2018年09月21日
国家試験解説「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち(No.35)」
Q35.神経系疾患に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)ウェルニッケ脳症は、ビタミンB12欠乏で起こる。
(2)アルツハイマー病では、脳萎縮がみられる。
(3)アルツハイマー病では、見当識は保たれる。
(4)パーキンソン病では、片麻痺がみられる。
(5)パーキンソン病では、錐体外路症状がみられる。
【解説】…正答(2)、(5)
(1)誤り。ウェルニッケ脳症は、ビタミンB1欠乏で起こる神経障害である。
アルコール依存症、胃切除などの消化管術後、妊娠悪阻、
ビタミンB1を含まない高カロリー輸液などが原因となる。
(2)正しい。アルツハイマー病は、認知症を主体とし、病理学的に大脳の全般的な萎縮、
組織学的に老人斑や神経原線維変化の出現を特徴とする神経変性疾患である。
頭部CT、MRIにて、側頭葉内側面を中心とする大脳皮質の萎縮、嚢溝や脳室の拡大が観察される。
(3)誤り。アルツハイマー病では、海馬、側頭葉の萎縮により見当識障害、記銘力障害、
物盗られ妄想などがみられる。
なお、見当識とは、現在の自分の置かれている環境、すなわち日時、場所、人物などを
正しく認識する能力を指す。
また、記銘力とは、新しい出来事を覚える能力を指す。
(4)誤り。パーキンソン病では、片麻痺はみられない。
パーキンソン病は、中脳の黒質が変性してドーパミンの産生が欠乏することによって、
大脳基底核による運動の制御が障害されて、スムーズに身体を動かせなくなる神経変性疾患である。
安静時振戦、無動、筋固縮、姿勢反射障害の錐体外路障害が4大症候である。
なお、片麻痺は王血管障害などによって起こる。
(5)正しい。(4)の解説参照。
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