撃作戦立案!幕僚達の闘いは敵意図看破!!』
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(3)作戦決定!A港を掃海・揚陸先とする!
大激論の第1回作戦会議において、大論戦の末に各TGの作戦任務が修正されていきました。
結論として、A港を掃海・揚陸先として選定、各部隊は行動することになりました。
3.1 掃海作業先行!懸命な防空戦闘!!
掃海部隊を護衛するTG21.3は、A港に向かい掃海作業を行うことになります。
先行するTG21.1と共に、掃海部隊を掩護するために懸命な防空戦闘を繰り広げることになりました。
図7 掃海部隊と護衛艦部隊
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/mf/img/top.jpg
3.2 輸送部隊の進路を決定!
図上演習にて、A港に輸送部隊を送ることになりましたが、TG21.4と輸送部隊の進路が問題です。
離島の東を大回りで行くと時間のロスが発生します。
そのため、β港から離島の西側を航行してA港を目指します。
TG21.2は、敵潜水艦及び敵航空機誘因のためあえてB港沖合東側に展開させます。
図8 作戦修正図
掃海部隊と輸送部隊の盾となり、激しい対空対潜戦闘となります。
TG21.5(P−3C)は、B港周辺の潜水艦を優先的に捜索撃破します。
A港周辺の潜水艦捜索は、味方防空カバーの範囲で実施して、敵艦への対艦攻撃も準備します。
一時は、作戦目標が2つに割れたものの、何とか修正されました。
さて、本格的な作戦細部計画の立案だ!
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