(2019年投稿記事です。)
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自衛隊・防衛省は、防衛大綱によりようやくサイバー戦について具体化しました。
22大綱にて最初に記述されてから、長い道のりでした。
かつて日本海軍が味わった、レーダー開発の敗北の二の舞にならないか?
今後、自衛隊の能力向上への考察です。
(前回記事):『韓国文在寅はハーメルンの笛吹き男なのか?』
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(1)進み始めたサイバー・ハイブリット戦能力
2019年以降の新しい防衛大綱(31大綱)にて、ようやくサイバー戦が作戦能力の根幹に据えられました。
22大綱(平成22年度防衛大綱)にて、初めてサイバー戦に関する記述からかなり経過しています。
この新大綱(31大綱)にて、本格的な対処能力整備となります。
1.1 明記されたサイバー戦反撃能力
サイバー戦について、従来までは防御のみを重視していました。
図1 サイバー戦
引用URL:https://pixabay.com/ja/illustrations/ハッカー-攻撃-マスク-1872291/
世界サイバー戦技術は発展し続け、ハイブリッド戦にまで進化しています。
ようやく反撃能力を含めた領域横断作戦が規定されました。
(宇宙・サイバー・電磁波領域)
1.2 遅すぎたのではないか?
サイバー戦の対処能力については、以前から指摘されていましたが、ようやく整備されることになりました。
もはや、体制整備が遅すぎたと言えます。
かつて、日本海軍がレーダー開発で遅れを取り、敗北の一因となりました。
サイバー戦が、レーダー開発の遅れという二の舞となるのではないかと考えます。
図2 日本海軍レーダー(21号電探)
引用URL:wiki
かつての失敗がまた繰り返される心配があります。
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(2)日本海軍はなぜレーダー装備が遅れたのか?
かつて日本海軍はレーダーという、当時最新鋭の機器の導入が遅れました。八木・宇田アンテナ・マグネトロンといった、新技術が日本から誕生していたにも関わらず、レーダーの装備が遅れました。
なぜ、レーダーの装備が遅れたのでしょう?
いろいろな持論などがあるかと思いますが、ここで重要な要点があります。
2.1 兵器として用兵側の理解が遅かった。
極論として言えば、兵器としてのレーダーの効果に理解を得ることが遅れたことが原因といえます。
技術陣側の責任としても、
・計画的研究開発体制の不備
・使用に耐えうるだけの頑丈さに欠けた。
・マネジメント不足により、理解者の活用ができなかった。
などがあげられます。
日本海軍の砲術の神様と言われた黛治夫大佐(海軍砲戦史談著者)など、理解者が多くいたはずなのですが・・・
22号電探の射撃管制レーダー化の提案も、黛大佐です。
図3 22号電探
引用URL:http://livedoor.blogimg.jp/oy1982/imgs/c/9/c92ceb98.jpg
海軍の全体的な空気は、電探無用論がはびこりました。
(闇夜に提灯を照らすものだ!と批判された)
2.2 保守的体制に革新をどう理解してもらうか?
昔も今も、軍・自衛隊は官僚的組織の面があります。
その中では、革新的な技術に対する否定的一面がどうしても存在します。
『目に見えた攻撃に対する効果が判り難い』
レーダーとサイバー戦・ハイブリット戦には、共通した部分が存在します。
どのようにして理解してもらうべきか、答えとしては、
『大規模サイバー演習にて実感してもらう』
となるでしょう。
実際に体験しないと保守的組織に、ゲームチェンジャーを理解させることができません。
早期のサイバー戦演習が必要でしょう!
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(3)電子装備研究所の研究はどこまで進んだのだろう?
防衛省・自衛隊のサイバー戦に関する研究拠点は、電子装備研究所です。
(防衛装備庁電子装備研究所)
東京の、三宿駐屯地(世田谷区)に存在します。
現職時代に、研究内容の見学でサイバー戦の研究部署も見学しました。
その時には、かなりの研究が進んでいました。
主任研究官のある言葉が忘れられません。
3.1 攻撃用ウィルスはすでに完成している
電子装備研究所での見学で、制服組との意見交換がありました。
主任研究官からは、
・『サイバー戦の攻撃用ウィルスの作成はすでに完了している』
・『サイバー戦について、防衛計画上の位置づけが明確ではない』
・『防御だけでなく攻撃についての位置づけが必要である』
との発言がありました。(31大綱前の話)
図4 自衛隊サイバー防衛隊(勤務中)
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2016/image/photo0301019.jpg
3.2 用兵者の深い理解が必要!
サイバー戦・ハイブリッド戦は、新たな次元の戦いとなっています。
サイバー戦を生かすも殺すも、用兵者がしっかりと理解する必要があります。
かつて日本海軍が、レーダーの装備実用化に遅れを取った二の舞だけは避ける必要があります。
より進化した体制を望みます!
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