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2018年09月29日

国家試験解説「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち(No.43)」

Q43.免疫・アレルギー疾患に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ。

(1)全身性エリテマトーデス(SLE)は、男性に多い。
(2)強皮症では、食道の蠕動運動は低下する。
(3)バセドウ病は、甲状腺刺激ホルモン(TSH)に対する抗体により発症する。
(4)シェーグレン症候群では、唾液の分泌が増加する。
(5)エイズ(AIDS)では、日和見感染が起こる。

【解説】…正答(2)、(5)
(1)誤り。全身性エリテマトーデス(SLE)の発症は、20〜40歳代の出産可能な女性が多く、
   男性の約10倍を占める。
   なお、SLEは遺伝的素因を背景にウイルス感染などの様々な誘因が加わり、
   抗核抗体をはじめとする種々の自己抗体が産生されることで起こる慢性の全身炎症性疾患である。
(2)正しい。強皮症は、結合組織の病変により皮膚が硬化し、
   全身の諸臓器が障害される炎症性・線維性変化を主体する自己免疫疾患で、
   食道蠕動運動の低下がみられる。
(3)誤り。バセドウ病は、甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体に対する自己抗体により発症する。
   甲状腺ホルモンの分泌亢進及びTSHの分泌低下がみられる。
(4)誤り。シェーグレン症候群では、唾液腺の慢性炎症により唾液の分泌が減少する。
   シェーグレン症候群とは、唾液腺・涙腺などの外分泌の慢性炎症により唾液・涙の分泌量が低下し、
   口腔内・眼の乾燥症状をきたす自己免疫疾患である。
(5)正しい。エイズ(AIDS)では、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)への感染により免疫系の司令塔である
   CD4陽性Tリンパ球が著しく減少するため、免疫機能の低下をもたらし、日和見感染症が起こる。
   なお、日和見感染症とは、健常者では感染が成立しないような弱毒病原体による感染症を指し、
   何らかの原因で免疫機能が低下した際に問題となる疾患の総称である。
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食品会社で勤務しながら、半年間の独学を経て管理栄養士の国家試験に合格。その後、管理栄養士として勤務するために病院へ転職。6年間で3つの病院を経験。現在は、管理栄養士国家試験の参考書の校正や答案添削を行っています。 <取得資格>管理栄養士、栄養教諭、糖尿病療養指導士、病態栄養認定管理栄養士、NST専門療養士
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